みなさん、こんにちは。
「住んでみたオーストラリア」の続きです。
前回は、オーストラリアの国旗についてお話ししました。
その中に7つの角がある七稜星があって、それが7つの州を表すのですが、今回は各州について書いてみます。
どんな州がある?
オーストラリアは7つの州から成り立っています。
色分けしてあるのが7つの州です。
首都はNSWにあるキャンベラですよ。シドニーと思っている方も多いのですが。。。
クイーンズランド州QLD
では、時計周りで右側の州から見ていきましょう。緑色のエリアです。皆さんも聞いたことがある地名が並んでいます。
ケアンズ・ブリスベン・ゴールドコースト~
ケアンズは、日本に近いので、飛行時間も8時間位で行く事ができます。グレートバリアリーフと呼ばれる美しいサンゴ礁が続く海が広がっており、ダイビングをする人にとっては最高のポイント。
グリーンアイランドという小さな島があるのですが、私が初めてオーストラリアに行ったのが、このグリーン島でのダイビングでした。一番印象的だったのは、ナポレオンフィッシュ!
結構大きいのですよ。人に慣れていて、近寄ってきたりします。
顔がね、ちょっと怖いです。
基本的に、じ~としている動物なので、抱っこされても寝たままだったりします。そんなのんびり屋さんですから、2019年~2020年にかけての森林火災では、かなりの数のコアラを失いました。
オーストラリアと言えばコアラ!というぐらい、オーストラリアを代表する動物ですが、2022年に絶滅危惧種になりました。
この森林火災をブッシュファイアと呼びます。QLDとNSWでは毎年夏になると自然発火の火災が起こる可能性が高く、あらかじめ燃えやすい草や枯れ枝などを人為的に燃やします。
高温で低湿の気候から「火災危険度」を表す看板があったりします。黄色からオレンジは要注意ですから、車の窓からたばこをポイ捨てなんてもってのほか!です。
ゴールドコーストやサーファーズパラダイスは、その名の通り、パラダイスですね。延々と続くビーチに、高層ホテルが立ち並び、サーフィンや、ウインドサーフィンなどマリンスポーツを思いっきり楽しめるエリアです。
ニューサウスウェールズ州NSW
続いて、紫色のエリアに移ります。
シドニーは本当に美しい街です。代表的なオペラハウスが右手に、左手にはハーバーブリッジ~を見ていると、誰でも「ここに住みたい」と思ってしまいますね。かく言う私も、1年間ワーキングホリデービザで住んでみました。
1988年1月15日のことです。シドニーに降り立つと、至る所に『200 Bicentennial』の垂れ幕がかかり、バスなどは華やかにカラーリングされていて、「200がどうした?」と思ったのですが、実は、シドニーにイギリスからの植民船団が上陸したのが1788年1月26日。ここからイギリスの植民地として開拓を始め、シドニーの基礎を築いたとされています。
それから200周年を迎えての建国記念日1月26日(オーストラリア・デー)のお祝い状態だったのです。この時は、街中が祝賀ムードだと感じましたが、実際にオーストラリアに住んでから歴史を学ぶと、必ずしも喜びの日ではなかったことがわかりました。
オーストラリアには先住民であるアボリジナルの人たちが4万年もの昔から住んでいて、突然1788年に植民地化が始まった。つまり、彼らにとっては、いきなりやってきた西洋人に家や土地を乗っとられた「侵略の日」となるわけです。
よって、1988年1月26日に、先住民と彼らを支持する市民による大規模な抗議デモがあったのですが、その時の私は気づきませんでした。この先住民に対する国の政策は、「白豪主義」を掲げ「ストールンチルドレン」といった悲しい出来事につながります。このお話はまた次回にお伝えしましょう。
シドニーは、日本の東京に当たる中心地です。オペラハウスがあるエリアは、オフィス街でもありますが、ランチタイムはハーバーブリッジやオペラハウスを見ながら芝生で過ごすことができます。
ランチの定番は「フィッシュ&チップス」白身魚のフライに細切りフライドポテト。このチップスを狙って、カモメが急降下して近づいてくるので油断は禁物。
ハーバーブリッジは、車と電車は通っていますが、歩いて渡ることはできません。ところが、「ハーバーブリッジを歩こう!」というツアーがあって、どこを歩くのかな?
