こんにちは!

 

今日は前のブログで予告した、メンタルトレーニングについて書きたいと思います。

 

メンタル強くしたいと思っているスポーツ選手、そして指導者の方々にも読んでいただけたら嬉しいです。

 

長くなるので、読むのがしんどいなぁという方は先日メンタルトレーニングについて対談させていただいた動画を見てください。

 

 

さて、私はすっごく緊張するタイプでも無ければ、メンタルが弱いせいで試合の大事な場面で失敗したという経験もあまり思い浮かびません。

どちらかというと、試合中は堂々として見えるように(特に代表戦)、強い気持ちを持って試合に臨むよう気張ってます。笑

 

 

 

 

そんな私が今シーズン、メンタルトレーニングを取り入れたいと思った理由は二つあります。

 

1つは2019年の夏に、カーリングSC軽井沢クラブさんとそのアカデミー生のみなさんに向けお話をさせていただいた際、帰りぎわにある選手から、「試合中緊張してしまうんですが、メンタルを強くするにはどうしたらいいですか?」というような内容の質問を受けました。

この時私は何も良いことが言えませんでした。年齢が上がれば度胸が付くよとか、場数を踏めば慣れてくるよとか、そんなアドバイスにならない返事をしたのを良く覚えています。

カーリングという思いっきりプレッシャーがかかるスポーツに取り組んでいる若い選手に、完全なる根性論で答えてしまったことが引っかかっていました。

 

 

そしてもう一つの理由は、練習中に他の選手のプレー(特にポジション争いをしているライバル)を気にしたり、考え事をしたりと集中力を欠いてしまうことが以前に比べ増えたと思ったことです。

自分のプレーに集中したいのにできない。そのせいで更に考えすぎてしまいミスをしてしまう。頭の中に邪念のようなものがあり、自分の本来のプレーができていないことに気づきましたが、それにどう対処したらいいか分かりませんでした。

 

 

 

そんな時に大学時代の教育学部の同級生が博士課程でスポーツ心理学の研究をし、メンタルトレーニングを実践していることを知りました。

同級生といっても私は保健体育科、彼女は音楽科で、最初はそんな彼女が「どうしてスポーツ心理学?」と不思議に思っていました。

彼女の名前は大木美穂さん。

大学卒業後に単身でドイツに渡り、ピアニストとして、またピアノ教育者として活躍されていて、現在は「音楽家とパフォーマーのためのメンタルトレーニング」を様々な媒体で発信されています。

 

美穂さんはドイツの大学でスポーツ心理学からメンタルトレーニングを学ばれ、それを日本ではまだあまり知られていない音楽家のためのメンタルトレーニングという分野に落とし込み、研究・実践されています。

 

だから音楽科だった美穂ちゃんがスポーツ心理学を勉強していたのか!と説明を聞いて一気に納得しました。

 

そんな彼女にメンタルトレーニングを教えて欲しいと連絡をしたのが去年の9月。シーズン開幕の1か月前、ポジション争いが激しくなっていた時期でした。

 

音楽家の方々にメンタルトレーニングのレッスンを行っている美穂さんですが、スポーツ選手である私からのお願いにも即答でOKしてくれ、こうしてメンタルトレーニングが始まったのです。

 

 

そもそもスポーツの場において「心技体を鍛えること」が大事なのは良く知られています。

でも長い競技人生を振り返った時に、「心」を鍛える練習ってしたこと無くないか?と思いました。

きっと、厳しくてキツいトレーニングとか、長時間の練習に耐えること(もしくは指導者や上級生からの厳しい言葉に耐えること)が、スポーツ界では「心を鍛える」練習に置き換えられている気がします。

 

 

「強い気持ちでいこう!」と試合前に言ったりしますが、「強い気持ち」を育てる練習をしていないんです。

 

シュートが入るようにすることを目的としたシュート練や、コート上で全力で走り切れる体力をつけることを目的としたインターバル走などと同じように、心を強くするという目的を達成するための練習が必要で、それにもやり方があるということを学びました。

そして、スキル(=技)、フィジカル(=体)の練習はたっぷりするのに、心を鍛える練習はまだまだ根性論、精神論だと感じました。

 

メンタルトレーニングは、1回目から驚きの連続でした。

美穂さんとのセッションでは、自分が悩んでいることを相談し、それの改善策とトレーニング方法を提案してもらえます。

 

 

 

私が秋から取り組んだのは、自分の実力を発揮するためリラックス状態に持っていく「自律訓練法」の練習と、「自己肯定感を高める」練習。

 

まず、自分のパフォーマンスを最大限に出す状態がリラックス状態であるというのに驚きました。試合中はリラックス状態とは程遠い興奮状態にいるからです。

そしてリラックス状態に自分を持っていくための方法があることにも驚き、更にその練習は数分からでもできることなど、目から鱗の第一回セッションでした。

 

また、身近なところで言うと「イメージトレーニング」についても新しい発見の連続でした。

スポーツの場では良く、「明日の試合をイメージしてから寝るように」とか、「移動中にイメトレしとけよ」とか言いますが、そこにも「どうやって」の方法論が抜けています。

 

イメージトレーニングにも色々な方法があり、今の自分に必要なもの、合っている方法を美穂さんは提案して教えてくれました。

 

彼女のすごいところは、一つの悩みに対しての改善策が一つではないところです。

その場で複数の改善策とトレーニング法を教えてくれて、自分に合っているものを選んでトレーニングすることができます。

 

おかげで「心を鍛える」練習のやり方が分かり、自分でもトレーニングできるようになりました。

 

美穂さんの知識の深さ、引き出しの多さに「専門家ってほんとにすごいなぁ」と毎回感心し、尊敬が止まりません。

そんな大木美穂さんのHPです。

 

メンタルトレーニングの効果については、シーズンが中断してしまったこともあり、どのくらいパフォーマンスが上がったかははっきりは言えませんが、

練習前や試合前に自律訓練法を行うという、自分がリラックスするためのルーティンができ、また良いイメージを浮かべるイメトレのおかげか、あまり余計なことを考えすぎないようになったと思います。

自己肯定感を高めるのにはまだ時間がかかりそうですが、「心を鍛える」練習が日々できているということは自信につながっていると思います。

 

 

「練習は嘘をつかない」、とか、「あれだけ練習したんだから大丈夫」とか言いますよね?

それに心を鍛える練習も追加された感じです。

この安心感や自信はスポーツ選手にとって大きいのではないでしょうか。

 

心を鍛えたいと思ったことがあるスポーツ選手、また選手に強い心を持ってほしいと思っている指導者の方々、ぜひメンタルトレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか?

特にコロナ禍で通常の練習ができない今、心を鍛える良いタイミングなのかもしれません。

 

私は今後も美穂さんにサポートしていただきながらメンタルトレーニングを続けていきます。

いつかまた、カーリングSC軽井沢クラブさんにお邪魔して際には「メンタルはトレーニングできるよ!」と質問してくれた選手に伝えたいです。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました!