ファミリーツリー【映画】人生で見過ごしてしまったかけがえのない時間と本当の財産とは何か? | 編集者 福田清峰の I Love You

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「5年愛される本づくり、そして10年愛される本づくりへ」をモットーに書籍を編んでいます。
ゴルフとバードウォッチングにハイキング、山登り好きです。
そして写真、ライブに演劇、バレエ、映画鑑賞と美術館めぐりが大好きな編集者&カメラマンです。


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『ファミリーツリー』
原 題:The Descendants
製作年:2011年
製作国:アメリカ
日本公開:2012年5月18日
上映時間:1時間55分

監督:アレクサンダー・ペイン
原作:カウイ・ハート・ヘミングス
脚本:アレクサンダー・ペイン、ナット・ファクソン、ジム・ラッシュ
キャスト:ジョージ・クルーニー、シャイリーン・ウッドリー、アマラ・ミラー、ニック・クラウス、ボー・ブリッジス、ジュディ・グリア





この映画、すごくいいです!
ストーリーのベースは壊れかけた家族を父親が奮闘しながら立て直す…といった普通のものですが…。
この映画の面白さは、大きなどんでん返しも、ハラハラドキドキな展開も少なく、起承転結もしっかりあるのですが、すべてがわりと淡々と繰り広げられているところ。
だから、退屈する…のではなく、逆にその重みを否が応にも感じざるを得ません。
その重みからくるプレッシャーがドキドキさせてくれるなんて、ちょっとビックリしちゃいますよね。
心の内面をしっかりえぐってくれます。
だからすごいんです。



アカデミー賞脚色賞受賞。
作品賞、主演男優賞、監督賞、編集賞にノミネートされたのは、伊達ではありません。

 

こちらからなら、見たい放題です。




ジョージクルーニーさん、    1961年5月6日生まれですから、御年51歳になられます。
必死に走る姿、がんばなるお父さんを演じても、さすがにいい演技しています。
カッコいい笑顔を忘れずに、哀愁を漂わせるあたり、お見事です。




舞台がハワイというのも個人的には大歓迎。
何度か行ったハワイが懐かしくて、とても気持ちよく映し出されるところがあります。

この映画のテーマは2つです。
「人生で見過ごしてしまったかけがえのない時間」
そして…
「本当の財産とは何か」

ひとつの大木を育て上げるのが「家族」なのかもしれません。
でも、そんなことわかっていても実行できないのが、世の常です。

主人公のマット・キング(ジョージクルーニー)はオアフ島で弁護士をしています。
そして、カメハメハ大王の血筋を引く一族の土地を管理する権利者でもあります。
ハワイの法律では、引き継いだ土地を持ち続けることはできず、あと7年でその信託期間が切れるため、その土地を売ることにします。
ハワイのお金はハワイにと考え、ハワイの不動産屋さんに売却する方向で検討します。
売却すれば一族に大金が舞い込むことになります。


カウアイ島のこの広大な大地を受け継いでいます。


そんなある日、出張で3日(?)会っていなくて、そして半年(?)口を聞いていなかった妻がボート事故で意識不明の重体となります。

マットは当然のように、今まで家庭を顧みることも大してしなかった自分を反省し、妻が目を開くことを祈ります。
そして、10歳になる次女とどう接すればいいのかわからず、長女のアレクサンド(シェイリーン・ウッドリー)に助けを求めます。

ところが、妻が浮気をしていたということを長女から知らされます。
そして、妻が家庭を捨てる気でいたことを知ります。

目を開けることのない妻にマットもアレクサンドラも怒りをぶつけるシーンがあります。
このあたりのどうしようもない持って行き場のない気持ち、よくわかります。
でも、極力妻が望むであろうスタイルで送ってあげようとも考えます。
映画の中では、それほど苦しい葛藤シーンが描かれていないのですが、それもジョージクルーニーさんの包容力のある演技力によるものかと。
さらに、シェイリーン・ウッドリーさんの父親を徐々に受け入れていく演技が愛らしくて、たくさん葛藤しているだろう部分を忘れさせてしまいます。


