自己責任はどこに? | いっちゃんのひとり言

自己責任はどこに?

今回、消費者金融の最大手、武富士会社更生を申請することになりました。


私はこの問題につきまして、

日本は「弱者救済」という言葉が先行するあまり、「自己責任」の感覚が麻痺していると思うのです。


個別に借り入れた個人の意思と責任問題を追及することのない現状に、

果たして日本は大人の法治国家なのか?と疑問を抱かずにはいられません。


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20061月に最高裁の判決が下り、消費者金融の貸し出す上限金利を超えた部分については「過払い請求」ができることになり、民間同士で決めた契約が覆されてしまったからです。

最高裁判決以降、過払い請求が申請された場合には、消費者金融は全てに支払い義務が生じたのです。

最高裁で決められたことですから従うのは当然ですが、

私がおかしいと思うのは、

消費者金融大手は厳格に行政指導を守り、

いわゆるグレーゾーンが認められたかたちで業務を遂行し、利益に関しては納税という形で社会に貢献してきました。


過去に訴求するこの最高裁判決がなされて以降は、新たな行政指導がされる訳でもなく、今までの国が巨額の税金を徴収してきた消費者金融のビジネスモデルの全てが否定されたも同然となってしまいました。


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当たり前ですが、消費者金融は“ヤミ金”とはまるで違います。

ヤミ金の貸し方は、10日に1割の金利ならトイチ、10日に9割の金利ならトッキュウなどと呼ばれ、トッキュウは10,000円借りたら19,000円も返済しなくてはなりません。

このヤミ金は、今でも競馬や競輪場の前で水面下でやり取りが行われています。



そうした人たちが跋扈(ばっこ)している世界がある一方で、

消費者金融は財務者、金融庁の行政指導を受け、法的にきちんと定められた中で健全な貸し付けを行ってきたのです。

武富士を代表とする消費者金融の上場会社の台頭により、この世界からヤミ金が衰退していったのです。その功績は社会の秩序に変革をもたらしました。

最高裁の判決は、行政の指導通りに行ってきた貸し付けに対し、突然OBラインを変更されたのも同然なのです。

その勧告は、今までOBじゃなかった場所に、いきなり「ここがOBだ!」と言われたようなもの。

さらに、武富士が過払い金請求の支払いができなくなり、会社更生を申請せざるを得なくなったのならば、国は今まで徴収してきた税金を過払いに充てるべく返すのが妥当だと思います。


なぜなら、武富士が利益を上げ、国も武富士から多大な法人税等を徴収していたからです。

ルールを変更する前に取った税金は、ルール変更後に戻すのがフェアではないでしょうか。


会社経営が成り立たなくなった武富士に対し、「今まで徴収した税金分から未払い分を支払ってあげなさい」と国が云うのであれば納得できます。

武富士は創業者が残した資産、OBが築き上げた営業資産を売却しながらも、過払いに真摯に対応すべく、全社員一丸となって頑張っていたのを私は知っています。


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国も一緒にフォローもせず、一企業に責任を覆い被せるのはいかがなものでしょうか。一企業の経営努力では限界があります。


私は非常に疑問に思います。

方、お金を借りる人の「自己責任」も大事だと思います。


先月のブログでも触れましたが、そもそも借りた金は自分の責任において返す事が、人間としての基本中の基本です。


●返せないのなら、借りてはいけない

●金利を合意した上で、借りなければいけない

金利が高くて返済できないのであれば、借りてはいけない。自分の欲望を抑えることが大事なのです。

マスコミの論調では、生活に困って一時的にお金を借りた人ばかりにスポットが当てられていますが、そういう方も返せる範囲で借りなければいけなかったのではないでしょうか。

もし、消費者金融でお金を借りた人が、遊交費やパチンコ、飲食代などに使って、自己管理の甘さゆえに自己破産したとしたら……。

これこそ許し難い行為です。


改めて消費者金融の意義とは、銀行が決してやらなかった小口金融の貸し付けにあります。

担保を取らないとお金を貸さない銀行に対し、消費者金融は無担保で個人の保証で貸していました。

今回の規制では、年収の1/3までしか貸さないなど大幅な変更があり、私はヤミ金に走る人が増えることを懸念しています。

消費者金融という健全な機能があったにも関わらず、水面下にヤミ金が入ってきて、反社会的な勢力の収入源になってしまうことを恐れてなりません。



武富士を非難する前に、浪費をしている人の「自己責任」を問うことが先決です。その点をあいまいにしてはいけません!

国の規制変更によって企業が潰れてしまうというのは、資本主義において大変なリスクです。


武富士の会社更生法申請の問題を通し、

規制とリスクについて先月のブログに引き続き、問題提起をさせて頂きましたが、

今後の武富士は、東京地方裁判所の指導監督の下、債権者への少しでも多くの弁済額確保と事業再建を目指し全社一丸で取り組んでいくと思います。


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しかし、国も弁済額確保のために税金を返還すべきでしょう。

なくとも、最高裁の云う問題となった金利で利益を上げた分から徴収した税金分については。


それが我々民間の契約と民間の常識だと思います。

いつから日本には「自己責任」という言葉がなくなってしまったのでしょうか。


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