こんにちは!

今から約20年前、私が新卒で会社に入ったばかりの頃。

信じられないくらいぶっ飛んだ職員がいました。
彼はまさに、団塊世代そのものを体現しているような人でした。

団塊世代とは、第二次世界大戦後のベビーブーム期(1947年〜1949年)に生まれた世代のこと。
日本の高度経済成長を支え、モーレツ社員と呼ばれた彼らは、組織への忠誠心が高く、競争意識も強いのが特徴です。
その反面、その競争のなかで培われた独自の価値観や、時代を生き抜くためのしたたかさも持ち合わせていました。アセアセ

今回は、そんな彼が築き上げた“自由すぎる”生活と、なぜ40年もの間、会社に居続けられたのかを、改めて振り返ってみたいと思います。
 

目次

  • 職場を「自分の部屋」にした男

  • 「俺はやらん」その一言に込められた絶対的権力

  • なぜ、会社は彼を手放さなかったのか?

  • 破天荒な彼の姿から学んだこと

 


職場を「自分の部屋」にした男

彼がいたのは、私が配属された部署。

当時57歳で、勤続年数はなんと約40年びっくり

以前、記事にしたパワハラをしてきた職員です。

 

 

 

彼の仕事ぶりは、新人だった私の常識をはるかに超えていました。

朝、出勤したと思ったら、いつの間にかいなくなっていました。

大抵は、近所の喫茶店にいます。

 

ランチに時々ビール生ビールを飲んで、ほろ酔い気分で午後の勤務に戻ってくることもありました。

さらに、仕事中に突然いなくなり、自転車で買い物自転車に出かけていることもありました。


そして、社内の分析室は彼の“部屋”となっていました。

 

私物のテレビまで持ち込み、勤務中にも関わらず、堂々とテレビテレビを観る始末。
個人で完結する業務が多く、他人に干渉しない職場だったことが、彼の自由を許したのかもしれません。

 

新入社員だった私はただただ、言葉を失うしかありませんでした。真顔

 


「俺はやらん」その一言に込められた絶対的権力

彼のすごさは、そんな行動だけにとどまりません。
仕事に対する姿勢も、常識では考えられないものでした。

依頼された仕事を頼まれても俺、気に食わなければ「俺ははやらん」プンプンの一言で一蹴。

その言葉に偽りはなく、本当に何もしません。
上司が何度説得を試みても、彼は完全に無視。

その姿は、むしろ「すごい」とすら思えるほどでした。
 


なぜ、会社は彼を手放さなかったのか?

今、私は39歳。彼のような団塊世代と働いた最後の世代驚きかもしれません。

では、なぜ彼は40年間も会社に居続けられたのでしょうか。

最大の理由は、彼が持つ長年の経験とノウハウが、マニュアル化されていなかった凝視ことです。

彼にしか分からない仕事が多く、彼がいなければ業務を回せる人がいない状態でした。
そんな状況だったからこそ、会社も彼の自由奔放な振る舞いを黙認せざるを得なかったのだと思います。

彼がここまで情報を独占したのは、もしかすると、過去の辛い経験があったからかもしれません。

彼も若い頃、先輩から理不尽な理由で責任を負わされたり、いじめられたそうです。
そうした経験から、自分を守るために、誰にも情報を渡さないというスタイルを築き上げたのかもしれません。

 


破天荒な彼の姿から学んだこと

彼のハチャメチャな行動は、仕事へのプライドや意地の現れだったのかもしれません。
許されることではないけれど、彼が手にした「自由」には、どこか羨ましさも感じましたスター

彼の存在は、今の時代では考えられないほどの強烈な個性が認められていた時代があったことを、私に教えてくれました。

きっと、これほどまでに自由奔放な人には、もう二度と出会うことはないと思います。