• 28 May
    • 井上ひさし 『井上ひさしの 子どもに伝える日本国憲法』

      子どもさんだけでなく、万人向け! 井上 ひさし, いわさき ちひろ 井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法 国民投票法以来、改正するのしないのとにぎやかです。ところで「一気に改正を狙っている」という方々には失礼ですが、それは杞憂であると思います。国民投票にもってゆくまでがえらく大変ですし、国民投票になっても、過半数を得られるかどうかわかりません。それよりも、愚かな私は、改正手順をもう少し具体的にしてほしいなんて思いますね。103条もある憲法の、どこを改正するかをどう論議するのか、その情報は国民にどう伝えられるのか。具体的にどのような投票になるのでしょうね。まさかイエス/ノーの二者択一ではないでしょう。イメージがわかないのですよ。どうも騒いでいるわリには中身がないような気がします。103条もある憲法を、全部読んだ人はどれくらいいるのでしょうか? いや、読んでいないからあかん、いうてるわけじゃあないんです。ただ9条ばかりがクローズアップされるけれど、それは改正=9条=軍国化というプロパガンダに乗せられているんじゃないかな、なんて思います。103条もある憲法だけど、実はそんなに長くはない。中学高校の教科書巻末付録に必ず載ってまして、それも十数ページでおさまります。しかし授業で全部扱うことはまずない。それは失礼ながら中学生には少し難解だから。まあ、そんな訳で先回ご紹介したような書籍が出ているのですね。先回ご紹介した以外にも文庫で数冊出ています。そこでも申しましたが、そんな立派なやつでなくていい、文庫で十分。憲法は中身に権威があるのであって、変な飾り立てはそ、れこそ宗教書やレーニンや金日成の巨大な像のごとくうさんくささがつきまとう。いたずらに神聖視するのはカルトみたいでよくないと思うのですが、、軽視するのもよくないでしょう。憲法の三原則――基本的人権の尊重、国民主権、平和主義はとても大切なものです。政治家にならなくても、日々の生活の中で心得ていなければいけないものです。だから「公民」というのですね。権利ばかりを主張する声が大きくなった昨今、特に大切だと思います。ところがその公民で憲法をすべて読むことはめったにない。週休二日になった現在ではまずないでしょう。 童話屋編集部 あたらしい憲法のはなし 『あたらしい憲法のはなし』は昭和22年、憲法公布の翌年に中学1年生の社会科副読本として旧文部省から出された本です。 これほど平明な憲法の解説書を私はまだ見たことがありません。なぜ教材からはずれたんでしょうね。 現在では写真の童話屋編集部のものが比較的簡単に入手できます。なにせ300円です。子供向けとはいえ、大人が読んでも決して損はありません。 挿絵がないものでしたら、ネットでも読むことができます。 http://www.nginet.or.jp/box/newkenp.htm 井上ひさしさんが書かれた『子どもに伝える日本国憲法』は、次の三つの部分から成り立っています。 ・憲法の原則「平和主義」を表している前文と第9条を子供むけに「翻訳」した「絵本 憲法のこころ」 ・井上さんが朝日小学生新聞に連載したものをまとめた「お話 憲法って、つまりこういうこと」 そして付録として ・日本国憲法全文 挿絵にはいわさきちひろさんの絵を用いていまして、「絵本」の部分はカラーになっています。井上さんは劇作家であり、日本語を誰よりも大切に扱っている一人です。言葉やその周辺の文化をわかりやすく説明した本をこれまでにもたくさん書かれています。そんな井上さんが「翻訳」した憲法は実に読みやすい。 ただ第9条は翻訳というより意訳、しかも井上さんの思いがこもっていて、本来の条文より長いものとなっています。 憲法前文は崇高なものです。この部分は理念を語っているのですから、それでかまわないと思います。しかし現代人にはややこしすぎる。井上さんは本書で「格調高い、すばらしい文章だと、私は思います」とおっしゃり「声に出して読んでみてください」と呼びかけていますが、正直ここだけは首を傾げざるを得ません。致命的なのは一文がだらだらと長いこと。修飾と非修飾の関係があいまいになるし、読みづらい。原文である英文の方が読みやすいくらいです。 「お話」の方は9つの部分にわかれ、憲法の理念と、いくつかの条文について解説しています。 学校ではせっかく学ぶ機会、教える機会がありながら、なおざりにされているところでもあります。 特に「7 『個人の尊重』ってなんだろう」、「8 日本人であるということ」は必読です。 当たり前のことですが、個人は尊重されなければならない。つまりお互い他人を尊重しなければならない。これこそが民主主義の根本であると私は考えます。単に多数決でいこう、というのは数の横暴に過ぎません。そして社会科教育のもっとも大切なことであるとも考えています。 学校で歴史を学ぶのは、単にナショナリズムや自虐史観を植えつけるためではなく、もちろん年号年代を暗記するのでもなく、人間の多様性を学ぶことだと思うのです。それぞれの時代の、それぞれの生き方―成功失敗を問わずを見る。つまり他人の行いを見るのですね。そして地理は世界の多様化を学ぶのです。それぞれの地域の環境や文化を見る。歴史にしても地理にしても、自分とは異なる存在、自分たちとは異なる価値観があることを学ばなければならない。そして民主主義の根本原則である個人の尊重を学ぶ。 「日本人」という言葉はあいまいです。法的には日本国籍を持っているもの、となるのでしょうが、私たちの多くは日本に生まれ、育ち、なんとなく「日本人」をしている。 ところが井上さんは「そうじゃないんだよ」とおっしゃっています。私たちには外国に移住する自由もあるし、外国人になる自由もある。私たちはさまざまな理由から、日本に住むことを選んでいる。主体的に「日本人」をしているんだと。 そして第22条を「翻訳」されています。 ほかの人に迷惑がかからなければ 私たちはどんなところに住んでもいいし、 どんな仕事を選んでもいい。 また、親が日本人だから一生、 日本人でなければならないということもない。 (本書51ページ) ちなみに原文はこうです。 第22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。2 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。 一昔前(ふた昔前?)CMではやった「職業選択の自由、アハハン」というやつです。言われてみれば確かに私たちは日本人であることを選んでいるのですね。井上さんにはぜひ全文を「翻訳」して欲しいなあ。さて、主体的に日本人であるということはどういうことか、を井上さんはこう説明されています。私たちが「もうこの国はいやだ」といって外国に移住すれば、日本という国はなくなる。私たちひとりひとりが、自分の意思で日本に住むことを決めたのだから、日本があるのだと。*異論はおありかと思いますが、「住む国を自由に選べ」と言われれば日本を選ぶ方が多いのではないでしょうか。それは日本がすばらしいからではなく、文化や習慣、そして言語など実際の問題で。ここは特に名文だと思います。国の成り立ちや主権在民について実にわかりやすく説いている。本書は子供ばかりでなく、万人向けの本であります。*先回の本をこき下ろしておいて、今回は持ち上げる。なんて一貫性のないやつだ、とお思いになるかもしれません。あるいは井上ひさし、いわさきちひろという名前に目がくらんでいるのだろう、とおっしゃる方もいるかもしれません。確かに私はご両人のファンであります。しかし私は井上さんの護憲論には賛同していません。それでも憲法の理念はすばらしいものであることは井上さんと同意権です。本書は憲法を押し付けているのでなく、わかりやすく説いている点で先回の本とは大きく異なっています。特にネット社会で自己主張ばかりして他者を軽んじる方が少なからずいます(私もそうかもしれない)。そのような方の言葉を見るにつけ、憲法の「個人の尊重」をもっと広く知ってもらいたいと願ってやみません。また上から口調になってしまった。。。

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  • 25 May
    • 「写楽」編集部  『日本国憲法―ピースブック』

      日本国ハ神聖ニテ不可侵ナル憲法之ヲ統治ス 「写楽」編集部 日本国憲法―ピースブック 本書はルビつき大活字の憲法全文と合間合間にきれいな写真を載せ、付録に英訳憲法と大日本帝国憲法をつけたハードカバーのきれいな本です。 憲法に親しみやすい配慮がこらされています。 改憲護憲騒がしい中、憲法に目を通すことは有意義なことでしょう。 しかしながら、申し訳ないのですが、私はこの本を読んで居心地の悪さを感じました。 「日本国憲法ってすばらしいんだよ」 奇麗事を子供に押し付けるような、と言えば言いすぎでしょうか、そんな姿勢が何とも気持ち悪い。 聖書の言葉(聖句)を親しみやすい現代語で表現し、写真とともに載せた本がありますが、それを想起しました。写真の質がなんとなく似通っているからでしょう。もちろん写真はきれいなものです。 でも憲法と聖書は違うんじゃないですか? 聖書は、科学的でなく宗教的な解釈ですが、一言一句変わることなく、はるかなる昔から現代まで続いています。 しかし憲法は、いくら最高法規であるとはいえ、人間の作ったものに過ぎません。聖書やコーランなどの聖典は一言一句不変で結構ですが、憲法がそれじゃあ困ります。96条に改正の手順が明記されていますから、不変にこだわるのは違憲であると解釈できないこともないわけです。 さらに。聖書やコーランは朗読、時に暗誦するために、語句が洗練された名文であります。アラビア語で詠唱されるコーランを聞いていますと、意味はわからなくとも心に染みるものがあります。聖書(原文は旧約がヘブライ語、新約がギリシャ語ですが)も、英語ではキングジェイムズバージョン(欽定訳)、日本語では文語訳がしばしば文学などで引用されます。 ところが日本国憲法はそうではありません。むしろ悪文ではないか、という意見もあります。皆が知っておかなければいけない大切なものならば、少なくとも義務教育を終了した人間ならすらすらと読めなければならないのに、ややこしい表現が多い。聖典も難解な文章ですが、こちらは独特のリズムがある。憲法は聖典ではないですから、詠唱できなくてもよいでしょうが、恣意的な解釈ができるような余地が多すぎる。 私はここで憲法の中身を云々しているのではありません。憲法を神聖視するかのような風潮や、この手の出版に居心地の悪さを感じているのです。 憲法は改正されるものだということをまったく考慮しない装丁の出版物だからです。 ちなみに日本国憲法は大日本帝国憲法に明記された改正の条項に従って改正されたものです。押し付けかどうかはともかく、法的手続きをきちんと踏んでいます。 ですから、同様に現憲法がいつ改正されても、決しておかしいことではありません。 (どこをどう改正するか、あるいは改正しないかということは別として) 童話屋編集部 日本国憲法 憲法に親しむのならこちらの本がずっと優れています。値段が安く、小型で荷物にならず、どこでも広げられる。寝転がって読むこともできる。もちろんこちらもルビつきで、活字も大きく、読みやすいです。 *「憲法は国民に向けて書かれたものではない」という解釈もあります。国民向けではなく、国家権力をしばるために書かれたという意味です。 *個人的な意見を述べれば、憲法100条~103条、「補則」はいらない。というより、なぜ憲法に盛り込んだのかがわからない。旧体制から現憲法への暫定処置が書いてあるだけのものですから。しかしこれらを削除するのにも96条の改正の手続きを踏まなければいけないので、ずっとそのままにされています。 日本国憲法 補則第100条 この憲法は、公布の日から起算して6箇月を経過した日から、これを施行する。2 この憲法を施行するために必要な法律の制定、参議院議員の選挙及び国会召集の手続並びにこの憲法を施行するために必要な準備手続は、前項の期日よりも前に、これを行ふことができる。 第101条 この憲法施行の際、参議院がまだ成立してゐないときは、その成立するまての間、衆議院は、国会としての権限を行ふ。 第102条 この憲法による第一期の参議院議員のうち、その半数の者の任期は、これを3年とする。その議員は、法律の定めるところにより、これを定める。第103条 この憲法施行の際現に在職する国務大臣、衆議院議員及び裁判官並びにその他の公務員で、その地位に相応する地位がこの憲法で認められてゐる者は、法律で特別の定をした場合を除いては、この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によつて、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ。

