邦題:エクソシスト

68点。

 

きっと、人生の何処かで既に観たであろう、エクソシスト系の様式美と思われるこの映画を再確認せず、「ドント・ヘルプ」を酷評したのもどうかなと思い、再鑑賞。

おつむがお花畑(今もか)の世代に観たようで、内容をいろいろと思い違いしていたみたいです。

 

①ランカスター・メリン神父、イラク古代遺跡でパズズ像と相対す。

イラク北部での発掘調査でパズズ像の破片が発掘され、何か、メリン神父のシックスセンスが発揮的なシーン。音のソノリティ的なドキュメント風を吹かせます。

たっぷり映画開始から10分。ここ、イランだと誰かが言ってて、じゃあ、このシーンいらんやん。

 

ギャグにしか見えない、リーガンのアクロバティック階段降りのシーンが無い。

これは、2000年公開のディレクターズ・カットにて、オリジナル版ではカットされた一連のシーンと血を吐くCGを追加したとの事です。成程、私こっちを観たんですね。

年代的にも産まれていませんし。でも、わざわざ練習した覚えがあるんですが…。

 

てんてんてれん、てんてんててんてん♪ 「チューブラー・ベルズ」は怖いシーンで流れるやつ。

劇中でもそんな事ありませんでした。そもそも、曲名にもなっている楽器って、のどじまんの鐘の音です。加えて、マイク・オールドフィールド作曲、あの「ムーンライト・シャドウ」の原曲の人ですよ!

 

 

何と言う事でしょう。世にも奇妙な物語の「ガラモン・ソング」が如く、意図して人を不安にさせる目的で作っていないだろうに、音階及び金管楽器の残響音の組み合わせが悪さしたとは思うけど。何となく怖いイメージだけで嫌いになってしまってないかしら。

でもこれ、エクソシストで曲が売れたから、「ムーンライトシャドウ」が世界に在るとも言えるのね。

 

④当時の現代医学では解明出来ませんよ的な事を描く為のシーンは尺を取るのに。

全く描かれないけど、リーガンめっちゃ不憫。本人、寂し過ぎて西洋版こっくりさんに手を出しちゃう始末ですよ。父親は離婚して居ないし、母親は女優で多忙だから、お手伝いさんにお世話になっている。そんな境遇なのに、母親はわけわからん監督と新しい恋の予感とか、娘放ってホームパーティーとかするんでしょ。で、病院で只管検査の痛みに耐えるなんて。

 

悪魔の勝利。悪魔祓い自体は成功していない。

悪魔祓いって悪魔の名前が解らないと始まらないのに、劇中で判明していない。「40個の軍団の頭」の台詞自体が小物臭くて下っ端っぽい。時間も大層かけるものなのに、メリン神父は初日で退場ですよ。やっぱり冒頭、イラン!そりゃ勝てんわ。

バチカンの采配が、メリン神父死にかけた経験もあるし大丈夫じゃねみたいな緩ーい感じだったし。このバカチン!総じて、悪魔側の勝ちにしか見えないんだけど。

 

でもこれ、人によっては勝利なんですって。

 

信仰心を失くしかけたデミアン・カラス神父が、皮肉にも悪魔と相対した事で信仰心を取り戻し、最後は悪魔をその身で以て殲滅し、信仰に殉じたので勝利とか。カラス神父は劇中では登る描写のみに絞っているのも、天に上って行く視覚効果だとか。

 

その感覚の方が私にとってはよっぽど怖いです。