【在来作物】いのちパン? | 【食文化研究日記】山形県の在来作物と東京レストラン

【食文化研究日記】山形県の在来作物と東京レストラン

在来作物は「お金のための作物」ではなく「命のための作物」。私たちはその作物を中心に携わる生産者、料理人、飲食店、消費者を介しその大切さを発信します。



『 一津堂いのちパン 』 -Hitotsudou_inochipan-


一津堂いのちパン



東京在中の主婦が中心となって活躍しているミュージカル劇団FMC。

自らを「生活者集団」と名乗るぐらい主婦の視点にこだわっている。

彼女達は「生活者としての地に足が着いた強さと、

いのちを守る側に立つ温かさを根っこに、人々の明日への活力となること」

を信念に19回も公演を重ねてきた。



そんな彼女達が今回題材にしたのは在来作物とそれに携わる人々である。

作家の緒川 さゆ里氏に今回の作品で「何を伝えたいか」を尋ねると

「周りを(良い風に)変えたいと願うなら、

まずは自分から変わることが大切だということを伝えたい」

と力強く語っていた。

確かにこの作品では、心に傷を負った人たちが

一人の在来作物の生産者であるおばあちゃんと出逢い、

自らが畑仕事を通して「いのちの大切さ」を感じ、

みるみる豊かな人間になっていく姿が映し出されている。


私はふと作家の言葉と山形大学出版社からでている「おしゃべりな畑Ⅱ」

の畑の中の座談会で江頭准教授が言っていた

「在来作物の生産者全員の共通点があるんです。

それは、気持ちの良い人が多いということです。」

という言葉を自然と思い出していた。


儲けを考えず、命を繋ぐために作っていた人々。

先祖からのタネを使命感で守り続けてきた人々。

相当な手間がかかるのに近所で楽しみにしている人がいるから

というだけで作り続けてきた人々。


そんな彼女達が作る作物には利己的なものはなかったに違いない。


私は在来作物の不思議な魅力の源がこれかと妙に納得してしまった。



在来作物を通して、人としてのあるべき姿を問いかける

面白い劇だと感じたので是非お勧めしたい。


☆★『一津堂いのちパン』上演スケジュール★☆
2013年2月22日(金) 15:00&19:30
@下北沢 北沢タウンホール
↓詳しくは↓
https://www.facebook.com/thcfmc