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  • 13 Mar
    • 松本泉 『偉人と語るふしぎの化学史』

      バケガクもまた、血の通った普通の人間の営み 松本 泉 偉人と語るふしぎの化学史 ドラえもんの道具の中で何が欲しい? ときかれたら、迷わずタイムマシン! と私は答えます。 やっぱり時間旅行は魅力的ですよね。今はもう会えなくなった人に会えたり、見られなくなったものを見られたりできるのは。 でもね、タイムマシンは決して未来の、夢の機械ではない。実は私たち一人一人が持っているものなのですよ。 この本の作者松本泉さんは現役の高校教師。教育の最前線に立っていらっしゃる人です。 教師として、 「勉強を好きになって欲しい」 という願いは誰しも持っているもの。そりゃあ嫌いでもよい成績はとれるし、好きでもよい成績がとれない場合もあります。でも学校で教える勉強というのは、試験で点を取るためだけのものでも、入学試験や就職試験をパスするためだけのものでもなく、薀蓄を語るためだけのものでもない。より程度の高い学問をするためだけのものでもない。 やはり教える側としては、その勉強を通じて何でもいいからつかみとって欲しいと思う。その人のものの見方考え方に少しでも役立てる、そんなものを。少なくとも私はそうでしたし、勉強会に行っても、そのような思いを持つ人は大勢いました。 松本さんは、実際に現場で科学史を教育に取り入れていらっしゃるそうです。表紙折り返しによれば、読み物や映像スライドなどの教材開発、調べ学習や原点解読を取り入れた授業プランの開発などをなさっているとか。 ですから本書はまさに松本さんの研究のひとつの結晶なんですね。 本書は物語仕立て。登場人物は化学クラブに所属するまどかちゃんと裕太くん、そして顧問の藤崎先生。まどかちゃんは部員だけあって化学好きですが、裕太くんは普通の高校生。普通の高校生ですから化学はあまり好きではありません(松本先生、ゴメンナサイ)。裕太くんがボケ役、まどかちゃんがツッコミ役といったところでしょうか。 彼らはタイムマシンならぬタイムメディシンを使って過去の世界に行き、その時代を代表する科学者たちの討論会に立ち会います。機械ではなく薬を使うところに、化学のこだわりを感じますね。タイムメディシンの使い方は、薬のにおいを嗅ぐ、それだけ。それだけで過去の世界へ行けるのです。もちろん、その臭いとはラベンダーの香り。こういった遊び心が読者の心をくすぐりますね。 さてこの本の魅力は、科学者たちのユーモラスなキャラクタにあります。 悲観主義で女性恐怖症のヘラクレイトス 楽観主義で「イェーイ!」を連発するデモクリトス 几帳面で穏やかで子供好きで、周囲から尊敬されているけれど頑固なところもあるドルトン などなど、個性的な科学者たちが、集い 古代ギリシャでは万物の源について フランス革命の真っ只中のパリではシュタールとラボアジェが燃焼について 産業革命期のマンチェスター(イギリス)では原子、分子について熱き討論を戦わせるのです。 そしてギリシャから現代へと、原子、分子とは何か、という縦糸がピンと通っています。見事な構成といえましょう。 もちろん上に挙げた以外にも優秀な科学者たちがたくさん参加しています。 現代っ子のまどかちゃんは古代ギリシャではハンサムで理知的なアリストテレスにうっとりしたり、ギリシャ風のコスプレをしたりします。ラボアジェが14歳の女性と結婚したことを知ると、ロリコンかとがっかりし、断頭台の露と消える彼の運命を思って涙を流しもします(とはいえタイムトラベラーのマナーとして、本人にそのことを伝えてはいませんよ)。 雄太君も科学者たちの討論に必死でついてゆきます。時にはわれわれ読者の代表として、図にまとめてくれたりもしています。 そして、当時の科学者たちの主張を現代(21世紀)の科学知識で判断し、「間違ってない?」と突っ込みそうになる両名に対して、やんわりと戒める藤崎先生の存在は見逃せません。 ともすればわれわれは現代から過去を、結果を知っている立場から、知らない者たちを、見下ろすように判断してしまいます。 「大切なのは、この時代に生きた人びとが自然をどのように理解しようとしたのか、そして、そこにどのような根本的な原理や法則を見いだそうとしたのか、まずはそれらに素直に耳をかたむけることだ」 (32ページ) これは科学や歴史だけでなく、教育においても、普通の人付き合いにおいても、非常に大切なことではないでしょうか。 そんなことをさらりと物語に絡ませているなんて、素敵ですよね。 こうして、三つの時代の、それぞれの討論を通じて、二人は、いやわれわれは大事なことを知るのです。 教科書にさらりと書いてあること、当たり前のように思われている事実、スマートな式も、いろいろな人の試行錯誤の上に、あついドラマの上に成り立っているのだということ。 今では間違いと証明されたさまざまな考え方も、真実を導き出すために必要なものであったということ。 そして現代のわれわれは、先人の業績をしっかりと受け継いでいるのだということ。 私たちは目に見えるタイムマシンは持っていませんが、先人たちの積み重ねを、過去からのリレーをしっかりと受け継ぎ、明日へと渡してゆきます。 過去を思い、過去を知り、過去と対話できるタイムメディシンは、さまざまな形でいたるところにあります。 そしてそれらを踏まえて未来を考え行動することもできます。 私たちの魂は過去も未来も自由自在に羽ばたけるのです。 ヘラクレイトス【Hrakleitos】 [前540ころ~前480ころ]古代ギリシアの哲学者。万物は「ある」ものではなく、反対物の対立と調和によって不断に「なる」ものであり、その根源は火であると主張した。その学説は、万物流転説とよばれる。 デモクリトス【Dmokritos】 [前460ころ~前370ころ]古代ギリシアの哲学者。師レウキッポスの原子論を体系化して発展させ、原子論的唯物論を確立。自然においては、それ以上不可分な無数の原子の結合と分離によって万物は生成・変化・消滅すると説いた 。ドルトン【John Dalton】 [1766~1844]英国の化学者。混合気体の分圧の法則を発見。また原子説を化学に導入し、倍数比例の法則を発見した。色覚異常の研究でも知られる。ダルトン。 シュタール 【Georg Ernst S. Stahl】 [1660-1734] ドイツの医学者・化学者。精神をあらゆる生理病理現象の本源とし、唯物論に対抗して生命の思想を主張、またフロギストン説を唱えた。 ラボアジェ【Antoine Laurent de Lavoisier】 [1743~1794]フランスの化学者。実験により燃焼が酸素との結合であることを実証し、従来のフロギストン説を否定。初めて有機物の元素分析を行い、質量保存の法則を明らかにした。フランス革命の際に処刑死。著「化学要論」など。 アリストテレス【Aristotels】 [前384~前322]古代ギリシアの哲学者。プラトンの弟子。プラトンがイデアを超越的実在と説いたのに対し、それを現実在に形相として内在するものとした。アテネに学校リュケイオンを開いてペリパトス学派(逍遥学派)の祖となる。「オルガノン」(論理学書の総称)「自然学」「動物誌」「形而上学」「ニコマコス倫理学」「政治学」「詩学」などを著し、古代で最大の学問体系を樹立した。[ 大辞泉 提供:JapanKnowledge ]

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  • 01 Mar
    • 学研 『漢字九九カード』