シェイリーン・ウッドリーさん、1991年11月15日生まれですから、御年20歳になられます。



まだティーンエイジャーの面影も残る体つきと若さがみなぎる演技がたまりません。
そのかわいさはジョージクルーニーさんを持ってして「シェイリーンを養子に迎えたいんだ。彼女は20歳で賢い」と言わせしめるほどです。


一番左がシェイリーン・ウッドリーさん。

上の写真の一番右側はアレクサンドラの恋人(シド)です。
彼の若さ故にマットや妻の両親を気づけてしまうこともあるのですが、一緒にカウアイ島へ出かけ、妻の病室で時(とき)を過ごすうちに、阿吽(あうん)の呼吸で理解しあえるものが生まれてきます。


妻の延命装置を外さなくてはならなくなったとき、妻の両親は烈火のごとくマットに嫌みをぶつけます。

土地を売却すればマットやその一族には大金が入るのに、愛娘は死んでお金を手にすることもできないわけですから、やっかみも言いたくなるかもしれません。


マットとアレクサンドラは妻の浮気相手を突き止めに、休暇でカウアイ島に家族旅行しているところへ出向きます。
その浮気相手が、マットの一族が土地を売ろうとしていたハワイの不動産屋さんの部下だということを知ります。


浮気相手の奥さん役はジュディグリアさんです。
いつも脇役で存在感と品のいい大人の色気という存在感を醸し出しています。



ジュディグリアさん、1975年7月20日うまれですから、御年36歳になられます。
うーん、ファンになりました!


頭が混乱したまま、親族会議で土地の売却先が決まり、管理する権利を持っているマットがサインをすることになりますが、マットはハワイの人のためにも先祖から受け継いだ広大な土地を守れる方法を考えると、土壇場で契約をしないことにします。

そうです。
この映画が描こうとしたものは、大金といった類いの財産ではなくて、もっと大切なもの、大地に根を張り、揺るぎない信頼しあえる「家族」という大木を育て上げ、守り続けることこそが、財産なんだということです。


妻の浮気相手を捜すことで深まった父娘の絆ではありますが、がっちり支えあう喜びをつかんだ家族愛はもう揺るぐことのない大地に根付いた守るべき「ファミリーツリー」となったのです。
このときアレクサンドラの恋人シドはいません。
ひとつの家族として、ツリーになるということは、とても大変なことなのだと思います。
本来なら、真の意味で許されたものだけがファミリーツリーに交わることを許されるのでしょう。
他人同士が1つのファミリーツリーを作り上げていくって、すごいことなんですよね。
そんなことを、今さらながらに気づかせてくれました。




先祖から受け継いだ大地も、そして家族も、しっかり守っていくことが、ファミリーツリーなのです。

ファミリーツリーには「家系図」という意味があります。
先祖代々の土地を守ることもそうですが、大地に根を張り、しっかり枝を伸ばして太い1本の「木」を形成していくことこそ、真の財産なんだと痛感させてくれます。


ただ、「人生で見過ごしてしまったかけがえのない時間」のために、妻を失うことになってしまいました。
たまたま事故で死ぬことになってしまいましたが、生きていたとしても家庭を捨てる気でいたわけですから、失う運命だったのかもしれません。
1つのファミリーツリーを永遠に築くことはなかったのかもしれません。
ここ、難しいところです。


何が本当の財産なのかに気づいて、それを手に入れることができたら、なんて幸せなんだろうと、胸が詰まります。
その気づきが早ければ早いほど、人生はもっともっと幸せになれるのだろうと心がきしみました。


実は、細かい心理描写やテクニックもふんだんに盛り込まれています。
そんなこともたっぷり味わえる秀作です。

ファミリー・ツリー(ジョージ・クルーニー主演、第69回ゴールデングローブ賞受賞)
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