$妄想倉庫

疲れてるって知ってるから眠ってる振りしてた。

テソンが顔を覗き込んで来ても規則正しく息をすることだけを考える。
額にかかってたあたしの髪をそっとすくいあげた指が
こめかみをかすめただけで心臓が波打ってしまう。
そしてその波はあたしの肩をゆらして
それに気づいてしまう彼を好きじゃないと心から思った。
名前をゆっくりと呼ばれて

「寝てるフリはもういいよ」

って言われたら、目を開けるしかなくて….
すぐそばにテソンの顔があったから
笑ったはずなのによくわかんないけど涙が止まらなくて
笑顔頑張ったけど

「無理しないで」
って…。

疲れてるのは彼の方なのに
「何も出来なくてごめんね」
って彼を引き寄せて。

胸に顔を押し付けて
これ以上心配かけないように
「眠いだけなの」
って言って。

言葉に出来ない気持ちいっぱいを
彼に抱き着くパワーに変えてぎゅってしたの。


何も言わないで欲しいな。
またきっと泣いちゃうから。