(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表
桑原朱美です。
今日のテーマは
「未来を拓く問題解決思考~「原因追究」から「未来逆算」へ~」です。
「学級活動で“早寝早起き”の取り組みをしたい。でも、担任の先生に“未来志向”の考え方をどう伝えれば…?」
これは、会員のW先生からのコンサルでのご相談です。
話を聞く中で驚いたのは、「問題解決的な学習=原因を探して取り除くこと」と捉えている担任が多いという現状でした。
たしかに、「なぜ問題が起きたか?」という原因追究は、長年使われてきた思考パターンです。
しかし、それだけでは子どもたちは“やらされ感”から抜け出せず、自分から動く力は育ちにくいのです。
■「原因追究モデル」と「未来逆算モデル」
私たちは、次の2つの思考モデルを区別しておく必要があります。
【原因追及モデル】過去に注目し、「なぜできないか」を探る
◎思考の起点:現在の問題点、不足、できないこと
◎子どもへのメッセージ:否定的なメッセージになりがち。受け身な姿勢。責任追及の傾向。
◎行動の原動力:「悪い状態をなくす」という発想。短期的になりがち。
例:「夜更かししているから早起きできない」→ゲームを禁止
「マイナスをゼロに戻す」
【未来逆算モデル】理想の未来を描き、「そこに行くには今何が必要か?」を考える
◎未来の理想像、なりたい自分、達成したい目標
◎肯定的なメッセージ。「~のために何ができる?」と主体的行動を促す。自己効力感を高める。
◎「理想の未来を実現する」という発想。自律的で継続性がある。
例:「朝スッキリ起きて、授業に集中したい」→そのために早寝を工夫する
「ゼロからプラスを創る」
文部科学省も学習指導要領の中で、こうした“未来を創る力”の育成を強く打ち出しています。
■文科省が示す方向性
「総合的な学習の時間」で育てたい力として、文部科学省はこう述べています。
未来を創る主体として、自ら課題を設定し、解決に向けて探究する資質・能力
つまり、「理想の未来→今の行動」をつなぐ未来逆算的アプローチそのものなのです。
■「健康だから」ではなく、「夢を叶えるために」
たとえば「早寝早起きをしよう」という指導も、未来逆算の視点に立てば、こう変わります。
✕「健康にいいから早く寝よう」
〇「夢を叶えるために、朝から元気に動ける自分になろう」
大切なのは、“目標達成に必要な行動”として本人が納得できること。
その納得感こそが、自発性と継続力の源になります。
■子どもたちの未来のために、大人ができること
私たち大人が、子どもたちの「できていない部分」を見て指導するのではなく、
「どんな未来を描いているのか?」に耳を傾け、
それに向けた小さな一歩を一緒に考えていく。
このスタンスこそが、子どもたちに“生きる力”を育てる最大の後押しになるはずです。
未来をつくるのは、子どもたち自身。
その歩みに、私たちの問いかけとまなざしが、あたたかく寄り添っていけますように。
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