昨年10月に自殺した大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)へのいじめの加害者とされる同級生の一人が今年5月、中学校内で担任に暴力を振るっ
てけがを負わせた問題で、担任の女性教諭が同級生に蹴られるなどして左手小指骨折、脇腹や顔などの打撲傷で全治約1か月の重傷だったことがわかった。
市教委は当初、「故意ではなかった」などと説明していたが、事実と違った理由について、市教委幹部は「対応した職員がきちんと理解しないまま、説明してしまった」と釈明している。
市教委によると、5月下旬、学校の体育館で翌日に控えた修学旅行の事前指導が行われていたさなか、同級生が急に立ち上がり、帰宅すると言って暴れた。更衣室に向かい、追い掛けて止めようとした担任の女性教諭を蹴ったという。
担任が足を左手で止めようとして小指を骨折。同級生はその後も止められるまで脇腹や顔などを計10回、殴ったり蹴ったりした。市教委は当初、取材 に対し、小指骨折は暴れていた男子生徒の足が偶然当たったためで、「担任を狙ったのでなく、故意ではなかった」などとしていた。
学校は6月上旬、担任を交えて協議した結果、被害届を出さないと決定。大津署には経緯を説明したうえで、「同じようなことがあれば、被害届を出 す」と伝えた。市教委が今月中旬、改めて聞き取りをした際、担任は「3年生になって、クラスになじめてきつつある。(法的な措置を取るのでなく)担任とし て見ていきたい」と話したという。