      漢字を書けない子が増えてるって? そりゃ大人の責任ですよ 学研 漢字九九カード (3年) 漢字を覚えるのに、九九のようにリズムでやってみようというのが本書の売り。 厚手の紙に、表には漢字の字体と筆順、覚え方が、裏には使い方が、それをテーマにした4コマ漫画つきで載っております。切り取り線から切り取ればカードになり、付属のリングにまとめて、いつでもどこでも覚えられるようになっています。 なかなかの優れもの。もちろん1年生~6年生の各学年あります。 実際、私はコレを使って、 「漢字、ダイッキライ!」 のお子さんを 「ふつ~」 と言えるまで変身させたことがあります。 (子供さんの「ふつ~」というのは「好きじゃない」「微妙に嫌い」という意味) もうちょっと時間があれば「好き」となったかもしれません。 以下、本書とは直接関係ないことを。 (よそに書いたことを一部訂正して。手抜きですな)漢字といえば、小学校の先生は大変ですね。子供さんが習っていない漢字は板書できない。どの漢字を習っていて、どの漢字を習っていないか、把握していなければならない。体育や音楽など一部科目を除いて担任が全科目を教えるので、その点はやりやすいでしょうが。 これが中学校の教師だと、国語教師以外はそこまで気を使いません。中学生は常用漢字までを学習することとなっているのですが、社会科などでは常用漢字外を使用した用語がバンバン出てきます。常用漢字でも既習未習こだわらず板書します。例えば薩長同盟の薩という字。クサカンムリの下、コザトの横は、産業の産ではないです。JISでは表示できないですが、産の旧字 です。蔣介石の蔣も、クサカンムリの下は将軍の将ではなく、その旧字將。常用漢字外では新字体というものがないので、薩や蒋、それに鴎(森鷗外の鷗)と書いてしまうと略字となり、試験ではバツにされちゃうんですよ(クサカンムリの横棒をつなげたり、シンニョウの点が一つだけなのはOK)。国語では習わない漢字でも、テストで書けなければダメ~! なんです。それに中学では教科担当がそれぞれ決まっていますから、国語教師以外は未習既習にこだわろうにもこだわれない。そこまで気を回すことはほぼ不可能です。小学校の先生に似た立場にあるのが、英語の先生でしょうか。板書やプリントでさまざまな例文を書くときも、未習の単語は使わないようにしなければならない。まこと入門時の学習は、教えるほうはなかなか大変なのです。中学までの義務教育9年間で、常用漢字1945字を習います。これが漢検の三級レベル。漢検の五~一級のレベルわけは、英検のそれを真似にほぼ準じておりまして、五級が中一修了程度、四級は中二、三級が中三。そして準二級が高校中途、二級が高校修了程度。準一級が大学教養課程、一級が大学修了・社会人程度、とこうなっているわけでございます。ですから、準一や一級になると人名漢字や旧字なども出てきて、難しくなります。六級以下はどうかと申しますと、小学校で習う教育漢字(学習漢字)が対象になります。六級が大体五~六年生、七級が四~五年生、以下十級までございます。教育漢字とは常用漢字のうち、小学校六年間で習う1006字のこと(だから中学三年間では残りの939字を習う)。これは文部科学省『小学校学習指導要領』の付録『学年別漢字配当表』で小学校の学年別に学習する漢字が決められています。ちなみに『学習指導要領』は大きい書店ならば100円~200円くらいで売っております。文部省小学校学習指導要領解説 国語編この教育漢字、何度か見直されておりまして、昭和23年の881字から順次増えてゆき、1989年に現在の1006字となりました。常用漢字(最初は当用漢字)の中でも特に生活上使用頻度の高いものを抽出した、ということですが・・・。そうかなあ~~~???例えば小学2年生で汽という字を習います。汽車、汽船、汽笛の汽ですね。確かに私の子供のころは「汽車」という言い方をわりとししましたけれど、今は「電車」の方が普通でしょう? 汽船や汽笛も、使用頻度高いとは言えないですよね。それも小学2年生の生活で。5年生で習う俵や6年生で習う蚕、これらも本当に小学生が必要とする漢字なのでしょうかね。これまた私の子供のころは養蚕業はまだまだ元気でしたから、必要だったかもしれません。養サン業では見栄えが悪いし、何を作っているかわかりませんからね。でも今はどうでしょう。カイコ、とカタカナ表記で充分ですよね。俵は・・・スイマセン。私には一本刀土俵入と忠臣蔵の俵星玄蕃(たわらぼし・げんば)、後は○○俵という数え方くらいしか思いつきませんでした。・・・申し訳ありません。ふざけております。まあ、普通に考えれば土俵と米俵ですかね(米俵は怪しいかなあ)。使用頻度、高いですか?そうなのです。これらの字を残しておくことが問題なのです。先ほど申しましたように881字からスタートして、増えてゆくばかりで減ってない。闇雲に減らすのは問題がありますけれど、今例に出した三文字、これが身近だって言うのは昭和二十年代の感覚なんですね。このような、使用頻度の少ない字を小学生に覚えさせるのも問題でしょう。減らすのがよくないと言うなら、もうちょっと吟味して、小学生にも身近な漢字を加えればよいのです。そりゃあね、お偉いお役人や学者さんなら汽、俵、蚕が身近な世代でしょう。でも実際に学ぶ子供さんたち、いや、その親御さんたちの世代でも、これらはもはや身近とは言えない。皆様はどう思われますでしょうか?こんなところにも現代教育の問題が象徴されていると思います。頭でっかちで、現場を本当に知ろうとしているのか疑問。今あげたい外にも、いろいろ問題ありまして、もちょっと体系的な学年別漢字配当表を望みます。最後に中学生や高校生でも苦手とする教育漢字御三家というのがありました。私が自分の経験から勝手に命名したものです。ですから、あくまで名古屋のある地方の子供さんたちだけです。当然個人差あります。清潔(5年)、操縦、穀物(6年)これらは上記の例とは違い、使用頻度高いです(生活や勉強で)。ところが面白いもので、「御三家」と名づけてしまうと、皆この字を意識して、他の字より先に覚えちゃいました。『九九カード』の例にもあるように、ノリノリになった子供さんは本当にすごいです。*6年間で1006字を学習と書きましたが、正確に申しますと、読みについては当該学年で、書きについては次学年(小学校6年の分は中学校1年)で学ぶことになっています。いわゆる「ゆとり教育」、完全週休二日制で、もっとも授業数を削減されたのが国語だから無理ないか・・・。なんだかなあ~

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  • 01 Feb
    • 板倉聖宣 『生類憐みの令』

      綱吉はいい人? 悪い人?板倉 聖宣 生類憐みの令―道徳と政治 パチスロの世界では暴れん坊将軍が大活躍しておりますが、 徳川将軍十五代の中で一番暴れん坊、好き勝手やったのは五代の綱吉(つなよし)だと思うのです。 天下の悪法「生類憐みの令」を出し、犬公方(公方は将軍のこと)と呼ばれた人です。 しょうるいあわれみ‐の‐れい〔シヤウルイあはれみ‐〕【生類憐みの令】 江戸中期、五代将軍徳川綱吉が発布した殺生禁断の令。貞享二年(一六八五)以後しばしば発令。特に犬を大切にし、犯す者は厳罰に処した。綱吉の死後、廃止。 [ 大辞泉 提供:JapanKnowledge ] しかしひるがえって考えてみれば、好き勝手できたというのはよほど世の中が平安だったからではないでしょうか。そして綱吉自身がかなりの手腕を持っていたのでは。 またこう考えてみてください。 一昔前までは「日本は鯨を食べる、捕らえる。ひどい」なんてバッシングがありましたよね。 ところが今から300年も前にどこの国にも先んじて動物愛護をうたう法律があったのです。これを言うと外国の方はびっくりします。そして 「ならばその綱吉という人はすばらしい人だ」 と言う方も少なくありません。 ちなみに日本は平安時代初期、薬子の変(810年)以後保元の乱(1156年)にいたるまで300年間も死刑を廃止していました。この点でも日本は「世界に先んじた人道国家」と言える?? さて本当のところはどうなのでしょう。 道徳的にはすばらしい政治家、すばらしい法律が、果たして本当に当時の人々の幸せに結びついていたかどうか。例えばフランス革命で恐怖政治をしいたロベスピエールは、清廉潔白で公正な人柄でした。それゆえ妥協を許さず、革命をどんどん推し進めて、不必要な犠牲者をたくさん出しました。 生類憐みの令にしても、先に見たように綱吉の死後すぐに廃止されています。しかも綱吉が跡継ぎの六代将軍家宣(いえのぶ。綱吉の甥)に 「子々孫々守りついでゆけ」 と遺言をしたのに、です。 家宣はきっぱりと言い放ったそうです。 「先君(綱吉)のご遺言ゆえ、自分ひとりは生涯守ってゆこう。しかし万民が苦しんでいる法ゆえ、すぐに止めよ」 なるほど。道徳的にすばらしい政治家や法律は、実は世の人々の不幸につながるのだな、と思わないでもありません。 ところが一概にはそういえないようです。 板垣さんのこの本、なにかと問題のある生類憐みの令を通じて、道徳と政治について考えさせる本であります。 大きく二部構成になっていまして、前半は小学生、中学生対象に、クイズ仕立てで生類憐みの令と綱吉について学べるようになっています。後半は大人向け。より詳しい解説が載っています。 とはいえ、大人でも前半のクイズは十分に考えさせられ、楽しめます。 例えば。 「生類」というのは生き物のこと。犬を大事にした、ということばかり強調されていますが、他の生き物はどうだったのでしょう。 人間だって生き物です。 うなぎやアサリ、シジミだって生き物です。 ワカメやコンブといった海藻も生き物ですよね。 綱吉の意図した「生類」はどこまで含まんでいるんでしょう。 こういったことが一つ一つクイズとして出題され、選択肢の中から答えを選ぶ形式で進められます。 実は生類憐みとはすべての生き物のことなんだ、 人間も大事にする、行き倒れの人をほうっておくことを禁じ、 家畜の牛や馬も、役に立たなくなったからといって殺すことを禁じ、 うなぎ、アサリ、シジミといった食料になる動物も乱獲してはいけないと諭し、 植物であるワカメやコンブでも大切に、とりすぎはだめだよといっている という驚くべき事実を学んでゆくのです。 私がこの本に出会ったのはもう10年も前ですが、私もまさかここまで徹底しているのだとは思いませんでした。 子供の興味をどんどん引き出してゆく形式にも感心しましたが、一方で綱吉がここまでやったということは、禁じなければいけないほど当時の社会が殺伐としていた、人命を軽んじ、資源としての動植物を酷使したり乱獲したりしていたのだということに気づかされました。 ショックでしたね。 綱吉という人はワガママなバカ殿ではなかった。社会を根底から変えてゆこうとしたんだと。 この本、最初には昔から伝えられている綱吉像、 「迷信を信じて人より犬を大事にした、それを人々に押し付けた」 を紹介することからはじめています。そのときの子供さんたちの感想は 「綱吉は悪い人だ」 というものだそうです。そりゃそうですよね。 ところがクイズを重ね、生類憐みの令について深く学んだ後は 「綱吉はいい人だ」 とほとんどの子供さんたちが言うんだそうです。 結局のところ、どっちなんでしょう。 生類憐みの令で多くの人が迷惑をこうむったのも事実です。 反面、人々の意識が大きく変わり、平和な社会になったのも事実です。 (武士は刀をさしていて、無礼を働いた者には切り捨て御免にする特権があるじゃないか、と思われていますが、武士がいったん刀を抜いたらえらい騒動になります。江戸中期以降は、刀を抜いた武士も死をもって償う場合が多かった。一部の乱暴な君主や武士が人を平気で切り捨てたり、鉄砲で撃ち殺した例が残っていますが、特殊な例だから残っているのでしょう。現代でもそうです。残酷な事件は大きく報道され、人々の記憶に残る。 逆に江戸初期などまだまだ残虐な気風が残っていたころは、当たり前のことゆえ、いちいち意識されませんでした。)綱吉はいい人? 悪い人? その答えは書いてありません。それはこの本を読んだ人それぞれが見つけ出すものだからです。

