「きみがしらないひみつの三人」 ヘルメ・ハイネ
今月のお勧めは、「きみがしらないひみつの三人」ヘルメ・ハイネ(作・絵)天沼春樹(訳)徳間書房です。人が生まれた時には、3人の友だちがやって来て、体のなかで働きます。一人は頭の中で。一人は心の中で。もう一人は体の中で。そして人が死んだ時に、そのひみつの3人の働きで、みんなの心の中で、その人のことが頭の中に残るように働きかける仕事をしています。だから、人が死んだとしても、悲しまなくてもいいんだよと言うお話です。この本をイセハラFMで取り上げたのは、丁度JRの列車事故のあったとき。あの惨事でたくさんの人の命が突然奪われました。私は、このお話を思い出し、そして、新聞の記事などで亡くなられた人たちの事を考えました。人の死に対して、こんな考え方があるんだという発見があると思います。かわいい絵と共に、大人も子どもも元気をもらえる1冊ではないでしょうか?
作者ヘルメ・ハイネは、ベルリンで生まれました。ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞など、多くの章を受けています。彼の作品でもう1冊、是非手に取っていただきたいのは、「ともだち」です。ねずみとぶたとニワトリの仲良し3匹のある日のお話です。ほのぼのとしたお話と絵が、彼の魅力でしょう。