テレビ朝日の報道ステーションのスポーツコーナーで、「MLBマウンテン」なるものを作っている。
米国歴代大統領の顔を山に彫ったラシュモア山のように、歴代ホームラン王4人の顔を彫った山である。
これが最初に番組に登場した時から私は過ちに気付いていたが、いずれ訂正されるだろうと思っていた。
数ヶ月経った今も訂正される気配はない。
色々問題のあるテレビ朝日の更なる愚かさを象徴するものだ。
MLBマウンテンに彫ってある歴代ホームラン王は、バリー・ボンズ、マーク・マグワイア、サミー・ソーサそしてベーブ・ルースである。
本来なら、ベーブ・ルースの前にロジャー・マリスが入るべきで、そんな事はちょっと野球を知っている人間なら常識である。
ちなみに上位3人のうち、バリー・ボンズとマーク・マグワイアは薬物使用を認めており、サミー・ソーサも限りなく黒に近い。
サミー・ソーサはバットに細工をしていた疑惑もある。
米国では、ロジャー・マリスの放ったシーズン61本塁打こそが真のホームラン記録(True record)であるとも言われている。
その真のホームラン記録を大谷翔平が破るかも知れないのだ。
ベーブ・ルースは言うまでもなく米国の英雄である。
そのベーブ・ルースの記録を「破ってしまった」ロジャー・マリスは大変な誹謗中傷を受け、彼の記録は長い間「参考記録」に留められた。
ひどい話だ。
ロジャー・マリスの記録が公に出されるようになったのは、バリーボンズ達が次々と新記録を打ち立てて行ったからだが、一方でそれら新記録はほぼ全て薬物使用の結果であると言える。
大谷翔平が破るべきはロジャー・マリスの真のホームラン記録であり、薬物使用による記録ではない。
大谷翔平がシーズン61本塁打を放った時点で彼は大リーグ記録に並ぶのであって、しかしテレビ朝日のスタジオにはその真のホームラン記録を打ち立てたロジャー・マリスの顔はない。
薬物使用者の顔ばかりの「MLBマウンテン」を堂々と掲げ、真のホームラン王の存在を示さないテレビ朝日はそれを恥ずかしいと思わないのだろうか?
やっぱりこのテレビ局には根本的な欠陥があるね。
(選手の敬称略)