昨日、中1の長女が学校の宿題
で、親戚や身近な人の中で働いている人にインタビューをするという課題を持ち帰りました。
将来を考える上での参考にするための宿題で、提出は来週の月曜日とのこと。
娘がインタビュー相手として選んだのは、私の姉の夫、つまり娘にとっての「おじさん」でした。
娘はまだ自分のスマートフォンを持っていません。
そのため、私のスマートフォンを使ってLINEでお願いのメッセージを送ることに。
私は、ただ単にメッセージを打つだけでなく、
「相手に失礼なく、意図がしっかり伝わるように、文章を整えること」![]()
の重要性を教えたいと考えました。
そして、この機会こそ、GoogleのAI機能「Gemini(ジェミニ)」を効果的に使う方法を教える絶好のチャンスだと閃きました。
目次
-
ステップ1:音声入力で「思いのまま」を文字に起こす
-
ステップ2:Geminiの「Canvas機能」で文章を構成・調整する
-
ステップ3:最終調整と「Keep」を活用した送信
-
テクノロジーがもたらす学習と効率化
ステップ1:音声入力で「思いのまま」を文字に起こす
まず最初に取り組んだのは、文章の「たたき台」作りです。
キーボード入力は時間がかかり効率が悪いと考え、Google ドキュメントの音声入力機能
を使うことにしました。
(Geminiに直接音声入力もできるのですが、たまに入力の文章が消えてしますので、この方法を取っています)
- Google ドキュメントを開く
- ツールメニューから音声入力を選択し、マイクを起動
- 娘に「私に話すのと同じでいいから、おじさんにお願いしたいことを、思ったまま話してごらん」と促しました。
この段階では、文法や構成は気にせず、とにかく伝えたいことを「羅列」として入力することがポイントです。
娘は以下のような内容を、会話形式で音声入力しました。
「学校の宿題で、親戚の人で自分が興味がある仕事をしている人にインタビューをしなければいけない宿題があります。それをインタビューしたい人はおじさんなんです。今週の土日で時間がある時でいいんで、Google Meetでそのことインタビューしたいんですけど、時間ある時教えてください。」
ステップ2:Geminiの「Canvas機能」で文章を構成・調整する
音声入力でできた文章を、今度はGeminiに渡し、正しい日本語で、相手に伝わりやすい文章に「校正」してもらいます。
- ドキュメントに音声入力された文章をすべてコピーします。
- Geminiに「以下の文章を校正してください。」という指示とともに、コピーした文章を貼り付けます。
- ここで私が教えたかったのが、Geminiの「Canvas」機能です。
Canvas機能の魅力:ニュアンスと長さを自在に変える
キャンバス機能で面白いのは、ただ文章を校正するだけでなく、トーン(ニュアンス)と長さ(文章量)を調整できる点にあります。
- トーンの調整(ニュアンス):
非常にカジュアル
よりカジュアルに
標準(普通の丁寧語)
よりフォーマルに
とてもフォーマルに
- 長さの調整(文章量):
非常に短め
短め
元の文章のまま
長め
非常に長め
今回は身内への依頼なので、「よりカジュアルに」「短め」が良いだろうと娘に説明しました。
娘に「よりカジュアル」で試させたところ、「ちょっとゆるいかな?」という感想が。このように、自分で試してニュアンスの違いを体感することが、この機能の素晴らしい学習効果です。
「よりカジュアルに」「短め」でこんな感じです。
「おじさん、急にごめんね!
学校の宿題で、興味ある仕事をしてる親戚にインタビューしなきゃいけなくて。
だから、おじさんの仕事のことをGoogle Meetで30分くらい聞きたいんだけど、どうかな?
今週の土日、おじさんの空いてる時間でOKだから、都合のいい日時をいくつか教えてくれると嬉しいな!
無理のない範囲で、よろしくね!」
爆笑体験:極端なトーンでの遊び
ちなみに、遊びで「すごいカジュアル」
に設定して出力させてみたところ、
「おじ!オス!実はさ、学校の宿題でさ、面白い仕事してる人にインタビューしなきゃなんないんだわ。んで、それがおっさんなんだよね。今週末の土日どっちかでいいから、Google Meetでちょこっと話せない?時間わかったら教えてくれよな!」
という、あまりにもフランクすぎる文章が出力され、二人で大爆笑
しました。
「こんなの送ったら、おじさん『どうした!?』って心配するに決まってる!」と。
この極端な例を知ることで、「TPOに合わせた言葉遣い」の重要性を、体感として学ぶことができました。
ステップ3:最終調整と「Keep」を活用した送信
最終的に、標準に近いトーンで構成された文章をGoogle ドキュメントに貼り付け、挨拶の言葉(「こんにちは」や「〇〇です」)や、インタビューの具体的な目的、結びの言葉などを手動で微調整しました。
完成した文章は、私が普段から使用しているメモアプリ「Google Keep」に貼り付けました。(パソコンでKeepに文章を張り付けておけば、スマホのKeepアプリからコピーしやすいので)
- 完成した文章をすべてコピー。
- Google Keepに新しいメモとして貼り付け。
- スマートフォンでKeepアプリを立ち上げる。
- Keepから文章をコピーし、LINEアプリのトーク画面に貼り付け。
- 最後に絵文字を少し添えて、送信。
以下の文章を調整して送ったLINE文章です。
「おじさん、こんにちは。![]()
学校の宿題で、「親戚の人の仕事のインタビュー」があるため、おじさんの仕事についていくつか質問させてください。
今週末の土曜日か日曜日のどちらかで、インタビューのためにお時間いただけませんか?おじさんの都合の良い日にちと時間を教えてください。
よろしくお願いします。
」
テクノロジーがもたらす学習と効率化
通常であれば20分程度かかるであろう文章作成と校正の作業が、音声入力とgeminiの活用で、わずか5分以内
で完了しました。
この経験は、単なる宿題の手伝いにとどまらず、娘にとって貴重な学びの機会となりました。
- 効率化の体感:音声入力とAIによる校正が、いかに作業を早く終わらせるかを知った。
- 言葉のニュアンス:「カジュアル」「フォーマル」といったトーンの選択で、相手への伝わり方が大きく変わることを実感した。
- テクノロジーへの興味:ゲームだけでなく、GoogleのドキュメントやKeep、そしてGeminiといった「実用的なツール」の面白さに触れるきっかけになった。
私自身、普段からGeminiのプロンプト作成やGoogle Workspaceの機能(Docs、Sheetsのマクロなど)を仕事で活用し、その効率の良さを日々実感しています。
しかし、子どもにとってこうした機能は「きっかけ」がないと使わないものです。
今回の宿題という日常のタスクを通じて、最新のAI機能を実践的に教えることができ、親としても非常に面白い経験となりました。
この機能を教えた後、長女はGeminiのCanvas機能を使って「もし、こんな文章をこんなトーンにしたらどうなるかな?」と、自ら試して遊んでいました。
知識として知るだけでなく、実際に使ってみることで、テクノロジーを自分のものにしていく姿を見て、その重要性を再認識できました。