ディズニープラスで鑑賞。



フルCG。

登場人物が、アジア映画で見たことありそうな顔立ちのせいか、リアルさが増して違和感なく世界に入り込める。


全体に湿気多めな木々の色調もいい。


物語の主人公は、ラーヤという女の子。

父親とともに、かつて魔物から世界を救った龍の力が宿る石を守っている。


けれど、周辺の国は争いを深めている。

争う中で龍の石は割れてしまい、ひとつはラーヤが父から引き継いだものの、他のカケラは周辺の国に奪われてしまう。


自分が、間違った相手を信じたばかりに、

世界は分断を深め、父を失ったと感じているラーヤ。

父を生き返らせようと、古い書物を頼りに、かつて世界を魔物から救った龍シスーを甦らせる。

ところが、今度は石のカケラに加えてシスーを巡って争いが激しくなり。。。というお話。


日本語吹き替えのラーヤは吉川愛。

力強さも可愛らしさもあり、

子どもの頃の自分の判断を悔やみ続けている翳もあるラーヤ、素晴らしい!


そしてストーリーを抜群に面白くしているのはシスーの存在。

動きが本当に表情豊かで、キャラが濃い。

吹き替えの高乃麗の力もすごいし、日本語訳も超絶いい。

(妄想だけど、これ実写でやるとしたら

内田慈とか絶対いい)


とにかく、登場から最後まで、「クセ強ッ!」と笑いが止まらない。


助け合うとか信じる心が世界を救うとか、そういうテーマは、雑に言えば、よくあるよねって話。


でもこれは、相手を信じて、相手に自分の大切なものを委ねることができるか、というところまで踏み込んでいる。


ラーヤは超人じゃないし、信念を貫く強い子というわけでもない。

怒りに我を忘れるし、父を思えば涙が出るし、人を信じられないし、判断を誤った過去の自分を許せない。


そういう人間味いっぱいのラーヤが、

神様全開のおおらかなシスーと行動するうちに、

仲間を頼ったり信じられるようになっていく。


とはいえ、

長年の因縁ある相手に、全てを託して静かに祈ることができるか、と考えると、これはなかなか。


現実を思うと、世界が終わるというギリギリになっても、我々にはできる気がしない。。。


カラフルな龍が天を駆け巡るラストの爽やかさ美しさも気持ちよくて、

スクリーンで観たいなぁと今さら思う、良い映画だった。


吉川愛といえば、キントリ第3シーズンが強烈で、あれがきっかけで名前しっかり覚えた。

こっちも機会みつけて、また見たい。