いつものようにメディアは騒がしくそして不誠実だ、
どこからどこまでを信じられるのかもわからない。
当たり前のように期待は裏切られ
信憑性のない新しい次のニュースがやってくる。
彼とTOPとのアルバムが発売されると噂されて、楽曲も決まっている。
レコーディングは終わりつつあって
後は編集作業だけというのに連絡もしてくれない彼にそろそろ疲れてきてる。
出ないとわかってる電話に
「あたしです。忙しいのにごめんね、でも、忘れられちゃたのかなって心配になって」
と言いたくなった。

しばらく電子音がなっていて、回線が繋がって、彼は
「今どこ?」
と尋ねる
電話に出るなんて考えてもなくて
留守電になったらメッセージ入れようかどうしようかって迷って
多分そのまま切ってた・・・ハズなのに。
回線の向こうにはジヨン。
この状況~の把握ができない。
「えっ」
スタジオの場所知らないけど、少しでも近くに居たくて。
事務所すぐそばのカフェでぼーっとしてるなんて・・・言えない。
「あっ外、外にいる。こことこだろ」
おおおお~ナイスだ、完全に誤魔化しきれたと安心してたのに
「今から行くから、詳しく教えて」
ってなに?忙しいんじゃんないの?
あわあわしすぎて
「事務所の近くの」
って言っちゃったし。

「了解~時間かかると思うけど待ってて」
と一方的に電話が切られる
返事・・・してないっ。
・・・けど彼はあたしが待ってるって信じてる。
もちろん待ってるけどこのやり取りに安心する。
しばらく会えてなかったけど。
あたしの事覚えてくれたんだって。
気持ちが少し楽になった。

あたしとしては一応付き合ってるつもりだけど彼がどう思ってるかは未だ謎だし。
決定的なこと言ってくれてない。
そして聞けないあたし。

時間がたつにつれて
緊張してきてやばい~カフェラテのお代わりも3回目だし
もうお腹がたぷたぷで。
お化粧直しもしなきゃっと化粧室でチェックして
席に戻ろうとしたら
そこに座ってるなんて?あり?

パーカーのフードを深々とカブって
でっかいサングラスつけて
あたしの飲み残しのカフェラテ飲んでるのってありですか?

「どうしてこの席ってわかったの?」
「え?だってそれミチのバックだろ?」
「あっ、うん」
「バック放置してトイレって危ないからやめること~な」
と注意されたけど。
一度しか見たことのないはずの
バックを覚えてた事に驚いて
返事もせずに立ち尽くしてたら。
「もう行く?」
ってサングラス下にずらして
上目使いで見上げてくるジヨンの目に
視線に・・・。

「・・・行く」
としか言えない・・・。