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  • 08 Aug
    • 渡辺益好, 鈴木政浩 『萌える英単語もえたん』

      勉強へのアプローチ、モチベーションのあげ方は様々ですね 渡辺 益好, 鈴木 政浩 萌える英単語もえたん 萌ゆ【もゆ】   芽吹く、発芽する    →古語 萌え【もえ】 (1)マンガ・アニメ・ゲームの少女キャラなどに,疑似恋愛的な好意を抱く様子。特に「おたく好み」の要素(猫耳・巫女(みこ)などの外見,ドジ・強気などの性格,幼馴染み・妹などの状況)への好意や,それを有するキャラクターへの好意をさす。対象への到達がかなわぬニュアンスもある。〔語源は,アニメ作品のヒロイン名とする説,「燃える」の誤変換とする説など,諸説ある〕                                      三省堂提供「デイリー 新語辞典」より 「萌え」という言葉が定着してから久しいですが、用法が限定されているのがもったいないですね。「芽吹く」という古語からすれば「ほのかな、それでいて力強さを秘めた想い」「フレッシュな想い」とも解釈できるのですが。もっともっと使える言葉だと思うのですよ。だから「萌え~」などと冗談めかして使うだけでなく(これは多分使う方たちの照れや自虐があると思うんですが)、「萌える(ような)想い」とやってみては。「燃える想い」だと暑苦しく押し付けがましくもありますから。時には。さてさて、夏休み真っ盛り。受験生および受験生予備軍の方々は長期の休みを利用して英単語力アップに取り組んでいます。例えば一番人気、定番はこれ。 宮川 幸久英単語ターゲット1900―大学入試出る順 また、これも人気が高いです。 風早 寛速読英単語 1 必修編 増訂第2版 (1) 私たちの世代に懐かしいのがこれ。 森 一郎試験にでる英単語―耳から覚える 赤尾 好夫英語基本単語集(豆単) 9訂版 それぞれ「シケタン(あるいはデルタン)」、「マメタン」なんて呼び習わしてました。そしてついに出た。「もえたん」。いつかこんなのが出るとは思ってました。表紙は見ての通り、その手の人々にはたまらない絵柄。さらに、活字なども一昔前の女子高生が使っていた「丸字」(?)です。内容や例文などもそれらの人向け。では肝心の単語集としては。。。基本的なものが無難に集められてます。受験生向けではなく、英語の苦手な、そちらの方々向けでしょうか。いまや男女問わず、「おたく」の購買力は強く、市場も拡大しております。これはあきらかにそれを狙った本ですね。持っているだけでいろいろな意味で注目されるでしょう。しかし、勉強へのアプローチはその人その人でバラエティに富んでいて結構。かくいう私も高校時代、少しエッチな本を英語で読みました。とある英語教師を中心に、3名ほどのグループで読んだのですけれどもね。皆、ものすごい意欲的でしたよ。ですから「もえたん」、大いに結構。入り口は何でもいいんです。(あ、でも、明らかに反社会的なものはダメだよ)続編(上級編?)も出ましたmoetan 2 (上)moetan 2 (下)

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  • 02 Aug
    • 宮川 俊彦 『読書感想文おたすけブック―宮川俊彦の緊急特別授業 (2005年度版)』

      感想文嫌いをなくし、楽しく読書するために 宮川 俊彦 読書感想文おたすけブック―宮川俊彦の緊急特別授業 (2005年度版) 読書感想文。 自由研究と並んで夏休みの宿題の定番。しかも大人が手を貸すのが難しい宿題の定番であります。 私(塾教師)も毎年相談を受けています。読書感想文さえなければもっと本を楽しんで読む子が増えるのに。。。 10年くらいまでの私はそう思っておりました。 が、子どもたちと直に触れるようになってからは考えが変わってきております。 感想文もテストや偏差値と同じ単なるアイテム。これを活かすも殺すも扱う教師や周りの大人次第だと。そして感想文を書く、というのはやはり教育上(人生経験として)重要なことなんだと。 この季節、書店に行くと感想文の書き方や自由研究の題材など様々な本が並んでいます。 今回ご紹介する宮川さんの本は実に使いやすい構成になっております。 小学校低学年、中学年、高学年の3つ、それぞれ10冊ずつの本を取り上げ、簡単な紹介(本の帯や裏表紙に書いてある程度)と読むときのポイントが書かれています。 例えば以前ご紹介した『アリからみると』でしたら、 ・アリから見たせかいは? ・きみがアリだったら? ・きみの目、アリの目 と小見出しがつけられて「こういう読み方もある」「考え方もある」ポイントが書かれています。 これが実にわかりやすく、 「読書感想文のために」といやいや読んだ本でも、宮川さんにポイントを指摘されると 「こんな風にも読めるんだ」 「こんな風には思わなかったなあ」 と気づかされることでしょう。 またはどんな本を読めばよいかわからないときのガイドとしてもよいかも。 また、各学年(低学年~高学年の3区分ですが)ごとに感想文を書くノウハウがコラムにまとめられていて、これを読むだけでもなかなかおもしろい。大人が読んでも子どもに対するアドバイスとしてだけでなく、自分たちが書く文章にも役に立つかも。 表紙でお分かりのように子供向けの本です。 しかも構成上、子供さん個々人が読むのは多くて全体の3分の1。 ブックガイドとして、感想文指南書としてこの値段(850円)が高いか安いかは微妙なところです。 大人でしたら立ち読みだけで内容は頭に入るでしょうが。。。 何人かのお子さんで共有するのがいいかもしれませんね。 あるいは塾、学校などで購入するのもいいかも。 宮川さんは本書でこう書かれています。 感想文で苦しむのは、もうやめにしよう! 感想文は楽しく書こう。 「やわらかあたま」で楽しく取り組んでほしい。 「感想文ぎらい」をなくせば、「本が好き!」って言える子が必ずふえる。本が好きな子、もっともっとふえてほしいな!            (本書3ページ「はじめに」より) 私の願いもまさしくこれです。 そして大人の皆さん、 子どもたちが一所懸命書いた感想文を誉めてあげてください! どんなつたない文書であれ、誉めてあげてください。 どうせ読むなら、書くなら、楽しくさせてあげたいですね。

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  • 07 Jul
    • 近江誠 『感動する英語!』

      感動は死なず! 近江 誠 感動する英語! 前回のミュージカルバトンでいくつか曲目を挙げましたが、他にも思い入れのある曲はもちろんあります。 普段めったに音楽を聴かない私ですが、前回の記事をきっかけにまた聞くようになりました。 とはいえ思い出の曲すべてを今所有しているのではないのです。高田みづえさんや久保田早紀さんのはCDではなくレコードで持っていましたから、プレーヤーがない今、聞きたくても聞けないのが現状です(涙)。 レコードとCD。その変わり目は今から20年くらい前だったでしょうか。 今や完全にCDが主流ですが、CDになってよくなった点に、保存の容易さと値段の安さがありますね。 ですから今では本の付録にCD(やDVD)がつく時代。これがレコードのころは「ソノシート」というものがありまして、材質は何か忘れましたけれども、カラフルな小さなレコードが付録としてつくことがありました。 ただソノシート、いつの間にか消えてしまいました。ちょっと寂しいですね。 音楽に限らずCDは重宝しています。特に語学書では発音とリスニングは紙と文字だけではなかなか伝わりません。以前は別売のカセットテープをつけている本もあったのですが、それだと高額になります。 そういった点でもCDはありがたい。英語の学習書でもCDつきで1000円台のものがたくさんあります。 この『感動する英語!』も、CDつき。 英語で実際になされた感動的なスピーチや文などをまとめたもので、そのラインナップは豪華。 ヘレン・ケラー、チャプリン、キング牧師など教科書でもおなじみの面々から、マッカーサー元帥の「老兵は死なず」まで収録されています。 そしてそれらが可能な限りは本人の肉声で収録されているんですね(時代や版権の制限があるものは代わりにネイティブスピーカが朗読しております)。 キング牧師(I Have a Dream)の迫力、チャプリン(『チャプリンの独裁者』床屋の演説)の切々たる響き。 まさに感動ものです。聞いていて涙が出てきます。 そんなラインナップの中で私の一番のお気に入りは、 子どもの疑問に答える―バージニアの手紙『サンタクロースは本当にいるの?』 友達に「サンタクロースなんていないよ!」と言われた幼女が新聞社に出した手紙とその感動的な返事です(これはもちろん本人たちの声ではありませんが)。 誰でもが経験したことがあるでしょう。サンタや妖精、ウルトラセブンやお化けなどが本当にいるのか、と疑問に思ったことが。 新聞社の人はバージニアになんと答えたのでしょうか。 気になった方は立ち読みでもいいですから、是非ご自分の目で確かめてください。 すばらしい答えが載っていますよ。なにせ『感動する英語』ですからね。 この本の特徴のもうひとつ。それは感動的な先達の文章を自分なりに応用できるよう、アレンジの例が載っていることです。キング牧師のスピーチなら就職面接で自分の夢を伝える、といったように。 説得するときはチャプリンの『独裁者』、愛を告白するときはスーザン・ポリス・シューツの『愛より深く』と。

