『 天井からそれを見ている私。』
まるでマグロをさばくように自分が切り裂かれていく。
腰の右側が大きく切り開かれる。 どす黒い血が流れ出す。
゛ひどいものだ とても見られたものではない・・・・゛
骨盤が割れ 右足が骨盤からはずれている。
骨盤に穴を開けるいやな音。
太いボルトが差し込まれ 骨がつなぎ止められる。
゛ちょっとちょっと そんなことしていいの ?? 土木工事じゃないんだから゛
とても見られたものではない。あまりの残酷さに目をおおう。
・・・・・・・・・・・・・・・場面が転換。 ICU { 集中治療室 } 。
異様な姿。 頭も顔もミイラのように包帯でぐるぐる巻き。
足にはロ-プで重りがぶら下げられている。
腕はこれまでに見たことがないくらい大きなギブスで包まれている。
全身固定-酸素マスク-口鼻にパイプ。 腕には点滴。
あちこちからパイプが出ている。 血液と排尿のためか。
ベッドの横にはオシロスコ-プ 脳波か心電図を取っているらしい。
下半身から排泄用のパイプ。 電極とオシロスコ-プ。
思わず目を背けてしまう 姿。
まだ生きているのだろうか。 しかし動かない。
妻が医者から説明を受けている。
「 やるだけのことはやりましたが・・・・・・・・・」
― 妻が呼びかける。
『 お父さん 大丈夫 ? お父さん お父さん !・・・・・
・・・お ― 父 ― さ ― ん !!!!! 』
呼びかけは次第に大きな声になる。 最後は絶叫。
絶叫はたまらない - 特に家族の絶叫は堪えられない。
゛大丈夫 僕はここにいる 心配いらない これは夢なんだ゛
妻には聞こえていないようだ 伝わらない。
『 お父さん - お父さん - どうして ・・・・
・・・ ど う し て ー 』
゛聞こえているよ。 何か変なんだ 大丈夫だ 心配いらないってば゛
しかし通じない 伝わらない。

もういい もう見たくない。
・場面は転換
待合室で脅えているわが子に一生懸命呼びかける。
゛大丈夫 心配いらないよ 何か変なんだ。
あれはお芝居なんだ。 何かの間違いだからね。
これはきっと夢なんだ お父さんは大丈夫だよ すぐ帰れるから。
今日は 晩御飯は一緒に食べる日だからね 待ってるんだよ。゛
ああ・・・やはり通じない 手応えが無い。
