リンカーン【レビュー】これが政治だよ! 政治に全身全霊を掛けた生き方に感動を覚えずにはいられない | 編集者 福田清峰の I Love You

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「5年愛される本づくり、そして10年愛される本づくりへ」をモットーに書籍を編んでいます。
ゴルフとバードウォッチングにハイキング、山登り好きです。
そして写真、ライブに演劇、バレエ、映画鑑賞と美術館めぐりが大好きな編集者&カメラマンです。


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命をかけた政治をしている政治家がどれだけいるのだろうか?
日本で本物の政治家といったら、力を持っている人のことをいうのだろうか?

職を賭して……うんちゃらとか言った政治家がいましたが、それだけ現職にすがりつきたいのかと、この映画を観てしまうと、反吐(へど)が出る思いがします。

自らの命を賭けて“政治”をするのは、水からが政治生命を賭けて成し遂げようとする壮大な物語があるからこそです。

観てほしい映画だと思います。



リンカーン
原 題: Lincoln
製作年:2012年
製作国:アメリカ
日本公開:2013年4月19日
上映時間:2時間30分

監 督:スティーブン・スピルバーグ
キャスト:ダニエル・デイ=ルイス、トミー・リー・ジョーンズ、サリー・フィールド、ジョセフ・ゴードン=レビット、デビッド・ストラザーン


では、感想です(ネタバレあるかもしれません)。
ダニエル・デイ=ルイスさん、1957年4月29日生まれですから、ちょうど今日で56歳になられます。
今作品で、史上初の3度目となるアカデミー賞主演男優賞に輝かれています。
見た目にも、我々が歴史上の人物と知っているリンカーンにそっくりです。




そしてリンカーンの妻を演じておいるのが「ノーマ・レイ」と「プレイス・イン・ザ・ハート」で2度のアカデミー主演女優賞に輝いたサリー・フィールドです。
こちらも、実は見た目にそっくりに仕上がっています。




この作品を観るにあたっては、ちょっと予備知識があった方が良いかと思います。
下馬評にもありましたが、とにかく長い、眠くなるといった一部の批判票は、この物語の歴史的背景を知っていれば、少し緩和される様に思います。

キーワードは2つ……
・南北戦争
・アメリカ合衆国憲法修正第13条
です。

そして、そこに「家族」というキーワードが絡み合ってきます。




ちなみに、リンカーンがこれほどまでに家族と葛藤があり、悩んでいたと言うことはもちろん知りませんでしたが、アメリカで最も人気があるといわれた大統領が、これほどまでに一般市民と同じような、父親として、夫として、家族とぶつかっていたのかと思うと、その人間味に興味を抱かずにはいられません。

あのリンカーンが、夫として何を思い、妻に対して何をしてあげることができたのか、そして、何を否定したのか、それは父親としてのリンカーンについても同様です。




まずは南北戦争について。
リンカーンが1860年11月の大統領選で奴隷制に反対していたリンカーンが当選すると、奴隷制存続をうたう南部の州がすこしずつアメリカ合衆国を脱退して、最終的に11州がアメリカ連合国を建国してしまいます。
そして、1861年3月4日、リンカーンが大統領に就任すると、アメリカ合衆国にとどまった北部23州との間で4月12日にサムター要塞の戦いをもってアメリカ建国唯一の内戦となる南北戦争の火ぶたが切って落とされます。

つまり、リンカーンの大統領就任とともに南北戦争がはじまったといっても過言ではありません。




この映画の中で、こだわり続けるアメリカ合衆国憲法修正第13条です。
まず、このアメリカ合衆国憲法修正第13条はどんな内容かというと、端的には、犯罪を犯した者以外の奴隷制を永久的に廃止したアメリカ合衆国憲法の修正条項のひとつです。

奴隷解放を掲げたリンカーンにとって、最後の目標は永久的な奴隷制度廃止でした。
そのためには、4年も続いた南北戦争で多くの若者が死に、国民が疲弊する中で、目標が戦争終焉となりつつあることを危惧していました。
つまり、戦争が終わるなら、奴隷制はどうでもいいという人たちもいたということです。
ここは、リンカーン大統領2期目の話になります。

そのため、南北戦争の終焉が見えてきたところで、リンカーンは半ば強引に、アメリカ合衆国憲法修正第13条を可決することで、永久的な奴隷制度廃止を法律化してしまおうとしたわけです。

そのために、彼が率いる共和党が1枚岩になっても可決するには20票足りないと言うのが現実で、そこから、リンカーンが得意とする政治力が発揮されます。




リンカーン』、最も愛された大統領が世界を変えた28日間の物語です。
「すべての人に自由を」という壮大なストーリーを、叶わぬと思われた夢か幻を現実にしたアメリカ第16代大統領エイブラハム・リンカーンの生き様が、これでもかと描かれています。

ピュリッツァー賞作家ドリス・カーンズ・グッドウィンの同名ノンフィクション小説がもとになっています。
それをスティーブン・スピルバーグ監督が12年間も温めて、満を持して世に送り出しました。

台詞が多くて、字幕も難しいのですが、とにかく心が震えます。
ここまで人のために夢を抱き、貫く政治家がいたのかと。


妻だけではなく息子を含めた家族との葛藤を見事に描いています。
息子を戦争にやりたくない母親と、この先生きていく上でリンカーンの子どもだから戦争に行かずにすんだという人生はいやだという息子の狭間で、父として、当然ながら戦場には行かせたくないわけで、大統領権限で入隊を拒否するか、もしくは安全舞台への配置か……そんな葛藤もあるわけです。
そんな家族のことも含めて、誰よりも戦争を終わらせたいと願っていたのはリンカーン本人だったりするわけです。



そして、リンカーンは任期中に初めて暗殺されたアメリカ大統領となります。
そのシーンもわずかにあるのですが、ちょっと微妙すぎるくらい扱いが薄いです、
息子との葛藤も尻切れだったように感じました。
スピルバーグ監督が描く、親と子の葛藤、観たいですね。


トミー・リー・ジョーンズが演じるのは、タデウス・スティーブンスです。
この人物もすごい方だったようですが、トミー・リー・ジョーンズもさすがの存在感と演技を見せてくれています。




“government of the people, by the people, for the people”
インディアンとの問題には厳しく挑んだと言われるリンカーンですが、文句なしにすばらしい政治家だった言えるのではないでしょうか。

「人民の人民による人民のための政治」

日本の政治家にも、この言葉の意味を理解してもらいたいと思います。







リンカーン(上) - 大統領選 (中公文庫)
ドリス・カーンズ・グッドウィン 平岡 緑
4122057639 



リンカーン(中) - 南北戦争 (中公文庫)
ドリス・カーンズ・グッドウィン 平岡 緑
4122057647 



リンカーン(下) - 奴隷解放 (中公文庫)
ドリス・カーンズ・グッドウィン 平岡 緑
4122057655 


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