本日は、「啓蟄」。

 

陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也”(暦便覧)

 

土の中で冬ごもりをしていた生き物たちが目覚める頃。



うららかな春の光に沸き立ちます。

私たちの身体も冬眠から目覚めて、活発に動き始めます。

花粉症の方にはつらい時期ですね。

 

「啓」という字には、闇に光がさしてきて夜が明ける、という意味があります。



自然界はいよいよ春らしく、活動的になっていきます。冬ごもりをしない私たちにとって啓蟄は、冬の間に溜め込んでしまった老廃物を排出すべきタイミングになります。

 

西洋医学的には解毒といえば「肝臓」ですが、中医学でいう「肝」の働きとは、肝臓本来の働きである「血液の貯蔵、巡りを担当する」などのほかに、さらに「目や爪」など広範囲にわたっています。

中医学では春に高ぶりやすい「肝」は、「疏泄(そせつ)を主る」と考えられています。

疏泄とは、主に新陳代謝のような機能のこと。

全身の「気(エネルギー)」の流れをスムーズにすることで、精神を安定させたり、胃腸の働きを助けたり、血流を調節したり、といった働きを担っています。

 

そこで「肝の働き」が最も旺盛になる午前1時から3の時間帯までに就寝する(横になって休む)と良いと考えられています。

遅くまでの読書であったり、液晶画面を見続けて眼を酷使することは、「血(けつ)」を消費することになるので、注意が必要です。

できる限り早めに終了して、23時になる前に就寝すると、「目の充血」や「頭痛」「不眠」「情緒不安定」、「血圧上昇」の予防につながります。

 

春になって気温が一気に上がることで体内の「気」「血」「水」の流れが大きく変わり、それが自律神経を過度に刺激して身体が驚いてしまうため、「憂鬱」「イライラ」「月経不順」「しびれ」や「こむらがえり」などさまざまな症状が起こりやすくなります。

この時期は特に、のびのびと穏やかな気持ちで過ごしたいものですね。 

 

その他、春先は陰陽のバランスの崩れから「ほてり」「のぼせ」「のどの渇き」「不眠」「めまい」「イライラ」などの症状が現れやすくなります。

そのようなときには、酸味を控えめにし、春が旬の「セロリ、春キャベツ、タケノコ」や、「わらび」などの山菜、「春菊、菜の花」などの新鮮な葉野菜、「あさり、はまぐり」など、「肝」の働きを調節してくれる作用をもつ食材をとるとよいでしょう。