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  • 22 Jun
    • 木村俊一 『算数の究極奥義教えます―子どもに語りたい秘法』

      わからんパワーを炸裂させよう! 著者: 木村 俊一 タイトル: 算数の究極奥義教えます―子どもに語りたい秘法 世の中には二種類の人間がいます。算数(数学)が好きな人と算数(数学)が嫌いな人。 ちょっと乱暴ですか。決め付けてますか。これが他の科目だとはっきり二分できない。国語、理科、社会、英語などは好きでも嫌いでもどっちでもいいや、という人が少なからずおります。だのに算数(数学)はわりとはっきりと分かれてしまう。それほど算数(数学)には「勉強」というイメージが付きまとっているんですね。また日常でよく使うものだけに学校を出た後でも縁が切れることがないのですね。 かく言う私めも算数は嫌いでした。 苦手なもの、嫌いなものは読書でカバーしてきた私。算数・数学本が目に付くと思わず手にとってしまいます。「読書」の対象ですから、問題集や参考書ではありません。算数本、数学本です。 数学の先生方も「算数嫌いな人が多い」と思ってらっしゃるのか、いろいろ面白い本を書いております。 私の書棚にも矢野健太郎さんの本が何冊かあります。 そんな中で最近のお勧めがコレ。 なにせ「究極奥義」ですからね。しかも数学でなく、算数、というのが嬉しいじゃあないですか。 表紙にはアラビアンナイト風な美女のイラストが。これまたインチキ臭くて怪しげで嬉しいじゃあないですか。 この本ではストーリー仕立ての前半と解説文の後半の二部構成で、数学ならぬ算数の楽しさを教えてくれます。 数学と算数の違いは人によりさまざまだと思うんですが、私は「手探りで実感できるのが算数」だと勝手に思っております。 だから・なぜ0で割ってはいけないのか ・なぜマイナスかけるマイナスはプラスなのか ・なぜ分数の割り算は逆さにしてかけちゃうのか なんて疑問を 「そういうルールなんだ」 と割り切ってしまうのは数学で、 「これこれこうだから」 と実感させるのが算数かな。ちょっと分かりにくいですか。 ちなみに「マイナスかけるマイナスはなぜプラス?」の疑問でよく反論として 「借金に借金を重ねても借金が膨らむだけやんか(涙)」 なんて言う人がいますが、この本では 「それはマイナス同士をかけてるんじゃなくて足してるんじゃないか!」 とバッサリ。誤解をといています。確かにその通り。 かけ算に例えるならば 「100円ずつ3人からもらう」 となりますから、マイナス同士なら 「マイナス100円ずつマイナス3人からもらう」 となり、この場合答えは明確に、、、あれ? ややこしいな。おかしいな。木村さんはもっとスマートに説明してくれてたはずなんだけどな。。。 。。。どうやら私もまだ充分にわかってないようです。もう一度読み直そうっと。 さてさて、本書は二部構成となっておりますが、面白いのはストーリー仕立ての第一部よりも第二部の 「わからん力(パワー)炸裂!―怒涛の解説編(算数という言葉)」 の方。 文字通り怒涛のごとくさまざまな問題(先ほどの疑問を含む)を解説してくれています。わからん力炸裂! とは解説がわからんようになってるわけではもちろんなく、わからんときはわからんとはっきり意思表示をすること。そして説明を聞いたり自分で考え直したりすることの大切さを言っているのです。 その実例としてアメリカでの大学での講義中に 「4分の1足す4分の1が2分の1になるのがワカリマセン」 という質問を受けたことを語っています。これが日本なら 「そんな計算がワカラヘンなんてとてもじゃないけど聞けないじゃあないか」 と殻に閉じこもってしまう。そしてそこに引っかかっちゃって後の講義が上の空になる。これがよくない、というんですね。 木村さんは黒板にざっと円を描き、それを4分割して説明したそうです。質問した学生も、他の学生も、当たり前のように講義を聴き続けたとか。 しかし授業中にこのような根本的疑問が出てもきちんと説明ができなければいけないとすれば教師はなかなか大変ですね。 少し難しい式や証明、話も出ますけれども、そこは「ひょいと一跨ぎ」しても大丈夫なように、ちゃんと「ひとまたぎ」の印までついてます。だから安心して読むことができます。算数の究極奥義、身につけてみたいと思いません?

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  • 20 Jun
    • 長沢寿夫  『中学3年分の英語を3週間でマスターできる本』

      英語と学習者に対する愛が満ち溢れている本 著者: 長沢 寿夫 タイトル: 中学3年分の英語を3週間でマスターできる本―長沢式英語ミルミル上達法 実はここだけの話なので伏字で書きますが(でもドラッグしたらバレバレ) 塾の教師として採用された当初、私の英語力はトホホな状態でした。 「関係代名詞ってなに?」 「仮定法! うげえ~~」 英検でいえば4級程度の実力しかなかったのです。 そんな私の担当科目がよりによって文型科目(国語・英語・社会)! これは早急に何とかしなければなりません。 という訳で買ったのがこの本。 今から20年近く前の話です。 「3週間で」というのが心強いじゃあないですか。ちょっと怪しいじゃあないですか。嬉しくなってしまいます。 今でも『××日間で○○ができる』という本を見かけますが、これはそのはしりかも。 ちなみに私が目にした『××日間で~』の傑作は  『1時間で1次関数がわかる本』  『2時間で2次関数がわかる本』 の2冊。タイトルに偽りなく、数時間で関数を理解することができます。惜しいことに絶版となりましたが。それにしても『××日間で~』という断言はどこから来るのでしょうか。実際にデータを取ったのでしょうか。 そうは考えられません。『××日!』という断言は「駅から歩いて××分」と同じく消費者を釣るえさであることが多い。そう、私は半信半疑で購入したのです。 ページをめくれば著者長沢さんからのこんなメッセージが。。。  三週間というのは正確なものではありません。  でも、そのくらいわかりやすいのだという意気込みでタイトルをつけました。 何だ、3週間というのはイメージなんだ。でもいいや。わかりやすいのなら、それで。 半信半疑が人三化け七信三疑七になりました。が、ともかく読みすすめました。 それが今ではあらゆる英語参考書の中で一番ボロボロになってしまいます。 私の愛用書のひとつであります。 どこがそんなに気に入ったのかといえば。。。 ・学習者の立場に立った記述 ・学ぶことは楽しいのだという姿勢 コレに尽きます。 『三週間で~』のタイトルが示すように対象は英語を忘れてしまった大人が主なので、要領よく明快な説明になっております。英語が苦手なために彼らの頭に定着してしまった、むずかしいというイメージを払拭するため、システマチックに説いています。 ですから文法が主体。英会話や英文読解の本ではありません。 もちろん現役の学生さんが読んでも有用ですけれども。 巷間様々な英語学習書があふれていますが、英語をやり直したい、という方(そして理系思考の方)にお勧めです。また、これから家庭教師をされる方も読んでみて損はありません。英語が苦手な人にどうアプローチすればよいのかのヒントになると思います。 長沢さんはこの後、たくさんの英語学習書を書きましたけれども、一番最初のコレが私のお気に入りです。

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  • 17 Jun
    • 帝国書院の復刻版地図帳 地図で見る昭和の動き―戦前、占領下、高度経済成長期4巻セット・解説書付

