昨日16日は、キリスト教の祝日エピファニー(Epiphany):顕現日です。

現在もウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン大統領が、このロシア正教のクリスマスに合わせて一時停戦するよう国防相に命じたと報じられています。

 


顕現日とは、東方の三博士が生まれたばかりのイエスのもとを訪れ、「イエス・キリストが神の子として公に現れた事を記念する日」です。

この日の前日までがクリスマス節であり、クリスマスの飾りつけはこの日に外されます。

 

元は東方教会の祭りであり、イエスの洗礼を記念するものでありました。

4世紀に西方教会に伝わり、現在の公現祭(顕現日)となりましたが、西方教会ではイエスの洗礼の意味が失われ、

幼子イエスへの東方の三博士の訪問と礼拝が記念の中心となり、「異邦人に対する主の顕現」として祝われるようになったという経緯があります。

西方で公現祭(顕現日)が祭日として祝われたことを示す最古の記録は、4世紀のアミアヌス・マルセリヌスの361年の著作に見られます。

 

カトリック教会では一般的に16日に祝われる固定祭日ですが、現在の日本や米国などでは平日に信徒が教会に集まりにくいという社会事情にあわせて、

12日から8日までの主日(日曜日)を「公現の主日」として祝っているようです。

同協会では、公現祭(顕現日)のあとの最初の主日に「イエスの洗礼」を祝い、これをもって降誕節の終わりとしています。

 

他にも世界各地には公現祭(顕現日)に伴うさまざまな慣習があります。

ヨーロッパやアメリカ州のカトリック教会の信仰が盛んな地域では、豆や小さな人形、貴金属などを入れて焼いたケーキや菓子パンを切り分け、

この豆などが当たった人をその日だけ王とする習慣があるそうで、例えばフランスの「ガレット・デ・ロワ」などがこれにあたります。



この行事は、古代ローマの農耕神サートゥルヌスの祭り(サートゥルナーリア)に由来します。

 

また、スペイン語圏、ポルトガル語圏やイタリアでは、子供たちがプレゼントをもらうのは伝統的にはクリスマスではなく、公現祭(顕現)の日(16日)なのだそうです。

東方の三博士がイエスに贈り物をもってきたという聖書の記述に因んだ風習なんですね。