一般には「生理」と呼ばれる月一回の出血。医学的には「月経」と呼びます。
「女性に起こる生理現象の一つ」という意味から、「生理」と呼ばれるようになったようですが、
ここでは「月経」と統一します。)
日本産科婦人科学会は「月経」のことを、
「約一ヶ月の周期で起こり、限られた日数で自然に止まる子宮からの周期的出血」
と定義しています。
「月経なんて当たり前に月一回やってくるもの」と疑問をもったことのない人も多いでしょうが、
それでは、次の質問に答えられますか?
・ どういう仕組みで約1ヶ月の周期で出血が起こるのでしょうか?
・ なぜ、限られた日数で自然に出血が止まるのでしょうか?
・ どうして出血量もある程度一定なのでしょうか?
意外と答えられないものですね。
ところで、「月経」ってなんのためにあるのでしょう?
「妊娠に備えるため」「子供を産むための準備」というイメージはみなさんあると思います。
でも、「月経」というと、「目に見える出血」にばかりみなさんの意識は行きがちですね。
・・・これでは、何の知識もなかった原始時代と同じです。
実は、月に一回起こっている出血(みなさんのイメージしている「生理」)は、
赤ちゃんがやってきたときのベッドとして準備されていた「子宮内膜」が、
妊娠しなかったときに剥がれおちるときに起こる出血。
・・・ということで、「妊娠しなかったというサイン」に過ぎないのです。
本当に「月経の仕組み」を「妊娠の準備」としてとらえるのなら、
「自分の遺伝子を子供に伝える」という意味で、
「自分の遺伝子が乗っている卵子を出せたかどうか」=排卵
に注目しなければなりません。
という訳で、これから「排卵」を中心に月経のしくみを考えていきましょう。