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画像はメイさんから頂きました。
「治療する医師は規定に従い、患者さんの体重や状態を考慮せず、増量処方を行っています。僕自身も高齢者施設で認知症医療を始めた当初、疑いもせず増量処方を行いました。すると患者さんの症状はよくなるどころか悪化し、怒りっぽくなったり幻覚が出たりする。周辺症状の悪化に対応するため、さらに向精神薬を投与すると、患者さんはほとんど寝たきりになりました。施設としては手のかからない状態ですが、これが最良の医療と言えるでしょうか」
このやり方に不信感を覚えた石黒先生が適切な治療法を模索するなか、出合ったのが「コウノメソッド」。名古屋フォレストクリニック院長の河野和彦医師が30年以上にわたる臨床経験をもとに、’07年に発表した認知症治療のメソッドだ。認知症中核薬と向精神薬を少量投与に抑え、副作用リスクを減らすのが基本で、希望する家族には保険適用外の薬剤の注射や点滴を行う。
「コウノメソッドでは、中核症状そのものではなく周辺症状を治します。周辺症状がなくなると、介護するご家族の負担だけでなく患者さんが感じるストレスも減る。すると散漫だった集中力が戻り、落ち着いて人の話を聞けるようになる。結果、中核症状である記憶力の低下などが改善するケースが多く見られます」
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石黒先生

現在、コウノメソッドを実践する医師は全国に約350人と、
まだまだ少ない。なぜ広まらないのか。
「認知症中核薬の増量規定によるところが大きいでしょう。じつは昨年6月、正当な理由があり、かつ、それを国保・社保が認めたときに限り、少量投与が可能になりました。しかし製薬会社と密接な関係を持つ大病院の医師の中には、これに異を唱える者もいます。その影響もあり、いまだ9割ほどの医師が、疑問を感じることなく“死の処方”を続けているのです。こと認知症に関しては、医師任せにしてはいけません。処方された薬の特徴、そしてどんな副作用があるのか、ある程度の知識をつけなければ。そして、コウノメソッドという治療法が選択肢としてある事実を知ってほしいのです」