      東西南北も現在過去も自由自在に 皆さんは昔学校で使っていた地図帳をどうしてらっしゃいますか? 私は捨ててしまいました。後悔しています。 なぜなら学校で使っていた地図帳はその時代、その時代の貴重な資料であるからです。小学校の4年生になると学校から地図帳がもらえる。 そして身近な地域から自分たちの住んでいる市町村、都道府県、そして日本、世界へと扱う地域をだんだん拡大しながら学んでゆきます。 中学に行っても高校に行ってもやはり地図帳を手にします。 地理の勉強で使うのはもちろんですが、自習の時間などに「地図あて」なんて遊びをやった方もいらっしゃるのではないでしょうか。 だれかが適当なページを開いて、目に付いた地名を読み上げます。他のメンバーはそれがどこに載っているのかを必死に探す、という他愛のない遊びです。それでも結構盛り上がりました。 また、変な地名をわざわざ捜したりもしました。 有名な所では 南太平洋に浮かぶエロマンガ島。オランダにあるフリョーニンゲン(もっと詳しい地図にはスケベニンゲンというのも載っている)。中部地方にある野口五郎岳。歌手の野口五郎さんはこの山のようにビッグになろうと、山から芸名をもらったそうです。この学校でもらえる地図帳、各種出版されていますが、最大大手は帝国書院でしょう。 帝国書院では学校用の地図帳だけでなく、一般向けにもさまざまな地図帳を出版しています。 TVのそばに一冊 ワールドアトラス タイトルが全てを示していますね。 テレビのニュースやドラマで舞台となる地名が気になったらどうしますか? そんなときすぐそばに地図帳があると意外と重宝します。テレビに出ている土地が、どのような場所にあり、どうやったら行けるのか。身近にあると調べるのも楽ですから、気になるとすぐ手を伸ばすようになります。 もしも学生時代に使っていた地図帳をまだもってらっしゃるなら、テレビのそば、居間においておくことをお勧めします。進学したお子さんは、今までの学校で使っていた地図帳をテレビのそばにおいておくといいかもしれませんね。 歴史地図帳 地図帳は何も現代の国々や地形をあらわすものばかりではありません。 日本の歴史や世界の歴史をテーマにした地図帳も多く出されています。 帝国書院からも出ていますが、ここではもっともよく目にする山川出版のものを。 源平の争いや織田信長の野望、アレクサンドロス大王の夢の跡や偉大なるローマの領域、春秋戦国、漢楚、三国の攻防などを多くはカラーで紹介しています。 複雑に入り組んだ領域を見るたびにそこに繰り広げられた人間のドラマ、悲劇などに思いをはせ、わくわくしたものでした。 復刻版の地図帳 もちろん、歴史地図帳ばかりが歴史資料ではありません。 すでに社会人になった方にとって、学生時代に使っていた地図帳は、その時代を映す鏡であったのです。 ときおり復刻版として、昔の地図帳が出版されることがあります。 この帝国書院版復刻4冊セットは値段が張りますが、それぞれの時代の地図帳が忠実に再現され、歴史的資料として、また青春の思い出として貴重なものであるといえます。 かく言う私も、高度経済成長期の青い表紙の地図帳を手に取った瞬間、一挙に中学時代の自分に帰ることができました。 まだ東西に分かれていたドイツ。経済成長しているとされていた北朝鮮。少し厚手の青い表紙も、巻末の資料も、十代半ばの私が手にとったそのままでした。昔の地図帳が出てきたら、昔のアルバムのように大切にとっておきましょうね。著者: NoData タイトル: 帝国書院の復刻版地図帳 地図で見る昭和の動き―戦前、占領下、高度経済成長期4巻セット・解説書付 著者: 帝国書院編集部 タイトル: 大きな文字のTVのそばに一冊 ワールドアトラス 著者: 亀井 高孝, 林 健太郎, 三上 次男, 堀米 庸三タイトル: 世界史年表・地図 著者: 児玉 幸多タイトル: 日本史年表・地図

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  • 08 Jun
    • 山下静雨 『もっと「きれいな字!」が書ける本』

      ワタシ、キレイ? 著者: 山下 静雨 タイトル: もっと「きれいな字!」が書ける本 きれい。普通はほめ言葉ですね。人間、大抵は汚いよりきれいが好き。 「きれいなお姉さんは好きですか?」なんてキャッチコピーもありました、昔。 きれいなものは喜ばれます。特に女性には。  きれいな花  きれいな石  きれいな金属  きれいな布 こんなものを贈ると喜ばれます。 さりとて何でもきれいなものがよいとは限りません。  きれいな虫  きれいなカエル なんてのは人によっては逆に怒り出す場合もあるので注意が必要です。それでも  きれいなヘビ は嫌われますが、  きれいなヘビの革でできたバッグ は喜ばれるから難しいですね。また  きれいな心 のように目に見えないものは贈っても効果がありません。  「オレのプレゼントはオレの愛だ!」 なんてやっても白けてしまうばかりです。 まあそれでもきれいなものが好かれるのは事実。最近は昔ほど書く機会がなくなりましたが、字もきれいなものが書けるに越したことありません。 でもきれいな字=うまい字、達筆。普通の人には読みにくい、というイメージをもってらっしゃる方もいるのではないでしょうか。私はそうでした。だから  「多少汚くても相手に読みやすい字の方がいい」 なんて思ってました。自分の字についても  「きれいでなくても個性的だからいい」と思ってました。学生時代のように手書きで何枚もレポートを書くという機会がなくなり、何でもワープロで済ませるようになったこともあり、特に気にかけることはありませんでした。 ところが。 先日漢字検定を受検しまして、つくづく思い知ったのです。  「私の字は、見て恥ずかしい」 罫線のない、わりと大き目の解答欄に縦書きで書きましたから、字のバランスが取りにくい。だめな所が目立っちゃうんですね。すごく読みにくい、まではいかないと思うけれども、あまり人には見せたくない字になってしまいました。 そんな時書店でこの本を発見。 帯には  きれいな字が書ける「ちょっとしたコツ」がわかる  読んだ後、驚くほど上手くなる! なんてことが書いてあるじゃあありませんか。「ちょっとしたコツ」というのがお手軽でいいですよね。早速購入しました。 導入部には  きれいな字を書く人は知的に見られます。 なんてことが書いてあります。汚い字でサインしたために取引が上手くいかなかった例なども紹介されていて、危機感をあおっています。大丈夫かな、私は。 で、本編にはキャッチの言葉通り「ちょっとしたコツ」が紹介されております。  縦画はまっすぐ、横画は右上がりに  起筆でアクセントをつける  字の中心をつかめば、崩れないし、曲がらない などなど。確かにちょっとしたことで、今まで気にかけなかったことが多い。それらに気をつけながら試しに書いてみると、上手くなった! ような気がします。気がする、では無責任なので確実なことを言えば、たしかに字体が少し変わり、バランスがよくなりました。 効果あるじゃあないですか。ちょっとしたコツばかりでなく、他にもさまざまな注意点が書いてありました。 一つの文章中に楷書と行書を混ぜるのはよくない、とか、一つの字の中に楷書と行書を混ぜてはいけない、とか。 う~ん。確かに私はやっちゃってます。「よくない」ことを。自分勝手に字をつなげたり、字体を混ぜたりしていました。自分勝手に行書にしたりつなげたりすると読みにくくなってしまいます。きれいな字というのはやはり読みやすい字のことだったんですね。

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  • 28 May
    • 世界の昆虫 DATA BOOK

      少年の日に戻ってわくわくしよう!先日、夕日に見とれてエサにありつけなかったサルの話を書きました。で、自分でも考えたんです。「最近はめったに空を見なくなったなあ」と。たまに見上げても「雨が降りそうだ」とか「暑くなりそうだ」なんて余り楽しい気持ちで見ていません。子供のころはもっと空を見ていたような気がします。もちろん、今よりも視線が低く、周りを見上げなければならなかったこともあるでしょう。でもそれだけじゃあない、何かこう、もっと自然を身近に感じ、もっとわくわくしていたような気がします。大人になって、サイズがでかくなって、子供のころの感覚がなくなっちゃったんでしょうね。草や石ころの手触りも、虫をつかんだときの感覚も、子供のころとは違っているような気がします。体が大きくなった分、相対的に虫類が小さく感じられ、ばたつく足の、手に当たる感じも鈍くなったような。アリにしろ、テントウムシにしろ、芋虫や毛虫などにしろ、もっと大きく身近に感じられたのになあ。こういった「大きさ」の感覚はやはり人それぞれ違うようで、よく知った見慣れたものは小さく、余り知らない不気味なものは大きく感じるようです。我が塾にもさまざまな虫が入ってきます。蛍光灯の光に集まる羽虫やガ。夏から秋にかけ迷い込んでくるハチ。ごくたまにゴキちゃんも出没します。そういったとき必ず声をかけられる私。たいていの場合は手でつまんでポイするんですが(ハチの場合は風上から殺虫剤をかけて追い出します)、捕まえた私には小さく感じられるものでも、虫が嫌い、あるいは怖い人は「大きいガ(ハチ、ゴキ、など)だったよね」と言います。人間の方がよほど大きく恐ろしいんですけどね。記録によれば世界最大の昆虫はニューギニアにすむヘルクレスサンというガの仲間だそうで、羽を広げた状態で、その差し渡しが28cmもあったそうです。日本にもヨナクニサンという親戚がおり、その大きさに鳥と間違えて鉄砲で打った人がいたとか。また、日本にはさまざまな美しい昆虫もいて、我々の目を楽しませてくれます。タマムシやルリボシカミキリ、ハンミョウなどきらびやかな連中もおればカラスアゲハのようにしっとりと落ち着いた美しさをもつものも、各種のテントウムシのようなかわいらしいものもいます。ですがやはりきらびやかさでは外国産の昆虫が上回っているようですね。特に熱帯産のチョウの派手なこと。モルフォチョウの仲間は本当にきらびやかです。足利義満の金閣や豊臣秀吉の黄金の茶室も、そして名古屋城の金のシャチホコも、彼女らの輝きにはかなわないでしょう。現代は私が子供のころに比べ外国産の昆虫を見たり触れたりする機会が多くなりました。うらやましいことですが、その一方で外国産昆虫のむやみな輸入がわが国の昆虫たちの生態系を崩したり、純潔性が壊されたりする危険もあり、ちょっと心配。なるべくなら映像などで楽しむにとどめて欲しいものです。さて今回ご紹介するこの「世界の昆虫 DATA BOOK」は、隔週刊で、それを集めれば百科辞典ができる、というよくあるシリーズもの。そしておまけ付。毎回実物大の実にリアルな昆虫フィギアがついているんです。フィギアをかざるBOXも今後付録としてつくとのことで、フェイクではありますが見事な標本ができちゃう。創刊号第一弾のフィギアはニジイロクワガタ。その名のとおり、タマムシのような虹色にかがやく羽根をもったクワガタです。きれいですよ~。創刊号は記念価格で490円。でも次回からは1390円。うう、この差はちょっとひどいですねえ。創刊号だけでも楽しめるのでそれでガマンしますか。

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  • 20 May
    • 晴山 陽一 『「2行日記」で英語がカンタンにうまくなる』

