こんにちは!
私は2年間、長女の小学校でPTA
を担当しました。
1年目は委員、2年目は副会長として活動する中で、心をすり減らしたのは「役員探し」でした。
今回は、その過酷な役員探しを通して見えてきたPTAの現実と、誰もが嫌がる見えない重圧
の正体についてお話しします。
目次
-
PTAは「自動入会」が当たり前?現代社会とのミスマッチ
-
私の秘策「Googleフォーム」
-
PTAという組織の“見えない本質”と、心身の疲労
-
誰もが嫌がるPTAの矛盾
PTAは「自動入会」が当たり前?現代社会とのミスマッチ
PTA役員になるまで、私はPTAが小学校への自動入会
であることすら知りませんでした。
長女が高学年になり、突然、役員選出の案内が届いて初めてその実態を知ったのです。
まるで不意打ちで「罰ゲーム」に参加させられるような、得体の知れない不安に襲われました。
私の住む地域の小学校には、いくつかの「暗黙のルール」がありました。
- 在学中に1回は役員を経験する:
兄弟がいる場合は、その人数分をこなすことが求められる場合もあります。
- 「2年任期」を経験すれば免除:
2年間連続の任期を一度でも終えれば、その後は役員をやる必要がなくなります。
私はこのルールのおかげで、長女の時に2年任期を終え、もう役員をやる必要はありません。
しかし、この「免除」という言葉が物語るように、PTAが多くの人にとって義務や苦行
であることは明らかです。
公立の小学校、特に地方では、本当にさまざまな家庭があります。
シングルマザー、単身赴任、ステップファミリー、さらには外国籍の保護者の方など、昔では考えられなかったほど多様な背景を持つご家庭が増えています。
それぞれが独自の生活スタイルや事情を抱える中で、「みんなで協力して当たり前」という旧来のPTA体制は、もはや機能不全に陥っているように感じます。
私の秘策「Googleフォーム」
私が1年目の役員だった時のことです。
次の1年任期の役員候補を、長女と同じ学年の保護者から探す役目がありました。
9人の候補者のうち8人
に引き受けてもらう必要があり、たった1人しか免除できないという、まるでサバイバルゲームのような状況でした。
以前は、自宅へ直接訪問して説得したり、自分の電話番号を連絡先として載せてお知らせ状を送ったりする方法がとられていました。
しかし、訪問すると直接罵倒
されたり、電話では感情的なやり取りをすると聞き、私は恐怖を感じました。
できる限りそのような被害は避けたいと思い、ある方法を考えました。
それは、QRコード付きのお知らせ状を郵送し、Googleフォームで役員引き受けの可否や辞退理由、連絡先を記入してもらう
方法です。
これなら直接話す必要がなく、文章でのやり取りができ、言った言わないのトラブルも減り、暴言を直接受けることも避けられるというメリットがありました。
ほとんどの人がスマホを持っている中、最適な方法でした。
しかし、この現代的な「秘策」でも、トラブルは避けられませんでした。
ある単身赴任中の旦那さん
から、Googleフォームで回答がありました。
奥さんとお子さんは地元で暮らしていて、小学校に通っています。
なぜか奥さんではなく旦那さんから、しかも「絶対にやらない」という強い意志と、PTAへの不満を羅列した、とても長い内容でした。
PTAという組織の“見えない本質”と、心身の疲労
私は、
「PTAは強制ではありませんが、皆さんに協力していただかないと運営が成り立ちません」![]()
と返信しました。
すると、さらに長いメールが返ってきたのです。
「PTAは強制ではない」「自分は忙しい」「子供がスポーツをやっているから特別扱いだ」など、言い訳の羅列は100行以上にもわたっていました。
本来なら、
「PTAが強制ではないなら、文句は私ではなく学校に言ってください。あなたの住所は、学校からPTA役員選出の対象者として提供されたものですよ」
と返すこともできたと思います。
しかし、これ以上のやり取りは精神的に疲弊し、万が一、自宅に乗り込まれたらという恐怖
もあり、私はそれ以上のやり取りをやめることにしました。
この件で私が最も理不尽に感じたのは、PTAが「次期役員選出」という責任を、現役員に丸投げしているという事実
です。
学校から保護者へ直接PTA役員の強制をするのではなく、現職のPTA役員に次期のPTA役員選出の強制をかけている。
このおかしなシステムこそが、保護者間のトラブルを生む温床になっているのです。
結局、この件は免除対象の最有力候補だった「複数回経験者」の方にお願いして引き受けてもらうことで解決しました。
まったく知らない方にご納得いただくために、文章を綿密に考え、わざわざご自宅まで伺って説明しなければならず、心身の疲労はとてつもなかったです。
誰もが嫌がるPTAの矛盾
PTAという組織は一体何なのだろうか。
誰もが嫌がるのに、なぜ存在するのか。
この疑問は、PTA役員を務めた2年間、常に私の頭の中にありました。
活動中はストレスが溜まり、家庭でもピリピリしてしまい、悪影響を与えていたと後悔しています。
PTA活動は、私の心身を蝕み、本来の穏やかな日常を奪っていました。![]()
実際の主な活動は、年に5回程度の土曜日の午前中に行われる常任委員会、夏休み期間中の草むしり、運動会や授業参観時のサポートなど、限られたものでした。
ほとんどのことは教師が先導していたので、PTA役員が主体的に何かをすることはほとんどありませんでした。
家庭の事情などで忙しければ、参加しなくてもよく、常任委員会は委任状を提出するだけで出席はしなくてもよかったのです。
常任委員会は、事前に教師の中で決められたことの報告がメインで書類を読み上げるだけ。
結局、私のPTAの仕事の9割以上は次期のPTA役員選出でした。
私が選んだ役員の中にはPTA活動に参加しない人もいました。学校側もそれで構わないというスタンスだったのです。そんな感じで、出席率は常に5割程度で、本当に意味がないなと思いました。
結局のところ、学校がPTAに求めているのは、主に「外部の講演会に出席してくれる役員」なのではないか、と私は感じています。
学内での活動は、それほど大きな負担になるものではありません。そして、多くの保護者が役員をやりたがらない。
もし本当に外部の活動が目的なら、それに特化した少数の役員だけを選出すれば良いのではないでしょうか。
今のPTAは、形式的な建前のためだけに、多くの人を巻き込んでいる
ように感じてなりません。
私自身、1年目は委員として常任委員会等に出席していただけでした。
2年目に副会長として外部の講演会に一度だけ参加しましたが、車がないと行けないような不便な場所で、「これもなんだかな」と思いました。
そんな感じで役職がなければ、本当にやるべきことはほとんどありません。
PTAは、本当に必要な活動を見直し、誰もが納得できるような形へと変わっていくべきと思います。
この無駄な負担が、保護者から笑顔を奪っていることに、違和感しか感じられません。
他のPTA関係の記事はこちらです。
