「つきよのキャベツくん」長新太/作
「つきよのキャベツくん」長新太/作(文研出版)です。
キャベツくんとぶたやまさんが、鼻とちょび髭の付いている大きなトンカツに出会います。食べるのが怖くて躊躇していると、月が出てきて、そのトンカツを横取りしてしまいました。そして2人は食べておけばよかったな~と、後悔するお話です。
実は最初、本屋さんに並んでいるのを見たとき、青・黄・緑が基調になっている表紙の絵が単純な印象で、目を留めませんでした。そんな私が、このシリーズを気になりだしたのは、名古屋のある絵本屋の店長さんが、節をつけて歌った「ぶたやまさんたらぶたやまさん
」でした。幼稚園の子ども達も大人もすぐ惹き込まれました。
このシリーズは5冊あり、とにかく奇想天外な不思議な世界が広がっているし、絵の中に何か隠れているんじゃないかと思わせるような絵です。また言葉の繰り返しや、ぶたやまさんの「ぶぎゃっ」と言うセリフは、話を進めていくうちに、いつの間にか子どもも読み手になっていること間違いありません。また 登場人物が本当は子どもの仮の姿だと解釈する人もいたり、この絵本には、まだまだ深いメッセージが隠れていそうです。
さて 作者の長新太さんは、今年の6月、77歳で亡くなられました。このシリーズがもう続かないのは、とても残念でなりません。
