1ページずつ鉛筆描きのデッサン画で表現される世界をめくりながら物語を感じ取っていく。
見るたびに、セリフが変わる絵本です。
ある日、1匹の犬が車の窓から投げ捨てられます。
これがアンジュールです。
アメリカのハイウェイのような、周りに何もないどこまでもどこまでも道だけが続く景色の中に。
アンジュールは一生懸命車を追いかけますが、その車は決して止まることはありませんでした。
それでもアンジュールは歩き続けます。
時にはうなだれながら、時には道の臭いを嗅ぎながら、ひたすら歩き続けます。
細かく書き込まれていないからこそ、鉛筆でざざっと塗っただけのような絵の中にアンジュールの切ない表情が見えるような気がします。
そして、アンジュールのこころを写したような曇り空が見える気がします。
この情景をどんな言葉で表現したらいいかな・・・
ページをめくりながら、じっくりじっくり考え、感じる時間が心地よい本です。
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アンジュール―ある犬の物語ガブリエル・バンサン(ブックローン出版)
私の感想 ★★★☆☆:おすすめ。読むと得るものがあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。