リビングソファと違って、こういうセットが置いてある家って、どこか贅沢な気がします。
ソファは必ずあって、それ以外にこういう家具を置いているのでしょう。。
憶測ですが、、
今回は、、
名古屋市天白区のお客様、ご注文を有り難うございました。。
メーカーのタグ等はありませんが、お客様がそうおっしゃるので、
キツツキマークで有名な「飛騨産業のです。。」 と。
飛騨のメーカーで猫脚デザインは珍しいですが、、
言われてみれば、そんな感じ~ 丈夫そうだし。。
それでは、このアームチェアとオットマンのセットを張り替えます。
張地をはがしますと、座面、背面共にクッション材は劣化してカッチコチになってまして、
クッション材を取り除くと、座面にはコイルスプリングが仕込んでありました。
コイルスプリングを支えるウェービングベルトの隙間を削って面取りして、
底面からもウェ~で隠れる箇所も削って(左上)、内回り全て(赤い矢印)を面取りしました。。
やらずにいられないんで、、 少しでも部材が長持ちするように。。
その後、伸縮性のほぼ無い丈夫なウェービングベルトで補強しました。
ここからクッション材をつくっていきますが、1セットだけですから完全に手作業です。
チップラバーとウレタンゴムをカット~貼り付けを繰り返して、、
フレームに合わせて調整しながら、、
フレームに貼り付けたら余分をカットして、側面にも細長いウレタンゴムを貼り付けますが、
エッジを斜めにカットするこだわりの作業(左上矢印)です。
これを側面の下部(右下矢印)になるように貼り付けると自然な丸みが作られるわけで、
こだわり ~
さて、感触を軟らかくする白ワタを貼り付けたら、座面の生地の張り込みです。裁断して、
腰部に慎重に切り込みを入れながら(左下 ここで失敗したら生地がパ~ )、進めます。
ここが今回のメインイベント 微妙な形状の背面のクッション材を作る工程です。
先ずは元のクッション材を使って下地になるチップラバーを切り出したら、
15mmウレタンゴムを何層にも貼り付けて厚くして、下地のチップラバーを貼り付けて、
下地のチップラバーに沿ってカットして、元のクッション材と並べてみました。
と、、ここまでは普通ですが、、外回りだけ形になったところで、
ここからが職人さんの腕の見せ所
元のクッション材を横目に診ながら、刃物で少しずつ斜めにカットして形作っていきます。
斜めのカットを繰り返しながら、丸みを作っていき、
要所となる真ん中辺りの窪みも切込みを入れて切り出していきます。。
窪みの丸みもカットで作り出していき、仕上げに全体を調整して、、
こんな感じです
お見事では
元と比べても遜色ないですね。。
これが沢山あれば作ってもらうところですが、なにせ 1台 だけですから。。
ようやく背面の張り込みです。先に下地を張って、作ったクッション材を貼り付けました。
背面の下地もウェービングベルトで補強してあります(左下)。
表面に白ワタを貼り付けてカットによる粗さを和らげたら、
生地を合わせて、肘部に慎重に切り込みを入れながら(左上)、張り込みを進めます。
背面の裏側からも下地を張る工程では、縁を折り曲げて2重で張って強度をだしたら(左上)、
クッション材を貼り付けて、生地を張って、ほぼ完成に近づきました。。
ここからは おまけ ではないですが、オットマンに取り掛かります。
先ずは鋲を取り外して、
フレームにキズ付けないように針おこしで針をおこして1本づつ抜き取るという、
いつもの地道で途方もない、でもキレ~に仕上げるためには大事な作業です。
アームチェアではこの工程を撮り忘れましたが、、
クッション材は傷んでますし、ウェービングベルトも緩んでるので替えます。
ウェ~をはがした後、フレームの汚れを落として拭き取った後に、
色付け艶出しのウレタン塗料を塗り込みます。
この工程もアームチェアでは撮り忘れました。
伸縮性のほぼ無い丈夫なウェービングベルトを張ることで、硬めですが耐久性が非常に強く、
布バネのような耐圧分散効果が得られます。
その後、クッション材をチップラバーとウレタンゴムで成形します。
感触を軟らかくする白ワタを貼り付けたら、生地を張り込みます。。
ここで工程が追い付いて、お揃いになりました。
仕上げの鋲打ちです。座面の左~右、背面表~背面裏、、
左肘~右肘、、
オットマンも鋲で仕上げます。
完成
サンゲツのUP6142、レトロソフィアと言う、薔薇が沢山描かれた絵柄のファブリックです。
厚めの生地で丈夫ですし、このセットにはとってもお見合いですネ。
お問い合わせは 竹永椅子店 まで
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送り方はホームページの お問い合わせ ページを見てくださいネ。。
お近くであれば1脚だけでも見せに来て下さい。。
その際は事前に必ずお電話を~。。