小満のコラム 子午流注(4)「寅(とら)の刻」(3-5時



■「寅(とら)の刻」(3-5時

 

漢方では五臓六腑の「肺(はい)」が担当する時間です。

まずは漢方で考える「肺」の働きを見ていきましょう!

漢方で考える「肺」は、西洋医学的な呼吸器系をさすだけでなく、皮膚や体毛・毛穴などとつながっています。

 

(1)気と呼吸を主る(つかさどる)

 

呼吸によって、新鮮な気を取り込み、体内で不要になった気を排出しています。

取り込んだ気は、人間の生命活動を担うエネルギーである「気」の材料になり、全身に届けられます。

エネルギーとしての「気」には、病気を引き起こすものを身体に入れないようにする「防衛」のはたらきがあり、

漢方では肺がこの防衛する気=衛気(えき)(「自分を守ろうとする力」の呼称)に関係していると考えます。

衛気(えき)は、私たちの身体の周りを巡り、バリアとして頑張っていることで外邪を寄せ付けず、病気になることを防いでいるのです。

 

(2)皮膚や体毛・毛穴とつながっている 

 

漢方では、肺は気を主るほかに水の巡りを主ると考えます。

体の中の水を巡らせて皮膚を潤したり、毛穴から汗を出したりします。

人体に病気を引き起こすものが入ってこようとしているときに毛穴を閉じて防御します

 

最後に「肺」を整えるお手軽ケアをご紹介します。

呼吸は「心と身体」、「身体と外気」をつなぐ架け橋です。

呼吸は無意識に行われていますが、意識的に変えることもできます!

緊張している時は呼吸が浅く早くなり、リラックスしている時は呼吸が深く・ゆっくりしているといわれます。

深い呼吸によって全身に「新鮮な気」「エネルギーである気」を行き渡らせることができます。

 

【くつろぐ呼吸法】

 

(1)口からゆっくりと、長く息を吐き切る

(2)口を閉じて、鼻から静かに息を吸いながら、心の中で4つ数えます

(3)息を止めたまま7つ数えます

(4)8つ数える間に口から息を「ふぅ〜」と吐きます

 

※これを4〜8回繰り返します

 

呼吸は「吐いてから吸う」が基本です。

深く、長く吐き切ることで体内の邪気が排出され、自然に新鮮な気がたくさん入ってきます。

 


呼吸を整えるといいタイミングは「朝」です。

朝(3-5時)は、漢方では陽の時間で、朝起きた時に新鮮な「気」を取り込むことで活発になります。

深い呼吸で取り込む新鮮な気で肺を元気に、私達を邪気から守る衛気をパワーアップさせていきましょう!

 

 

 

次回は、腸内環境の改善をしたい方へ

「毎朝すっきり快便!5~7時の過ごし方」

卯の刻(5~7時)の担当である大腸経とその時間帯の過ごし方についてです。

お楽しみに!