本日は、「小暑」。

 

大暑来れる前なれば也 (暦便覧)

だんだん暑さが増していくという意味で、梅雨明けも近くなり、湿っぽさの中にも夏の熱気が感じられるようになります。

 


梅雨明けが近づき、気温が上昇し、少しずつ暑さが増してくる時季です。

よしずをかけたり、夏用の衣類を整えるなど、夏を快適に過ごすための準備期間ともいえます。

マスクをしていると口の渇きを忘れがちです。

こまめに水分補給をして熱中症対策も心がけましょう。

 


これから迎える夏の最も暑い時期のことを「三伏(さんぷく)」といいます。

7月中旬から8月上旬頃の、酷暑の時期を表す言葉です。

「拝啓 三伏の候」...ひと昔前の暑中見舞いの書き出しの定番でした。

 

三伏(さんぷく)とは、陰陽五行説に基づく選日(せんじつ)の1つで、夏至後の第3の庚(かのえ)の日を初伏(しょふく)、第4の庚の日を中伏(ちゅうふく)、立秋後の最初の庚の日を末伏(まっぷく)といい、この三つをあわせての総称です。

2024年の初伏は715(月・祝)、中伏が725()、末伏が814()です。

庚(かのえ)は五行でいう「金の兄」で金性であり、金は火に伏せられること(火剋金)から、火性の最も盛んな夏の庚の日には金性の秋を降伏させる力があると考えられたのでしょう。

暦注では「旅行・婚姻・種まきを忌む日」とされています。

 

また、東洋医学の古典には、「冬病夏治(とうびょうかち)」という考え方があります。

『冬に治しにくい病を、この三伏の期間に予防・治療して治す。』という意味です。

せき・気管支炎・喘息・関節痛など、冬の慢性病や陽気不足の病気は、症状が比較的軽い夏の時期にしっかり治療することが大切です。

陽気の一番強い夏に免疫力を高め、冬に症状の出やすい病気に取り組むのです。

 

現在の中国でも「三伏」や「三伏天」と呼ばれ、さまざまな風習が伝わっています。

中でも有名なのは「三伏貼」です。

これはツボに薬剤を貼り付けることで、呼吸器系の疾患などを和らげるとされる民間療法です。


この時期は夏の厳しい暑さや冷房によって、夏バテや夏風邪などの症状が現れる人も多いので、無理をせず、温かいものや栄養のあるものを食べて、心身を労わってあげると良いでしょう。。

 

 

この頃「早く寝ないといけないのに眠れない…」なんて経験、ありませんか?

眠りは心身の疲れを解消して明日への活力を補う大切な要素です。



漢方では、血の循環と精神活動を担う五臓の心(しん)が眠りに関与していると考えます。

心に不調があると睡眠にも乱れが生じます。


漢方では、不眠を大きく2つに分けて考えます。

1つ目は眠るための力が不足していることにより起こる不眠です。

 

□疲れていて眠いのに眠れない

□うとうとするのにしっかり寝入ることが出来ない

□貧血傾向で顔色がさえない

□物忘れが多い

 

2つ目は怒りや夏の暑さなど、熱で心が興奮しているために起こります。

 

□目がさえて眠れない

□暑さで寝苦しくて眠れない

□目の充血や舌先の赤みがある

□イライラして怒りっぽい

 

漢方薬はそれぞれの体調や体質によって異なるものが選ばれますが、安神(精神を安定させること)効果のあるハスの実はどちらのタイプにも有効です。



ちなみに、ハスの葉は荷葉(かよう)という水巡りをよくする生薬、ハスの根は咳止めによいレンコン、ハスの根の節は藕節(ぐうせつ)といって止血作用がある生薬です。

余すところなく使えるハスは、とても優秀な植物です。

ぜひ取り入れてみてくださいね♪