胃ろう : 朝食後用の薬の懸濁準備
パーキンソン病で胃ろうが造設されている要介護5のうちの親。
胃ろうから薬を注入する際には簡易懸濁して行うが、
やり方については各家庭で色々と違いがあると思われる。
私のやり方の特徴を挙げると以下のようなもの。
- けんだくボトルを使用。
親が入院していた病院ではけんだくボトルが使用されており、
実習でもそれを使って便利さを実感していた。
そして、ネットで探して購入。
- シリンジは白湯の注入のみに使用。
シリンジで薬を注入するとすぐに硬くなるが、白湯のみだと長く使用可能。
病院から支給されるシリンジが少数で済むのでかさ張らずゴミも減らせる。
- メネシットとマグミット以外の錠剤は粉砕してから懸濁。
普通の錠剤は結構溶けにくく、溶けてないと詰まりやすい。
予め粉砕しておくことで非常に短時間で溶かすことが可能。
粉砕の方法も色々あるが、私は分包用の袋に入れた状態で2種類のペンチで粉砕している。
以下の写真は現在の朝食後用の薬。
メネシットとマグミット以外の錠剤は粉砕し、エブランチルカプセルは脱カプセルしている。
この作業はラコールの40kPa注入中(約10分間)に行っており、ラコールの50kPa再加圧中(約5分間)に懸濁を行っている。
メネシットの分包袋には1.5錠が入っており、0.5錠側が小さくなるようにハサミで切っている。
そして大きい側に脱カプセルしたエブランチルを入れている(こぼれにくいようにしている)。
なお、メネシット1.5錠のうち1錠はラコールの前に注入済み。
ノウリアスト、ダイアート、リクシアナ、エブランチルカプセルが入った分包袋は半分に切って
ノウリアスト+ダイアートとリクシアナの2つに分けて粉砕している。
ノウリアストは外側の黄土色っぽい部分が硬くて結構溶けにくい。
リクシアナはOD錠なので念のため軽く砕いている程度。
朝の注入には3本のけんだくボトルを使用しており、
下の写真の左半分と右半分は別々のけんだくボトルで懸濁している。
左側は便秘と排尿障害用、右側はパーキンソン病用等。
残り1本のけんだくボトルはアミティーザカプセルを懸濁している(ラコール注入開始後すぐに熱湯で懸濁開始)。
ちなみに、以下の理由でけんだくボトルは3本必要。
- アミティーザカプセルは溶けにくい。
通常の錠剤はお湯に水を入れて適温にしてから懸濁するが、アミティーザカプセルはそのままお湯で懸濁している。
それだけではなかなか溶けないので何度もゆすって溶かしている。 - メネシットとマグミットは別々に懸濁する必要がある。
最初にメネシット1錠の注入に使用したけんだくボトルでメネシット0.5錠等を懸濁する。
しっかり洗浄していなかった場合、マグミット等を懸濁すると薬効には影響はないが色はかなり黒くなる(大建中湯の茶色がこげ茶色になる感じ)。
また、詰まりやすさを軽減するためにエブランチルとアスパラカリウム散も別のけんだくボトルに分けている。
なお、エブランチルは粒状のまま注入しているので分けてても詰まりやすく、詰まりかけたら無理に押し込まず引いてみるといい。
注入のコツとしてはけんだくボトルをかなり斜めに傾けて小刻みに振りながら粒剤が一気に流れないようにするのがいいみたい。