アジア主義者とユダヤ、朝鮮。 | 無駄話。

無駄話。

鬱病・適応障害持ちが書く与太話です。「下劣な党派心」による「あら探し」が多いので、合わない方はご遠慮願います。

 戦前のアジア主義者の日記「満川亀太郎日記」を買って、ざっと読みました。
 この本の解題を書いておられるC・W・A・スピルマン氏の「シュピルマンの時計」を読んで、興味を覚えたわけです。
 ロマン・ポランスキー監督の映画の原作者兼主人公の長男が日本人と結婚して戦前の右翼の研究をしている、というのは興味をそそられます。
 師の弟がドイツに住んでいて戦後ポーランドで出版された父親の回想録をドイツで復刻した本の英訳が出たのが、映画の元になったとの事で、ポーランド語からドイツ語に翻訳されて、それが英訳された本が日本語訳されたのでしょうか?かの映画の「原作本」にはドイツの詩人のヴォルフ・ビーアマンの解説が付されていますが、同じワルシャワ・ゲットーを描いた「滅ぼされたユダヤの民の歌」にも彼が解説を書いています。ドイツ軍の将校に命を助けられたユダヤ人の話と「人殺しの民族」に殺されたユダヤ人の詩集なので、読後感が違うのは当然でしょうが、同じ人が解説を書いているので頭がクラクラしてきます。
 「満川亀太郎日記」の口絵に満川亀太郎が朝鮮人と一緒に写っている写真が掲載されています。あの時代のアジア主義者にとって日本が植民地にしていた朝鮮を、どう思っていたのか、知りたくなりました。磯部浅一一等主計のように朝鮮の聯隊にいたら青年将校運動が出来ないから、と歩兵科の将校から主計官になったように、朝鮮は眼中になかったのでしょうか?
 張赫宙の「秘苑の花」に青年将校達が朝鮮について議論している姿が描かれていますが、彼等が朝鮮について、そんなに関心があったとは思えませんが。李王妃方子女王の「歳月よ王朝よ」にも同じ光景が描かれていますが、「秘苑の花」と同じ描写なので、下敷きにされているのでしょう。
 結構戦前の右翼の著作は復刻されているものです。