随分長い講演ですが、人間の死についてのよく分かりやすい
お話しです、ガンはけっして怖くはありません。
医療に対しての誤解など、最後まで聞いてください。

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    死は怖くないですか。
  がんで死ぬのが嫌がられているのは、痛みでのたうち回って死ぬと信じられているからでしょうね。でもがんは放置して何もしないと、かえって痛まないことがほとんど。これは私が勤務する老人ホームで長年見ていて分かったこと。徹底的に延命治療すると、結果的に非人間的な状態で亡くなります。昔はがんに限らず、皆穏やかに自宅で死んでいったんです。老人ホームの付属診療所長の内科医中村仁一さん(73)は、延命治療に頼りすぎずに自然な死を取り戻そうと訴えている。自ら「死ぬのはがんがいい」と宣言、数年前からあごの下にできている腫瘍の検査もしない。がんは放置すれば痛まないとも言う。その“過激”ともいえる主張の背景には死を考えることで、よりよい人生を送ろうとの哲学があるように思える。  人間は必ず死にます。いわば未決の死刑囚。だけど執行日は分からない。しかし、がんというのは執行日が近未来に決まる。人生の整理ができます。私たちはいろいろな人との関係で生きてきた。そういう人にお別れとお礼が言える。そういう死生観はお父さんの死から大きな影響を受けている。
  父親は20歳のとき、眼科医院で目薬と劇薬、塩酸か硫酸か分かりませんが、間違えて両目に入れられた。一瞬でじゅっ、といって失明した。その後何度も自殺を図ったみたいです。そして鍼灸(しんきゅう)院を開業した。私が高校2年の時に心筋梗塞で亡くなったが、死ぬ半年前から発作があってね。食道がねじれたかと思うくらい痛いらしい。翌朝はまた仕事。でも弱音、ぐちを言わなかった。発作が起きるともうだめだ、という絶望感を味わうらしい。そういう発作を週に何回もした。でも外には言わない。失明と自殺を何度も図った経験から、これは誰にも代わってもらうことはできないと知っていたんだろうね。その死にざまはおやじからの無言の遺産として受け取っている。