      継続は力なり。わかっちゃいるんですけどね。。。私は塾の教師。先生、先生と呼ばれ続け、いつしか思い上がっている阿呆な人間です。 それでも他の職業と同じく、教師もまたやりがいのある仕事です。 私は次の方々に勝手に親近感を抱いています。野球の監督。自分が活躍するのではなく、選手たちによいプレーをさせ、勝利をつかむ。教師に似ている。 理容師、美容師。お客さんの希望のヘアスタイルを請負い、その出来栄えを満足していただかなければならない。失敗したら返品はきかない。教師に似ている。 また、商売がら、ある程度の強制はします。 家庭で毎日勉強する、というのも時には強制し、習慣として定着させなければなりません。 とはいえ、自分がやっていたのか、やっているのか、といわれると何ともいえません。 毎日勉強する、勉強時間を確保する辛さは学生さんより社会人の方の方がより実感できるのではないでしょうか。 英語は普段から積極的に使っている方はともかく、普通の方は覚えても忘れる、頭に入れても消えていってしまう、といったことが悩みでは。私はそうです。 そこで毎日少しずつ、継続することが望ましいのですが、その継続が難しい。 NHKのラジオ講座はそういった点でありがたいですね。 この本も継続、を主眼としております。タイトルどおり、1日2行、比較的簡単な英文で365日の一年間を通して読めば、力がつくはず、です。 とはいえ、自分で日記を書いていくという練習帳、ドリルみたいなものではありません。とある若い女性が書いた日記、という形になっています。もちろんフィクションですが、仕事のこと、恋の悩み、海外旅行やホームステイなどが綴られており、最後まで読んでいてあきません。日記は1月1日から始まっています。もちろん、その日付どおりに読む必要はありません。最初から1日位ページずつをゆっくり読んでゆけばよいのです。実は私もまだ2ヶ月くらいしか続けていません。継続は力なり。1年間、ちゃんと続けられるかなあ。ちょっと弱気になったんで、あえてここに書き、他人にさらすことで、自分の逃げ道をなくしてみました。著者: 晴山 陽一 タイトル: 「2行日記」で英語がカンタンにうまくなる!

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  • 18 Apr
    • 浦野啓子, 松尾友子 『社会人ことば見習いBOOK』

      敬語の基礎。でも教えられてなければ使えません。人が、自分の意思、思考、感情を伝える方法はさまざま。詩、音楽、美術、体育などの芸術。ファッション、しぐさや表情。今流行の顔文字なども、端的ですが、その分かりやすさゆえ広まっているのでしょう。しかしより広範囲の人に伝えるには今も昔も言葉がもっともポピュラーでしょう。もちろん、人をその外見や言葉だけで全てを判断するのは正しくありません。それでも身なりや言葉遣いはその人の主体的な表現なのですから、それで判断されることに不満を持つのはやはり甘いと言えます。もちろんこれは公的な場所においての話であり、私的な場所で何を着、何を話そうがそれはその人の自由です。このインターネットという場でも然り。いえ、むしろ言葉が大部分を占める世界ですから、よりシビアでしょう。更に手書きと異なり、簡単に言葉を表現できるので一つ間違えれば取り返しのつかないことにもなりかねないでしょう。もちろん、ネットの世界でも文書を推敲してから発表する人も多いと思います。一方でその匿名性を利用しておのが表現を悪用する人も、悲しいかな、少なからず存在します。言葉は時に何よりも強く他人と自分を傷つけてしまうものですね。私も注意したいと思います。普段から使っている日本語。それゆえ「なおざりの心あり」という状態になってはいまいか。そんな反省の意味もあり、「社会人ことば見習いBOOK」を購入。巻頭、バーナード・ショウの次の言葉が私の心に突き刺さります。人間の価値は、話す言葉によって決まる。いや、ごもっとも。なかなか痛いことを仰る。私のうだうだ長い言い回しよりもよほどスマートで決まっているではありませんか。本書は新社会人向けに編まれたものですが、使いこなしていると思っていても体系立てて学びなおすのもよい経験になるのでは。「はい」から始まり「拝受」「拝借」にいたる120のフレーズがページごとに簡単に紹介されています。現代っ子、若者たちは礼儀、言葉遣いがなっちょらん! とお嘆きの方もいらっしゃるかと思います。けれども非常に人間関係に気を使い、必要と感じれば、納得いけば、きちんとけじめをつける子もたくさんいます。むしろ年をとって横着になった私の方が礼儀知らずになってはいまいか。この本でもう一度、勉強しようと思います。著者: 浦野 啓子, 松尾 友子タイトル: 社会人ことば見習いBOOK

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  • 12 Mar
    • 日本化学会 『化学・意表を突かれる身近な疑問―昆布はなんでダシが海水に溶け出さないの?』

      私たちは化学の中で生きている理科、と書くと少年の日のワクワクした思い出がいっぱいよみがえってくるのに化学、ばけがく、ケミストリ、と書かれると高校時代の無味乾燥な授業を思い出してしまいます。中学のときまではよかったんですよ。そのころはまだ「理科第一分野」。先生が手のひらいっぱいの大きな硫酸銅の結晶を見せてくれたとき、その青く美しい傾いた直方体に目が釘付けになり、いっぺんで化学の虜になりましたっけ。「理科第一分野」から「化学」に変わったころから、化学式や公式を覚えてやたら問題を解くだけの作業に思えてしまって。。。いや、怠惰な自分が一番悪いことは重々承知しているんですがね。授業中初めて居眠りしてしまった、それが化学の授業でした。皆さんはどうですか?そんな思いは化学の先生たちにもあるらしく、「本当の化学はそんなものじゃない!」といろいろな機会を捉えては化学の面白さを広めています。著者: 日本化学会タイトル: 化学・意表を突かれる身近な疑問―昆布はなんでダシが海水に溶け出さないの?「まえがき」によれば、日本化学会は会員数4万。ほぼ10年に一度、「化学展」を開催し、暮らしと化学のかかわりや科学の面白さを伝えているそうです。そういえば身の回りは「化学」でいっぱい。料理なんて化学反応を利用しまくりだし。花火のきれいな色も化学変化の結果ですよね。物質を扱うのが科学とすればわれわれは化学に取り囲まれている、生まれたときからその中で生きている、といえるわけです。この本には身近な「なぜ?」をなんと70も取り上げて、化学の立場から解説をしています。・ビールはなぜペットボトルに入ってないの?・コンビーフの缶詰はなぜあんな形なの?・蛍光灯が古くなるとなぜ端っこに黒いシミができるの?・お酒を飲むとなんでラーメンが食べたくなるの?などなど。なかなか興味をそそられるではありませんか?ただ、この本は少し難しい。一応、親とこの対話形式にはなっているものの、トピックを多くした分、ひとつ当たり2ページですべてを解説しているため、高分子、浸透圧、β-デンプン、硫化アリル、なんて言葉がバンバン出てきます。もちろん、素人が読むことを配慮して、図や解説も出ていますが、高校生、理科好きの中学生か、理系の方向けの本でしょう。それでも10万部突破! と帯にありました。やhりトピックスの選出がいいのでしょう。それに難しい言葉を飛ばしてもある程度理解できるのもいい。上記の科学用語にひるまなければお買い得の一冊です。別にわからない言葉が出ればそれでもいいじゃないか、と思います。ネットや本を使って調べることでさらに知識が広がりますからね。

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  • 05 Mar
    • 香山リカ, 森健 『ネット王子とケータイ姫―悲劇を防ぐための知恵』

      君子危うきに近寄らず、というわけにはもういかなくなった「危うき」ものだらけの世の中だから3月になりました。私の住む愛知県では、来週公立高校一般入試があり、これで受験生活のピリオドが打たれます。まあ、23日の合格発表までは気が抜けませんけれども。さて、そんな頑張っている受験生諸君中に「高校入ったらパソコン買ってもらうんだ」「ケータイ買ってもらうんだ」と言う子もいます。中学にあがるときに「ケータイ」を持った子も結構います。また、塾である以上、夜間の通学になるため、それを機にケータイを与えられた子もいます。彼らはものごころついたときからパソコン、ケータイがあって当たり前の世代なのです。私はここで「ケータイ」という表記を使っております。私が持っているのは「携帯電話」。でも子供さんたちが持っている、あるいはあこがれているのは「ケータイ」。メールやサイト閲覧など電話以外の機能をメインとして使っています。パソコンを持っている子、持ちたい子もパソコンでやりたいことは、と聞くとゲームやペイント、文書よりネットサーフやチャットという答えが多い。保護者の方がこれらツールを与えるにはかなり不安があるようです。「本当は持たせたくないんだけど」と語る方もいます。反面、「これからの時代のことを考えると、早くから使いこなしてほしいと思って」とおっしゃる方も。事実ネットやケータイを通じて子供たちの前に広がる世界にはさまざまな危険も潜んでいます。出会いサイト、架空請求、アダルトコンテンツ、チャットや掲示板での誹謗中傷。。。識者の中には「子供にネットやケータイなど害だから与えるべきではない」という方もいます。私たちはいったいどうすればよいのでしょうか。著者: 香山 リカ, 森 健タイトル: ネット王子とケータイ姫―悲劇を防ぐための知恵この本はそんな不安を感じる私たちへ書かれものです。冒頭、佐世保の小六女児同級生殺害事件から起こったネット、ケータイを巡るメディアの姿勢、社会各層の対応を述べ、ネットやケータイ、ゲームを悪とし安直に犯人を特定して安心感を得たいメディアの姿勢や世相に警鐘を鳴らしています。たとえば一時期話題になった「ゲーム脳」理論も非科学的であり、その反論もたくさんあるのに世間はインパクトの強い、すっきりした解答を求めるあまり、前者の間違った考え方がいつまでも支持されるのだと。ネット「王子」、ケータイ「姫」のタイトルに見られるように香山さんは一部例外はあるもののネットにはまるのは男子が多く、ケータイは女子が多いとされています。ネットは?ですが、たしかにケータイは女子のほうが圧倒的。そしてジャーナリストの森さんは実際に「王子」「姫」やそれらを取り巻く人々を取材、現状をわれわれに示しています。メールのやり取りでケータイを片時も手放せない子。即返信を送らなければならないと強迫観念に駆られ、1日の件数は100件を越え、月に3万も料金がかかる例もありました。出会いを求めて繁華街に出、ネットカフェで出会いサイトで「カレシ」を見つける女の子二人組み。などなど。そして現状を憂い、取り組みを始めている大人たち。ネチケットなどを学校で教える試み。学校だけでは対応しきれない地域ではNPOが取り組んでいるところも。またケータイ(メール)をうまく利用し、不登校の生徒とコンタクトを取り続ける教師など。こうして真剣な模索が続けられる中、それでも十分な対応がなされていないのが現状です。それは行政の、学校の、地域の、保護者の不理解であったり、メディアの無責任な姿勢であったりします。こうして著者たち自身も苦悩しながら最後に私たちに提言をしております(実際に「提言」という章があります)。そこで述べられているのはごくごく当たり前のことばかりですが、ここまでの分析やリポートがあるだけに何よりも説得力を持っております。そして「王子」「姫」たちにも提言を忘れておりません。本文に載せているだけでなく、下にあるような「カード」を付録につけており、その裏面にも記載しております。すべてをコピーするのは横着ですから、1つだけ取り上げましょう。困ったことが起きたときは、まわりにいるだれかに話してみよう。ネットやケータイで相談して解決しようとするとかえってこじれるから注意して。一点だけ。惜しむらくは対象者のことを考え、もう少し言葉に配慮すべきだったと思います。メディア・リテラシー(情報を見極める能力)、デジタル・ディバイド(IT環境や能力の格差)などカタカナ語、専門語を使わずにわかりやすい日本語に置き換える努力をしてほしかった(もちろん、初出時には説明をしているのですが)。子供を持つ親、そして子供にも読んでほしいと謳っている以上。これはこの本に限ったことではないのですけれど。永六輔さんもかつてこのようなことをおっしゃってました。「バリアフリーという言葉は不親切だ。バリアフリーを必要とする人々(お年寄りなど)の胸に届かない言葉だ」

