先日、ベトナムのホーチミン市を訪問しました。取引銀行主催の総会とパーティーに出席するためですが、もう一つ大きな目的がありました。技能実習や特定技能のビザで日本へ行くことを希望する人たちとの面談と家族訪問です。

 

 現地の気温は32度、中部国際空港から6時間余りで真冬から灼熱の真夏に変わります。人口約900万人のベトナム最大の商業都市ホーチミンは、まさに「儲かりまっか」の大阪難波や本町の30年前のような雑然とした高揚感の溢れる街です。2日間業者を訪問して回り、残り1日は空けていました。なぜか?私は、送り出し機関の言うことは50%しか信用していませんので、彼らの言葉の裏をとるのがその日の主目的です。全てと言って良いほど日本の企業は下図のようにAとBの話し合いで満足し、成果があったと経歴書を日本に持ち帰り、どこで何が行われているのか全く理解できていないのが現状です。

 ブローカーは何か所にも介入してきます。日本語学校でも周辺にブローカーがたむろし、成績不良者や希望職種・希望地域を広く求める若者に声を掛け、引き抜きが当たり前に行われています。日本語学校や送り出し機関も実態がよく分かっていない事例もあり、ベトナム青年が日本に来て働き始め、私たちが聞き取り調査をして初めて発覚した事例も数多くあります。

 

 私はこれらのブローカーの介入をカット(または最小限に)する方法はないかとあれこれ思案中ですが、困ったことに、応募者本人や家族はブローカーに感謝しているのです。本人は「恩を仇で返すことは出来ない」と考え、ブローカーも彼らの人生を応援していると考えています。送り出し団体も求人と実質的な一次面接を兼ねた機能を無料(費用は応募者本人や家族の負担、送り出し団体は1円も支払わない)で便利な存在だと見て見ぬふりをしている現状は、日本の行政が借金禁止の文書1通で簡単に解決できるものではないのです。