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相続税が増えるかも!? -平成22年度税制改正案より-


 相続税を計算するときに

 基礎控除(5000万円+法定相続人数×1000万円)を相続財産から控除
 できます。


 被相続人(死亡した人)の財産の大半が土地付きマイホームの場合、土地
(相続財産)の評価を減額してくれます。


 たとえば、父親に相続が発生した場合、父親が相続直前まで居住していた

自宅を子どもが相続した場合、


 1.子どもが居住を継続した場合、土地240平米まで80%の評価減

 2.子どもが居住せずその土地を売却しても、土地200平米まで50%の評価減

  が得られます。


 したがって、その土地が1億円でも相続税を計算するときは、2000万円や
 5000万円の評価で良かったのです。


 この規定「小規模宅地等の課税の特例」のおかげで、基礎控除額が大きいことも
 あり、ほとんどの方は相続税がかかりません。


 ところが、今回の税制改正案では、

 相続人等が事業や居住を継続しない場合は、「小規模宅地等の課税の特例」の
 適用除外になります。


 先ほどの例のように、相続人が自宅を相続し、居住せずに売却した場合は、評価減
 が得られなくなります。


 また、配偶者と子供が共同相続した場合にも、子どもが居住しなければ、子どもが
 相続した部分に関しては減額の適用を受けることができなくなります。

 今までは相続税の心配がない方でも課税の可能性がでてきました。


 追伸

 さらに、平成22年度税政改正(案)のポイントについて学習したい方は、財務
 省で発行しているリーフレット(PDF)がわかりやすくて良いと思います。

 http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/syuzei04.htm

『自動車保険の保険料がアップします!?』


 自動車保険の保険料が平均で5.7%値上がる予定です。車を持っている家庭は、
 家計を圧迫します。


 自動車保険の見直しをしたほうがいいですね。

 
 今回は自動車保険の保険料について検討します。

 
 損害保険会社はどのように保険料を決めていると思いますか。


 事故のデータは多くあったほうが精度が高くなりますね。


 そこで、損害保険会社は、損害保険料率算出機構のデータを参考に保険料率を
 決めています。


 損害保険料率算出機構では、会員保険会社から大量のデータを収集しますので、
 1社のデータよりは精度の高いデータを提供できるのです。


 今回、自動車保険の保険料が見直されるきっかけになったのが、この機構のデータ
 です。


 保険会社は、収入(保険料)と支出(保険金額)が等しくなるということを前提
 に経営が成り立ていますが、現在このバランスが取れなくなっています。


 機構の説明によると、「平成19年までの保険実績統計に基づき今後の自動車保険
 の収支をみると、対人賠償保険・搭乗者傷害保険を中心に、全体で5.7%の赤字が
 発生する見込みになった。」ので、保険料率の引き上げを行ったということです。

 

収支が悪化した原因を機構は次のように説明しています。

 
 <収入が悪化した理由>

 ・保険料の低いコンパクトカーが増加したこと
 ・無事故割引の割引率が高い契約者が多くなったこと
 ・保険料の高い若年ドライバーの減少など


 <保険金の支払い増加の理由>

 ・対人賠償保険・搭乗者傷害保険において契約1台あたりの支払保険金が増加傾向
 (理由)
 ・交通事故自体は減少傾向だが少額損害の事案に関する保険金の支払いが増加傾向
 ・事故発生時に支払う可能性のある保険金をすべて案内し支払っている。


 また、保険料率と共に「年齢区分」「等級」「運転者限定」についても見直しが
 行われました。


 自家用乗用車(普通・小型)を例に、ポイントを確認しましょう。

 
 ○年齢区分について

 従来:保険料が高い順に「全年齢」「21歳以上」「26歳以上」「30歳以上」。
 
 今回:「30歳以上」を「26歳以上」に統合し、26歳以上の区分を細分化しました。


 ○等級について
 
 従来:1等級から20等級の保険料の格差が4.0倍ありました。

 今回:この格差が4.11倍に拡がりました。


 ○運転者限定について

 従来:家族限定があるかないか。保険料の格差は1.03倍。

 今回:家族限定に加え、本人・配偶者限定を追加。保険料の格差は1.08倍。

 以上はあくまで機構の区分での見直し例です。


 では、どのくらい保険料が上がる可能性があるのでしょうか。
(機構のデータを使うかは任意ですので必ず上がるというわけではありません。)


 これに関しては、機構の説明資料に詳しく載っていますので、こちらでご確認
 ください。


 ・損害保険料算出機構
 http://www.nliro.or.jp/service/ryoritsu/osirase.html


 更新で保険料がアップするようでしたら、他の保険会社の見積もりをとってみたら
 いかがでしょうか。

『奨学金よりも大切な教育ローン』

 大変な不況です。


 大学や専門学校の学費を全て保護者が負担するのは無理があります。


 そんなことをしたら老後の資金が足りなくなります。


 現在、厚労省モデルでは夫婦2人で月額約23万円の公的年金(老齢年金)を受取
 ることが可能です。


 この金額ではゆとりのある老後生活は無理ですし、総務省のデータによれば、
 世帯主60歳以上の無職世帯の実支出は約28万円ですので、日常生活を送って
 も毎月約5万円が不足しています。


 「わが家の夫は年収が高いからもっと多くの年金をもらえるので老後の生活費は
 心配ない」と思っているのでしたら、「ねんきん定期便」でよく確認してください。

 思っているよりも低い年金額だと思います。


 そこで、老後資金の確保のため、保護者が上級学校の学費を全て負担するのでは
 なく、アルバイトや奨学金を利用させるなど子どもにも協力させましょう。


 ところで、奨学金は、入学後に、毎月振り込まれるお金です。


 ということは、入学前に必要なお金には奨学金は利用できません。


 最近は私立に進学する場合、一般入試よりも推薦で合格する生徒の割合が増えて
 いますので高校3年の秋には合否が決まります。


 合格が決まると入学の手続きとして入学納付金を10日~2週間で納めなければなり
 ません。


 入学納付金は入学金のほか前期授業料なども含まれますので、私大平均で約100万
 円になります。


 もし、納付できなければ、入学を辞退したものとされます。


 このような事情を保護者の方はご存じない方も少なくなく、お子さんが大学や
 専門学校に合格したにもかかわらず、入学納付金の工面ができなく、 進学を断念
 するといったケースが毎年あります。


 とても悲しいことですね。


 この入学納付金を工面する手段が「教育ローン」なのです。


 「教育ローン」には、日本政策金融公庫が扱う国の教育ローンと、民間の金融機関
 が扱う教育ローンがあります。


 国の教育ローンは低利で、審査も民間に比べ緩いので、まず国の教育ローンを検討
 するのが良いと思います。


 大学・専門学校に合格しても、入学できなければ、奨学金は意味がありません。

 早目に、教育ローンの資料を取り寄せ、合格したのに入学できなかったということ
 がないようにしましょう。