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  • 24 Jan
    • 内山 裕之 『親子で楽しむ生き物のなぞ』

      キリンの寝姿がとってもかわいい!著者: 内山 裕之タイトル: 親子で楽しむ生き物のなぞもう1月も下旬。我が業界(塾)でも来年度に向けて準備が始まっております。私が最近「子どもの~」とか「親子で~」などの本を読むのも、来年度を見据えてなんですよ。来年の授業のためなんですよ。趣味で読んでいるわけではないのですよ。分かってください、ご同輩。とこれくらい言ったら信じてもらえるかなあ。最大のネックは私が理科を担当していない、ということなんですが。著者の内山さんは中学の理科の先生。子どもさんたちと接する、最前線で働いていらっしゃいます。それだけにアプローチの仕方がとても上手。子どもたちの発する「なぜ」を受け止め、広げ、タイトルどおり親子で楽しめるように書き上げています。取り上げられたトピックスはなんと72。第1部の「知って楽しむ編」では「街で見かける生き物」、「干潟と堤防で見かける生き物」にはじまり、「動物園にいる生き物」「ペット」と、どこに行けばどんな生き物が見られ、彼らが生き延びるために工夫を凝らしてきた不思議な生態や習性を分かりやすく紹介しています。それぞれが見開き2ページで収まっているところなど、さすが理科の先生、まとめ上手! な感じです。個人的には121ページのキリンの寝姿のイラストと128~131の「イヌの気持ち」「ネコの気持ち」を理解できるイヌ語・ネコ語のカンタンな手ほどきが好み。この手の雑学、薀蓄、「トレビア」な知識紹介の本は数多いのですが、本書が優れているのはきちんとしたテーマを持っていること。それが息子とともに「自然探検」をして、ウワーッと叫びたくなる発見をいろいろしたいのです。そうして息子に、今のままの自然を「ほっとけん」という意識を持ってほしいのです。自然探検・発見・ほっとけんの『自然三けん主義』です。(「まえがき」より)そう、タイトルにもあるように「親子で楽しむ」、親が子に託す願いがこもっているのです。そして「読んで知るだけでなく、実際に確かめよう!」というのが第2部の「観察・飼育して楽しむ編」です。ここでは例えば・イソギンチャクを歩かせる・オス化したメスの貝を見つける・懐かしいフナの解剖をアジで再現!など、楽しい記事が満載。新しい春を迎える前に読んでいただいて、どこへ出かけてどんな生き物にあったときも役立てればと思います。新年度が楽しくなる、これはそんな本です。

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  • 20 Jan
    • 松森 靖夫 『論破できるか!子供の珍説・奇説』

      お父さんは昔、宇宙飛行士になりたかったんだよ著者: 松森 靖夫タイトル: 論破できるか!子供の珍説・奇説―親子の対話を通してはぐくむ科学的な考え方スミマセン、また勝手に脳内会話をしていました。私の願望でして。息子or娘と星空を見上げながら宇宙の話をするのが。さまざまな神秘を語ってあげるのが。でも息子or娘のほうが私よりよほど物知りってことも十分ありえますね。いかん、いかん、つい妄想に浸ってしまいました。今でも子供たちと「理科」の会話をするのが私の喜び。たとえそれが「間違った知識」であっても。いや、そういった子供との対話こそ物事の根本を考えるいい機会になっています。「重いものと軽いものを同時に落としたら重いもののほうが先に落ちる」「太陽は東から昇り西に沈むが、月はその反対」「月は自転しない」などなど。でもこれらの知識も決して単なるでたらめなのではなくて、それなりの理論、理屈から導き出されたもの。ここで「バカだなあ」「違う、違う、本当はこうなんだ」と一方的に決め付け、会話を終わらせてしまうとせっかくの理科好きになる機会をつぶすことになります。なぜそう考えるのか。実際に確かめたことはあるのか。ひとつひとつ検討してゆく、そんなやり取りが楽しい。本書ではそんな子供たちの「間違った知識」を取り上げ、その源泉をたどり、科学的に考え直してゆく、その過程を通じて理科教育のあり方を問うている本です。といってもとっつきにくいものではありません。子ども「カラスやスズメは死なないんだよ。だって、死んでるの見たことないもん」パパ「そうだよな。……ほんとだよなぁ」(第1章-1)と各話父子の対話を扉に持ってきて、読者の興味をひき、一緒に考えさせます。中には子ども「乳歯はどうせ抜けちゃうから、永久歯になってからよく磨けばいいんだ!」パパ「幼稚園のとき、一生懸命磨いて、損したかな?」子ども「パパが子どものときに全然勉強しなかったから、生まれてきたボクの頭も悪いんだね」パパ「う、ぅ……」なんて笑える(実は笑えない?)やりとりも。一部繰り返しになりますが、この本は子どもの疑問には何でも答えてやらなければならない、とか、間違った知識は正さなければならない、といっているわけではありません。このような会話を通じて「なぜ」「どうして」を考え、確かめてみる機会をどんどん設けて、親子で「理科」を楽しんでほしい、そんな願いがこもっているのです。会話は言葉のキャッチボールだとよく言われます。子どもとのこんなキャッチボールを楽しむのもなかなかいいものではないか、と私は思うのです。

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  • 09 Jan
    • 松永暢史 『親子で遊びながら作文力がつく本』

      魔法の言葉が子供(と大人)の心を開く著者: 松永 暢史タイトル: 親子で遊びながら作文力がつく本親御さんが子供からもらってうれしいものの一つに、子供さんの作文(や絵)があります。私の塾でもそうでして、夏休みなどに作文講座で書いた物を親御さんに読んでいただくと、これが非常に評判がよろしい。目を細めたり、少し涙ぐんだり。ですから生徒さんには「親へのプレゼントは作文が一番いいよ。お金もかからないし」なんてあおっている次第。かく言う私も(子供はいませんが)甥っ子から初めて作文をプレゼントされたときは感激したものです。タイトルは「てるてるぼうずのつくりかた」。文字通りてるてるぼうずの作り方を説明しただけのものでしたが。。。ところが「作文キライ」というお子さんは結構います。私が「作文を……」と言おうものなら、最後まで聞かず「え~~~(怒)」ブーイングが出ること必定。もちろん「作文がスキ」という子もいますが、少数派の悲しさか、ブーイングに加担する始末。でもそれは決して書くことが嫌いなのではなくて「書け」といわれて書くのが嫌いなだけ。大人だって好きで報告書や企画書を書いているわけではありませんものね。生徒からもらう手紙や年賀状などを見ると皆実にユニークです。そして心がこもっています。伝えたいものがあれば伝わるもの。そう、書きたいことなら書くんです。要はいかにそれを引き出してやるか、なんですが。。。松永先生の手法はまさにマジック。個別指導で子供と対話しながら心を開かせ、作文を書かせていきます。その姿は「したたか」。いえ、これは純粋な誉め言葉です。子供の視点に立つ、と言っても子供と同等になってしまっては逆効果。こちらがリードしていることを悟られないようにリードする、それがタイトルの「遊びながら」のことなのです。具体的に言えば「誉め殺し」と「マップ法」の2つ。子供と会話しながら「すごい! 傑作になりそうだぞ、メモメモ」なんて心から賞賛し、子供をその気にさせる。この「心から」の部分が大切で、決して子供をだましているわけではありません。松永先生は作文はすばらしいもので、誰でも書けるものだという信念があるのです。「じゃあ、まず最初に真ん中に大きく『クワガタ』を書いてみよう」これはマップ法の導入。サブタイトルの「メモをつないで……」の手法です。マップ法と言うのは主題を紙の中央に書き、それから連想されること、キーワードなど次々枝分かれして出てくるものをつなげたものです。本書にもその例が出ています。かくして「作文大嫌い」な男の子は夏休みのクワガタとりを大長編に纏め上げ、作文の好きな子は好きな子で大人も真っ青の文章を作り上げてしまいます。私は松永先生を心の師と仰いでおります(残念ながら直接の面識はありません)。もちろん、個別指導だからできること、一斉指導では難しいことなのかもしれません。ただ学校でも塾でも「名人」と呼ばれる教師は子供をその気にさせるのがうまい人ばかり。「親子で」とありますが、教師も必読の本であると思います。

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