今はリビングソファと言うと、両肘が付いた3人用か2人用を1台、
若しくは広~いお部屋ですと、、
3人用と2人用を合わせたL型コーナーソファ等、etc...
でも昔は1人用の肘無しと1人用の片肘付き、扇形コーナーを合わせたL型ソファセットが
多かったもので、他の組み合わせでも1人用ソファが多かったものです。。
今回は、名古屋市瑞穂区のお客様、ご注文を有り難うございました。。
コーナーはありませんが、肘無しが3台、片肘付きが左右各1台の計5台セットです。。
3台づつ並べていますが、5台セットなのです。。
今はこういうセットをメーカーさんが全く作らないのですが 、
昔はこんなんばっかでして、、でも、レイアウトを変え易い、掃除がし易い、軽い、etc...
ということで探しているお客様はいて、でも無いから張り替えて欲しい、
というご要望があるんです。
座面と背面が本革で、側面や背面裏側等は同色のビニールレザー、というのは
国産メーカーの定番であり、得意とする手法ですね。。
これを、上質な本革調のソフトレザーと酷似色のビニールレザーで張り分けます。
それでは、このソファを張り替えます。。
いつものごとく、丁寧にはがします。。
針起こしで針を起こして(左上)、ニッパーで抜き取っていく(左下)という、
気の長い、途方もない作業です。。 それでもキレ~にはがしました。。
相当の年数が経過していますが、その割にはあまり使っていなかったとのことで、
座面のウレタンゴム下の下地シートも痛んでいません。。
よって替えませんが、急所のフレームのエッジ(赤い矢印)だけは面取りしたいので、
下からヤスリを突き立てて削って滑らかにしました。
他にも、外側のエッジが角張った箇所を面取り(上段)しまくりました。。
その後、念のために下地シートを上から張りました。
続いて、ウレタンゴムを補強.補修します。
実はクッション性についてはお客様から何もリクエストはありませんでした。
「へたっているのかな~、」程度でしたが、何もしないわけにはいきません。。
座面.背面共にクッション構造は下地と表面の2層構造でしたので、
座面の下地になる50mmを替えます。右上のウレタンゴムだけで成形してあったものを、
チップラバーを使って硬めに仕上げていきます。
ようやく張り替え作業に入ります。。
はがした張地をほどいて型紙を作っていきますが、これが地道な作業なのです。。
作った型紙で裁断~縫製していき 、座面のカバー部が出来上がりました。。
右下は,中にウレタンゴムを入れ込んで形を確認してみました。
続いて背面カバーを作りますが、、これが見ての通り、面倒な形、、
ほどいて、ひたすらほどいて、、型紙を作っていきます
。。繰り返し~繰り返し、
その後、裁断~縫製していきます。。
①、②、③をまとめて縫製(右下)して、、、
(③はウレタンゴムを入れ込むためのファスナーが2ヶ所も付いています)
背面カバーが出来上がりました。。
”通称“白わた(樹脂綿)がふんだんに載せてあった表面のウレタンゴムは使います。
ウレタンゴムを入れ込んだ座面カバーを張り込んで、
続いて、背面カバーの2ヶ所にウレタンゴムを入れ込んで、張り込みます。。
完成形が見えてきました。。
最後に、側面、足下、背面裏側に、表面に酷似したビニールレザーを張りますが、
少しぼかしの入ったアンティーク調のビニールレザー(右上)を選ばれました。
側面にもウレタンゴムを貼り付けるので型をおこして、その型でウレタンゴムをカットして、
側面~背面にウレタンゴムを貼り付けて(上段)、ここに合皮を張るための裁断~縫製(下段)
足下~側面~背面が繋がったカバー(右下)が出来上がりまして、、
上で作ったカバーを張り込みます。。
肘無しが完成
最後に肘を張り替えます。同じく張地をほどいて型紙(右上)を作って、裁断~縫製、
少々複雑な形状ですので、下段でははがしていない方を確認しながら張り込んでいきます。
それでも完成
肘を取り付けて全部完成です
張り替え前は日焼けと思われる変色もひどかったのですが、
味わい深いダークブラウン、シワまでリアルに表現した本革調の上質なソフトレザーです。
「お願いして良かった」と言ってもらえて、嬉しい限りです。。
お問い合わせは 竹永椅子店 まで
御見積もり御希望の方は、先ずはお写真でも送って下さい。
送り方はホームページの お問い合わせ ページを見てくださいネ。。
お近くであれば1脚だけでも見せに来て下さい。。
その際は事前に必ずお電話を~。。