オーストラリアの専門学校で勉強していた頃の話。

午前中はバイトをし、仕事が終わるとその足で学校のある街中へバスで向かう日々だった。


ある時いつものようにバイトを終えた後バスへ乗った。乗車し、席が空いてないか見渡すと一番後ろに席が空いていたので座った。

後ろの席は5人くらい座れるシートで左端に男性が1人、右端には男性2人が座っていた。


暫くすると左端に座っていた男性が話しかけてきた。


「君はどこで働いてるんだい?」


私は「んっ?」と思い、知り合いかしらと顔をまじまじと見てしまった。

知り合いではなかった。


「この辺で働いてますけど??」


「あ〜、そうなの?見ない顔だなと思って。どの店?〇〇か、それとも✕✕か?」


すると右端にいた男性2人のうちの1人が、


「お前、失礼だぞ!」


と左端の男に向かって言った。どうやら3人とも知り合いのようだった。

私の事を娼婦だと思って(恐らくホントは娼婦だと思っていないが、からかってきた)どこのお店で働いているのかと聞いてきたのだった。


あ〜、そういう事ですか。感じ悪いな、この人と思いながら早くバスが着かないかなーと考えていた。


「ごめん、ごめーん。君がタイプだったから話しかけたかったんだ。」


白々しい…。


「連絡先交換しない?」


「しない。」


「さっきは失礼な言い方して悪かったよ。連絡先を交換して下さい。」


「しない。貴方は下品だし私の好みじゃないから。」


と言った途端、右端にいた2人が、


「ギャハハー!!」と笑い出した。


「そらそうだわなー。下品だからなコイツ。」

「正しい決断」


と言うとまた


「ギャハハー!!」と笑い、下品な彼も一緒になって笑った。バスが目的地へ着くと3人は


「バイバーイ」と言って降りて行った。


何なんだあの人達は…。