「まよなかのだいどころ」モーリスセンダック/作 神宮輝夫/訳 | ぼのぼの日記 くろーばー己書道場

「まよなかのだいどころ」モーリスセンダック/作 神宮輝夫/訳

 今月のお勧めは 「まよなかのだいどころ」モーリスセンダック/作 

神宮輝夫/訳(冨山房)です。

 内容は、夜 ミッキーが眠ろうとしていると、下から騒がしい音が聞こえてきます。なぜか落っこちたのは、真夜中の台所でした。そこには3人の頭の大きなパン屋さんがいて、ミッキーは、もう少しのところでパンにされちゃうところでした。そして、ミッキーは、パン作りを手伝って 自分のベッドに戻ると言うお話です。

 実はこの絵本、私のお気に入りの1冊なのです。文中で”ミルク”を”天の川”に取りに行く場面がありますが、英語で天の川は「Milky Way」。それを「milk」とかけていることが粋な感じがしますし、真夜中に働いているパンやさんが、歌いながら楽しそうにパンを焼いていると言う場面も好きですし、3人の頭の大きなパン屋さんの表情がなんとも言えないほど愛嬌があるのです。どうしてこれほどこのパン屋さんに惹かれるのかは分かりませんが、絵を見れば、なんとなく理解してもらえると思います。

 センダックの作品で「かいじゅうたちのいるところ」「まどのそとのまたむこう」そして「まよなかのだいどころ」は、自身が「3部作」と位置づけていて、テーマとして『怒り、たいくつ、恐れ、挫折感、ねたみなどの様々な感情を子ども達がどのように克服し、生活の現実とどう取り組むかと言う事』を取り上げていると、本人が語っているようです。できれば、原書も挑戦してもらいたい絵本です。