「アルジャーノンに花束を」の作者ダニエルキイスさんが他界のニュース。86歳とご高齢・・思えば
この本を読んだのはウン十年前です。長編と中編の2つがあり私が手にしたのは長編のほうです。有名なので読んだ方も多いと思います。
この本のテーマは知能指数とヒトとしての幸せが比例するかどうか?だと思います。主人公チャーリーは心優しく、お人好しの好青年ですが、知能遅れで行動も遅く、周囲からバカにされていました。純粋な心のチャーリーは「自分がもっと頭が良ければ、みなから好かれる」と考えていました。そんなある日、脳外科手術を受け驚異的な知能の発達をみせる。知能が発達する段階で自分が友達だと思っていた人も、単にバカにされていたことを知る。また知能レベルが外科手術をしたドクターらよりも知能を上回り、世間の汚い世界を目の当たりにしていく。知能を高く持つことでいい人間になるどころが、チャーリー自身も天狗になってき孤独を感じ、IQと人としての幸せがイコールでないことが描かれている。
そしてチャーリーよりも少し早く同じ脳外科手術をしたねずみのアルジャーノンの異常行動が出てくる。手術によりIQの高くなっているチャーリーはそれが自分の近い未来であることを知る。
このストーリーはチャーリーの日記という形で進んでいくため最初は知能の低い状態で、文体もひらがなだらけで読みにくい、そして知能が上がるにつれて文も変化をとげていきます。そしてアルジャーノンの異常行動を見たあと、チャーリーはアルジャーノンと同じ運命をたどります。
あれほどほしかった知能、しかし知能指数と彼自身の幸福への切符とはなりませんでした。結局脳外科医師たちのモルモットでしかなかったチャーリーですが、知能の後退により記憶力も落ち、できないことが増えるチャーリーですが、最後までチャーリー自身がもつ優しい人間性だけが残ります。ラストはぐっと涙がこぼれる展開です。普段SFとか読まない方も一度は読んでおきたい一冊です。