"僕の部屋は僕を守るけど 僕をひとりぼっちにもするよね?"
- 銀杏BOYZ「ぽあだむ」
最寄駅から徒歩数分、築十数年の2DKの僕の部屋。
頼むから今夜だけは。
頼む、今夜だけは。
今夜だけは。
2023年はスタートからつまづいてばかりだった。
悪いことばかりが重なり僕は、唯一の拠り所である、僕の部屋に助けを求めるよりほかなかった。
少しだけいいこともあった。シラチャーソースという調味料があることを知った。
アパートの僕の部屋の冷蔵庫には、溢れるほどたくさんの調味料が並んでいる。
まるっきりファイト・クラブじゃねーか。
そして僕は今、寝転んでくつろげるカウチソファが欲しくてたまらない。
僕はこの部屋にいる限り、永遠に傷つくことなく、安全に暮らせるだろう。
ただし、僕はこの部屋にいる限り、永遠にひとりぼっちだ。
居心地の良い場所には進歩も成長もなく、そして何かを手に入れる機会もない。
僕の人生は僕により浪費され、停滞させされ、蔑ろにされている。
きっかけが欲しかった。
僕も同じように、自分の部屋に爆弾を仕掛け、外出している隙に木っ端微塵に吹き飛ばす必要があるのではと、時々本当にそう思っている。
僕はこの部屋に守られている。だけど、ここでは生きている気がしない。
僕はきっかけが欲しかった。
僕にはこの部屋を爆破することしか思いつかない。
早く、手遅れになる前に。