今回は文献の紹介ではなく、レジオネラ肺炎についての新しいトピックの紹介です。

レジオネラ肺炎は重篤な細菌感染症の1つであり、症状が急激に進行する事から迅速な診断と適切な治療が重要となります。レジオネラ肺炎の起因菌の多くはLegionella pneumophilaで、約7割を占めています。その中でも血清型1が約45%を占めています。

尿中レジオネラ抗原を15分で検出可能なキットが開発され、2003年4月より保険適用となりました。また2005年に日本呼吸器学会の成人肺炎診療ガイドラインに尿中レジオネラ抗原検査が明記された事で検査が頻繁に行われるようになりました。国内での症例報告はここ10数年で約10倍に増加しており、2017年は1700人程度です。現在、日本国内で市販されている尿中レジオネラ抗原迅速診断キットは4種類ありますが、基本的には全てLegionella pneumophila血清型1のみ検出可能である事が問題でした。結果が陰性でも、レジオネラ肺炎は否定できず、重症な肺炎では典型的な病歴や検査所見ではなくても、レジオネラ肺炎も念頭に置いた抗菌薬治療を行わざるを得ない事が多いです。

そのような中、今月1日に「リボテスト®️レジオネラ」という新たな尿中レジオネラ抗原迅速キットが旭化成ファーマから販売となりました。L7/L12イムノクロマトグラフィー法を使用しています。リボソームタンパク質L7/L12は全ての細菌が有しており、それぞれに特異的な領域をもつという特徴を有しています。その抗原を利用したのが、L7/L12イムノクロマトグラフィー法です。この方法によりLegionella pneumophila血清型1〜15全てが検出可能になりました。

偽陰性もあるようですが、血清型1以外も検出できるので、これまでのキットより優れていると言えますが、値段はより高いため、そのあたりが今後の課題になりそうです。そして抗原検査は補助検査で、病歴や検査所見からレジオネラ肺炎を疑った場合にはそのカバーを行うという考え方は変わらないと思います。