家族の不祥事により降格人事を受けた竜崎は大森署長へと転任になる。署管内で消費者金融強盗犯人が小料理屋へ立てこもり事件を起こす。犯人死亡したが人質は無事であった。事件も無事解決したかに見えたが、犯人の持っていた拳銃には実弾が空であった。
実弾を持たない犯人を銃撃し死亡させたことが問題となり竜崎は責任を問う形で監察も動きはじめるが、終わったかに見えた事件の真相はまた別のところにあったというもの。
この事件を解決する中にも妻の緊急入院あり竜崎を揺り動かしたり、珍しく弱気になった竜崎をアニメDVDの鑑賞で感動!すっかり弱気を立て直すなど1作目にはなかった、なんとも人間くさい部分がいくつか出てきます。個人的には簡単にDVD鑑賞(→風の谷のナウシカ)であんなに考えがコロリと変わるのか?無理があると思いましたが、これは作品中で小さな疑問点であるとして、作品は相変わらず短時間で読み込めるものである。これも一重に竜崎というキャラクターの正論の通ったすがすがしい生き様が牽引力となっている。
またこの作品全体で妻冴子は地味なポジションですが、少ない登場シーンに見事な内助の功ぶりが良く描かれていて、同性として関心しきり。夫である竜崎が普段冷静で仕事に打ち込めるのも、この妻の働きがあってのことである。余計なことは愚痴らないし、あらゆる場面での気持ちの切り替えの早さといい、このような女性でなければ激務の夫をかかえる妻は務まらないのでしょう。
東洋占術の論理では男女間の差がはっきりしており役割分担も明確です。いわゆる古き論理で男は外で働き女は家庭を守るというものですが、竜崎のようにこれだけしっかり外で仕事が出来れば、古典的といえる生き方も良き選択の1つだろうと思いました。
作品中には、いくつか読んでいて痛快な台詞があるので紹介
「異動のときは早めに教えて下さいね」と妻→竜崎が事件の責任を取らされるであろうピンチのときに入院中の妻が言う言葉。夫を追い詰めることもなくしかも一言も竜崎は窮地であることを妻に言わないのに、竜崎の雰囲気で読み取り力のすばらしさ
次は伊丹刑事部長とのやりとりで、野間崎管理官を指してのシーンです。
伊丹「なんだ?あいつは」
竜崎「小物に立場や権限を与えると、ああいうことになる」→その通り選挙ではどうなのか?と思う
伊丹「困ったものだな」
この竜崎のキャラクター好き嫌いでこの物語の判断が分かれると思います。
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