※数年前の出来事を綴っています。
春になり、
私はフリーの仕事を続けながら
学生となった。
週3回のキャンパスライフだ。
夜の授業は、
息子との二人暮らしということもあり
なかなか選択できなかったが
昼間の授業だけでも
家族や子どもに関する授業のほか
様々な分野の授業を取ることができた。
一緒に学ぶのは
二十代の学生から
七十代の方まで幅広く、
未就学児のお子さんを育てながら
通っている方もいた。
その環境がまず新鮮だった。
そして、
私の指導教授のゼミには
自大学だけでなく他大学の学生も
聴講にきていた。
また、ゼミには
両親の離婚や再婚を経験した学生も
数名いた。
まさしく、
私の息子がおかれた環境と同じ
ステップファミリーの継子の立場を
経験した青年たちだ。
この同級生たちと
毎週色々なディスカッションをしていく。
息子と同じ、
連れ子だった青年たちが
彼らの親にもっていた
想いや問題意識を
授業のなかで何度も聞いた。
その気持ちの吐露は
おそらく息子も
感じていたであろう
実親や継親への嫌悪感や
大人の都合でふりまわされる
子どもの疎外感だ。
彼らの発する
そのリアルな感情が
息子の姿とだぶり
合わせ鏡のように
私の心に響いた。