橋の上に黒い点々が見えますか?そう!橋の上です!
もはやこれは楽しいというより、恐怖に打ち勝つ鍛錬の域に達しています。特に、この写真を撮った日は、風雨との戦いもあったかも。。。私は絶対に歩きたいとは思いませんが。。。
もう一つ、「ハーバーブリッジの下をカヤックで楽しもう」なんてのもあります。カヤックはオーストラリアの学校でも漕ぐ練習をするボートのような乗り物(?)ですが、それをフェリーやヨットが往来する中でツアーにしてしまうなんて、さすがオージーです。
カヤックって漕いだことありますか?1人乗りと2人乗りがありますが、いずれもバランスが重要で、簡単にひっくり返ります。
カヤックの練習は、ひっくり返った状態を元に戻すことから始まります。。。当然ずぶ濡れです!
本当にこんな危険なカヤックでツアーをするのか?と思い、調べてみたら、極めて安定性と快適性を重視したレクリエーショナルカヤックなるものが存在しました!
皆様どうぞ安心して挑戦してください。
ハーバーブリッジ側にロックスというエリアがあります。
まさに、ここにイギリス人が上陸しました!
石造りの建物や石畳の小道が残っています。
突然ですが、ケン・ドーンというブランド聞いたことありますか?
ここにケン・ドーン・ギャラリーがあります。
1988年当時は、日本でもとても人気がありました。オーストラリアらしい明るい色使いとユニークな絵柄で、アボリジナルの要素を取り入れたデザインもあり、オーストラリアを代表するデザイナーです。
さて、オペラハウスとハーバーブリッジがあるエリアを「サーキュラーキー」と言いますが、そこから対岸の「ノースシドニー」や東にある「ワトソンズベイ」に向けて、フェリーが出ています。
どんな人がフェリーに乗るのでしょうか?
観光客も多いのですが、通勤に利用している人もいて、私がワーホリ時代に働かせてもらった会社の方も、このフェリーを使ってノースシドニーから通勤していました。
毎朝、ヨットが爽快に走る姿やオペラハウスを見ながらの出勤とは。。。ストレスフリーの世界です。
私は当時、東の方にある「ボンダイビーチ」に住んでいたので、「サーキュラーキー」から「ワトソンズベイ」行のフェリーに乗ったことがあります。
目的のワトソンズベイに着くまでに3か所留まるので、時間はかかりますが、ゆったり観光には最高です。
この間に「ダブルベイ」というエリアがあるのですが、通称「ダブルペイ」(ダブルPay)と呼ばれる高級住宅街です。
高台にあり、遠くにオペラハウスとハーバーブリッジを眺めることのできる穴場的エリアです。
そこを通過して到着する「ワトソンズベイ」には小さな灯台とお洒落なシーフードレストランがあります。その名もDoyles!(Doyles on the Beach Restaurant ドイルズ・オンザビーチ) 地球の歩き方にも載ってました~(地球の歩き方ってもう使わないのかな~)ビーチが目の前なので、泳ぐ人、テラス席でおしゃべりする人、シーフードとワインを堪能する人。。。と様々な形で楽しめるお店です。
ワトソンズベイからの移動は、フェリーで戻っても良いのですが、ローカルバスの旅も面白いですよ。シティに向けてのバス(行先番号380だったかな?)が、「ボンダイビーチ」「クージービーチ」の前を通るので、適当に下車してビーチでのんびりできます。
観光案内のようになってしまいましたが、トラム(電車)の他にフェリーやローカルバスも良いですよ~の紹介でした。
シドニーの街には古い建物がいくつかあるのですが、有名なのは中世のロマネスク建築を彷彿とさせるタウンホール(市庁舎)とQVB(クイーン・ヴィクトリア・ビルディング)です。
QVBは以前はコンサートホールだったようですが、滞在時は既にショッピングビルになっていました。
フェラガモなどの有名ブランドからベネトンなどのカジュアル、またレザーやウールの専門店がありました。ウールは勿論Made in Australiaですね。レザーもオーストラリア製だったと思います。
赤やオレンジ、白といった日本では見ないような色もあり、白のジャケットを購入。
シドニーの冬は(6月~9月頃まで)とても寒くて、防寒対策をしていなかった為、現地調達した訳です。
あのジャケットどこに行ったのかな?白のレザーってシドニーでは違和感なかったのですが、日本に帰ってからはちょっと浮いてしまいました。。。
再度、シドニーに行く機会がありQVBに行ってみました。
外装はまったく変わらずでどっしりとしたロマネスク建築は健在。
しかし、中のショップは時代に合わせて変わってしまい、残念。
ベネトンにオーストラリア人の友人がいて、よく遊びに行っていたのですが、ペット用品ショップになっていました!
