いや、パンクとか 車止め降りないでリアメカぶつけた(まぢやめて)とか なんかよくわからないけど、いい成績でないのは僕のせいだと言われても困るんですが、それでも、もしかしたら改善すべき点や手をいれるべきところを見つけられる可能性はあるので まずはご相談くださいという話です。

 

普段、あんまり作業の内容を書かないのですが、まぁだいたい常時20件待ちとか並行で、わたし仕事早いわけじゃないので作業のついてはあんまり書いてないです。 (お盆と鈴鹿で一回リセットして、年末まで続くと思います。っていうか一年中です)

 

今回はお持ち込み頂いたバイクで、フィッティングなどのご依頼でしたが、異音はないものの回転感がもっさりしているので、こちらからオーバーホールをご提案してお預かりしました。ハブ、BB、チェーン、プーリーをそれぞれバラして確認していきました。

 

ベアリングが死んでいるにしては静か、でもなんかモッタリした感じだったのですが、

 

 

開けたら全部駄目だった  ”あの感触でここまで死んでるケースもあるんや~ こわ~” となりました。疑ってよかったパターンっす

 

ベアリング外輪だけはボディにハマっているけど、あとはもう自然に飛び出すようにバラバラになりました。一番ねじれが加わる部位は球が真っ二つになっていて これは回らんわという状態です。 怖えな~と思うのは異音はまぢで全然無く、グリスで閉じ込められていたからなんでしょうが回るっちゃ回っていたことなんですよね。もともとのハブの設計も問題でやすいのですが。

 

オーナーさんの成績の伸び悩みもこれで糸口が見つかったので遠方からお持ち込み頂いたかいがあったと思ってもらえるかと。

 

まぁ、当店が他社他店購入の自転車を 基本的に簡易な点検のみで受けない理由の具体例みたいな状況でした。

 

 

プーリーの一部に本当に気付かないレベルのクラックあったり、髪の毛、異物、塩害などなど、様々なトラブルがありますが、その些細なすべてがライダーに影響しています。人間の僅かな力を高速に変える変換器となるのが自転車ですが、ものすごい数の部品でそれは成されています。

 

10 x 10 x 10 x 10 x 10   の連関において、 一箇所だけ7割の状況だったとしたら

10 x 10 x 10 x  7 x 10      これ、10万と7万の違いなわけですが、問題箇所は1箇所だけでもあります。極論ではありますが、連続的に作用しあう構造においてボトルネックを改善することの影響は大で、一点豪華主義の限界もこの点にあると思います。

 

 

これはチェーン周辺の洗浄後の砂鉄くず ゴマペーストぢゃあないw
神経質になりすぎるのも良くないけど、ロス要因にはなるんですよ

 

 

実際、当店の修理は6割から7割が他店購入品です。ただ6600円から11000円の基本点検範囲で作業を完了させられるケースは、30台に1台くらいですね。ほぼないです。そういう場合は、調子は悪くなく基本的な自主メンテナンスも出来ているけど、念の為の点検というケースですからオーナーさんの管理が行き届いていらっしゃいます。

 

大半は、なんらかの不調を感じていたり、その不調がバイク側でなくフィジカルの問題として相談してくださって、実際は機材トラブルだったってことも多々あるのです。

 

工賃だけで平均して、2.5万円から4.4万円を頂戴しながら作業をしていますが、分解して悪い部分があってもなくても作業工賃が増減するわけじゃありません。 MRI撮影して異常が見つからなかったらタダとかもないじゃないですか。

 

 

多少調子悪くてもいいから走れるようにしてくれっていうオーダーは、日頃からメンテナンスやオーバーホールで維持されている当店ご購入者の方が明日にはレースっていう場合しかやりません。それでも寝ないでやりますけど。

 

あと車止めは降りましょう。スピードの出る自転車が金属のパイプに高確率で変速機をぶつけて、カキン!とかいってるの好ましく思う人はいません。転生して自分がリアメカに生まれ変わったときに、時速30キロで金属パイプにぶち当てられてリアハンガーといっしょにぶち曲げられる想像をしてくださいませ。

 

まぁ、諸々含めて、調子がいいときは自分を褒めろ、悪いときには機材を疑え的な話は弱ペダで巻島先輩も言ってましたし、メカニック的には自戒として常に頭にある考え方だと思いますので まずはご相談くださいませ