「もうそんなに頑張れないな
」。
そう思い始めた40代目前の私に、よりによって「プロジェクトリーダー」
という役目が回ってきました。
本当は、いつ組織を離れても大丈夫だと思っているこの身で、なぜ私が組織維持のための企画を率いなければならないのか?
この不本意な役割と、すでに資産形成が終わった「マイペースな人」
としての私が抱える、ねじれたジレンマを、等身大の言葉で書いていこうと思います。
目次
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なぜ「やる気ゼロ」なのに仕事が早く終わりたいのか
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上司との面談で感じた「情報の壁」とリーダーのモヤモヤる
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「経済的自立」の思考:ストレスなくタスクを終わらせるために
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マイペースなリーダーが変えるもの:非効率の排除へ
なぜ「やる気ゼロ」なのに仕事が早く終わりたいのか
私の仕事のスピードは、「やる気」や「組織愛」から来ているわけではありません。
むしろ、「無駄な時間を徹底的に排除したい」
という、極めて個人的な理由、つまり自分の時間を死守したいという思いから来ています。
私が管理する装置は、トラブルがあれば即時対応が必要です。
また、子供が小さかった頃は、突然保育園から呼び出し
をされることも多く、仕事を「ためない」で、早く済ませる習慣が、自然と身についてしまいました。
この習慣が、今のの仕事に対する姿勢の基本です。
AI時代の「超速」仕事術:議事録は会議後30分で完了
ここ最近は、生成AIを徹底的に活用し、作業の速度と精度を極限まで高めています。
- 議事録作成: 会議の録音データやメモから文字起こしをして、Geminiを使えば、30分後には実用レベルの議事録が完成します。
- タスク処理の徹底: 他部署の人が1〜2週間かけているような、データ集計や資料作成も、AIと連携すれば1日あれば片付いてしまうことが少なくありません。
この結果、周囲からは「何でもさっさと片付けてしまう人」というイメージで見られているようです。
これは、私の効率化への考えの結果ですが、同時に、さらなる仕事を呼び込み、自分の時間を守りたいという本来の目的と矛盾
するという、皮肉なモヤモヤを抱えています。
致命的な欠点:「仕事を頼みにくい」プロジェクトリーダー
しかし、このスタイルは、プロジェクトリーダーという役割において、一つ大きな壁となります。
「自分でやった方が、説明して、調整して、進捗を待つより、ずっと早い
」
これが、私の本音です。
プロジェクト内に熱心な人、普通の人、少し消極的な人がいるのはわかっています。正直、いちいち煩わしい調整やモチベーションの維持にエネルギーを使うくらいなら、自分がスパッと終わらせたい。その方が、精神的な負担が少ないのです。
この「自分で抱え込む」姿勢はリーダーとして理想的ではないかもしれません。しかし、「無駄を極端に嫌う」「完璧よりも7割の質で早く終わらせる」という、私の合理的な価値観からすれば、当然の行動原理なのです。
上司との面談で感じた「情報の壁」とリーダーのモヤモヤ
そんな中、私は課長と、プロジェクトの今後の体制に関する面談を行いました。プロジェクトのメンバー構成を変える必要があるという話になり、「新しいメンバーを補充したい」ということになりました。
その際、課長は私に人選を一任してきました。
「過去にトラブルがあったかもしれない」「健康上の懸念があるかもしれない」。![]()
組織の裏側や個人的な背景を、私は知る由もありません。この状態で人選し、後で問題が起きたら、それはリーダーである私の責任になる。
私は課長に「判断に必要な最低限の情報だけは共有してほしい」と訴えました。具体的なプライベートな話は不要です。
「最低限のリスク情報」が欲しい。
そうでないと、新しい人も、既存メンバーも、そして私自身も、余計なストレスを抱える
ことになるからです。
課長からの「責任を押し付ける返答」への違和感
しかし、課長は私に責任を負わせるような、少しズレた言葉を返しました。
「それはね、プロジェクトリーダーとして、あなた自身が『人選に必要な情報』を積極的に掘り起こして確認しないとダメ
じゃないですか」
「自分で掘り起こせ」? 組織の人事や健康状態という、管理職しか知り得ない情報を、どうやって私が自力で集めろと言うのでしょう。
情報を握ったまま、判断だけを丸投げし、失敗したら現場のリーダーのせい。
「情報は与えないが、リスクヘッジはしろ。ただし、ミスは許されない」と言われているに等しい。
この不公平な構造に、私は強いストレス「それってどうなの?」という冷静なモヤモヤ
を感じました。
「経済的自立」の思考:ストレスなくタスクを終わらせるために
私の頭の中には、「組織にどう思われようと、自分の時間と健康が最優先」という、極めてドライな考えがあります。
なぜなら、私は今、「依存しない」という強い立場
にあるからです。
私が「マイペースなリーダー」である決定的な理由
私の「やる気ゼロ」の姿勢や7割でいいという考えの根底には、確固たる経済的基盤があります。
私はすでに目標資産額に達し、資産形成が完了しています。
つまり、この組織の給与や地位に依存する必要が全くない
のです。
いつでも辞めてもいい、この組織がなくなっても私の人生に大きな影響はない。だからこそ、組織のルールや慣習に縛られず、合理性のみを追求できるのです。
- 完璧を求めない: 7割の出来でOK。無駄なことは「やめましょう」とはっきり言える。
- 恐れるものがない: いつでも辞められると思っているため、組織の不合理な慣習に冷静に異議を唱えられる。
課長への冷静な業務連絡:判断を構造的に突き返す
この経済的な自由があるからこそ、私は課長に対し、感情論ではなく、純粋な業務上の論理で判断を構造的に突き返すことができます。
「つきましては、プロジェクト内で新しくメンバーになっていただきたい方を決めて、課長にお伝えしますので、
課長から対象者にご連絡をお願いできますでしょうか。」
必要な情報を握り、リスクを判断できる立場にあるのは課長です。
その情報を私に与えないというのなら、人選に関する調整のストレスも、万が一の判断ミスも、全て課長が負うべき業務です。
私は、自分の判断ミスによるストレスを、課長に業務として切り分けました。
私のリーダーの考えは、「自分の人生の時間を無駄にしないため、無駄を徹底的に排除し、AIと効率化を駆使して、誰よりも早く最低限の結果を出す」という、極めてドライで実用的なものです。
この考えは、この組織でどこまで通用するのかわかりませんが、自分の時間とエネルギーを守るために、抵抗はしていこうと思います。
マイペースなリーダーが変えるもの:非効率の排除へ
今回の課長との話で、「情報が足りないこと」、つまり「不確実性」こそが、プロジェクトがスムーズに進まない一番の原因
で、ストレスも溜まるんだと強く感じました。
上層部が肝心な情報を握ったままで、現場のリスク回避に必要な判断材料をくれないのに、失敗した時の「責任」だけを現場に丸投げするのは、組織全体の動きを止めてしまう構造です。
これからは、無駄な感情論は避けて、冷静に物事を整理しながら、筋の通った主張はしっかり伝えていきたいと思っています。