変化が大きかったのはフードコートができていた点。
種類も充実していて、イタリアン、インド、マレーシア、ベトナム料理やカフェ、SUSHIなどなど、お買い物や食事に便利です。
飲食店の多様化を意味するのは、移民が増えているということですね。1988年当時には感じなかったのですが、2005年に再訪した時、アジア人が多いと思いました。
特に、シドニーは韓国人が多かったかな。SUSHIのお店は、日本人ではなく、ほとんどが韓国人か中国人などのアジア系の経営です。SUSHIというのも、握りではなく、巻きずしの事。
韓国料理で、巻きずしに似たキンパってありますよね。オーストラリアでSUSHIと呼ばれている巻きずしは、キンパの方に似ているかも。
SUSHIは結構人気があり、オージーにとってはヘルシーと思われているのですが、具材がチキンやエビフライなどの揚げ物系が多く、ヘルシーかどうかわかりません。。。。
また、黒い海苔が苦手の人も多く、外側に巻くのではなく、裏巻きにして周りにはゴマを、といったものも見かけます。
2005年からオーストラリアに駐在していたのですが、学校の売店にSUSHIを作って届けるというボランティアをしていました。
作ってほしいと頼まれたのは、
左上が「サーモン&アボカド」右上が「エビフライ&きゅうり」
左下が「チキンナゲット」右下が「ツナコーン」。
このような巻きずし、日本にありますか?
話がそれましたね。
QLDには、首都キャンベラがあります。キャンベラが首都に選ばれた経緯は、国の政治的なバランスを考慮した結果です。
主要都市として、シドニーとメルボルン(VIC州)があり、中立的な立地条件を満たしたのがキャンベラだったのです。
よって、自然にできた都市ではなく、首都機能を持たせるために人口的に作られた計画都市だったのですね。
ちなみにキャンベラという名前は、先住民であるアボリジナルの言語で”出会いの場所”を意味します。
アボリジナルの言葉が使われている場所が他にもあります。
ワトソンズベイの帰りにバスに乗ると通る「クージービーチ」のクージーCoogeeはクジラの事を指すそうです。
現在は捕鯨大反対の国ですが、アボリジナル達はクジラを捕っていたのですね。日本語の「クジラ」に音が同じ事に驚きです。
もう一つ、エアーズロックの事を「ウルル」Uluruと呼びます。
ウルルはアボリジナルの聖地です。ノーザンテリトリー州(NT)にあります。ここについてはまた今度。
オーストラリアの先住民政策は傲慢な面もありますが、地名にアボリジナルの言語を使うなど文化や地名を残そうとした部分もあるのだな~と改めて思いました。
そう思ってNSWの地名を見ると「英語ではないなぁ。変わった地名だ~」と思っていたのが、意味を知ると納得。
いずれも聞き慣れてくると素敵な響きなのです。
●ウロンゴン(Wollongong 波の音の意)
●クーランガッタ (Coolangatta 美しい場所)
●カトゥーンバ (Katoomba 滝)
●パラマッタ(Parramatta 川の側のカエルがたくさんいる場所) ●ウァガ・ウァガ(WaggaWagga 多くのカラスがいる場所)
今回はここで終わりです。
では次回をお楽しみに~。
K.W.