「ちびくろ・さんぼ」ヘレン・バンナーマン | ぼのぼの日記 くろーばー己書道場

「ちびくろ・さんぼ」ヘレン・バンナーマン

  今月のお勧めは「ちびくろ・さんぼ」ヘレン・バンナーマン(文)、

フランク.ドビアス(絵)、光吉夏弥(訳)瑞雲社です。絶版になって以来17年。今年4月15日にようやく復刊。瑞雲社の社長は「他の絵本と比較しても文章表現に差別は見当たらないと思う。絵がきれいで親しまれた岩波版は、次世代に残す必要がある」と話しています。岩波書店版の2話のうち、有名な1話目だけ、本のサイズ、絵など、ほとんど同じ形で登場しています。

 この絵本を番組の中で取り上げたところ「なつかしい」169枚も食べたさんぼのホットケーキがすごくおいしそうで、食べたかったんだ」「昔お母さんにホットケーケーキをせがんだ」といった意見が多数でした。

 私が「絵本とおもちゃの店カンガルーハウス」でお借りした本は、なんと復刊から1ヵ月後、5/27の出版ですでに8版でした。いかに大盛のファンが、復刊を待ち望んでいたかがわかります。差別に関してはまだ解決していない部分があるものの、絶版ではなく、出版しながら話し合っていくことが得策だったのでは、と考えます。 

 なんと言っても、トラが木の周りをくるくる回ると、黄色いトローリとしたバターになる現実ではありえない想像の世界が膨らむこのお話、子どもに与えたいし、懐かしいと言う大人にも、あらためて手にとってもらいたい1冊です。