こんにちは。
全館浄水システム「最上清流」の江﨑です。
今日は台風３号の影響で
予定していたお仕事が飛んじゃったので
前からやっておきたかった実験を少々。
世の中にはいろんな浄水器があります。
日本国内で使用されている浄水器の一番の目的は
残留塩素をカットする事だと思います。
ホームセンターや電気屋さん、
展示会なんかでも
いろんな浄水器を目にする事ができます。
いろんな会社の様々な工夫を見ると
すごく勉強になります。
が、なかには本当に怪しい説明で販売をする営業マンも。。。
その中でよく耳にするのが
「このお水でお米を洗うと残留農薬が除去できます！」
「わ～！すご～い！こわ～い！」
とお客さんも大喜び。
〇〇水の営業マンがよく使っているトークなので
耳にした事がある方も多いと思います。
当社製品を使っているお客様からも
「昨日来た訪問販売の人が言ってたけど、農薬がとれる浄水器があるんだって！おたくの浄水器でも農薬はとれるの？」
という質問をいただく事があります。
けっこうこれは昔から使われている
有名なトリックなのですが
実際にやってみます。
まずは、水道水。
pH(ペーハー)7.02の中性です。
今回の実験に使いたいのはアルカリ性のお水。
お掃除なんかでよく使われるセスキをお水に混ぜると
pH(ペーハー)9.14の弱アルカリ性をしめしました。
他にも身近なところでは
重曹なんかも良いのですが
重曹水のpH(ペーハー)は7.53。
少しアルカリに傾きますが
今回の実験ではわかりやすいようにセスキを使います。
セスキ、セスキ炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ソーダなどの名で薬局やホームセンターで売っています。
洗剤や入浴剤の原料として使われているアルカリ剤です。
お米を用意します。
用意したお米に水道水（中性）を入れてかきまぜると
お水が白濁していきます。
白濁の正体は米ぬかです。
そこに先ほどのセスキを入れて。。。
かきまぜると。。。
こんなに黄色に変色しました！
これがお米の残留農薬なんです！！！
と、先日の展示会でも某浄水器メーカーの営業マンが熱弁していましたが
実際には、米のとぎ汁の中の成分（脂肪）がアルカリに反応して変色したものです。
「いいや！これはアルカリに反応して農薬が染み出したんだー！」
と言われてしまわないように
念には念をいれて、
もう少しわかりやすいように
とぎ汁だけをコップに移して
再度、セスキを入れてみると
さっきと同じように変色します。
これ、農薬じゃないです。
いろいろサイトを調べていると
神奈川県のホームページの中の
「神奈川県営水道お客さまコールセンター」の中では
配送水道に使われている塗装からアルカリ分が染み出ると米のとぎ汁の成分と反応して黄色、薄緑色になることがあります。
と記載されていました。
浄水器の営業マンの中にも
いまだにこんな話をする人をよく見かけます。
同じように
「トマトを浸けておくと色が出る！農薬だ！」
「ブロッコリーの茎についてる白いのがとれる！あれも農薬だ！ワックスだ！」
などなど。
トマトから出てくる色はアルカリで溶けだしたリコピンだそうです。
ブロッコリーを含む野菜や果実は
雨や虫から身を守るために
ブルームというワックスを分泌します。
水をはじく様子から
「これは身体に悪い！農薬だ！ワックスだ！」
などと言われる事もありますが人体には無害です。
このような勘違いで農家さんも困ってるんです。
こういうトークは営業マンが勝手に言っている場合が多いので
直接メーカー本社に問い合わせてみるのも
騙されないための方法のひとつです。
先ほどの営業マンの本社の相談窓口に問い合わせてみたところ
「当社の製品では農薬を除去する効果はうたっていない。」
との回答でした。
他にもいろいろな手口ってあるんです。
指先に針を刺して血を顕微鏡で見て
「あら～！血がドロドロだー！」
「このままじゃ死んじゃうよ！」
「だけどこの水を飲めば！」
で、もう一回チクー！っと針を刺して
「ほら！こんなにサラサラになった！」
なんていうのも。
これも簡単なトリックで
プレパラートをぎゅっと抑え込んで
観察する血液を薄くのばすと
赤血球がバラバラに見えるというだけ。
そもそも血液サラサラとかドロドロに
医学的な根拠は無いそうです。
今回、あらためてインターネットを検索してみて思ったのですが、
この「残留農薬がとれる水！」というカテゴリーだけでも
賛成意見や反対意見
さまざまな意見があふれています。
どの情報を信じるかは個人の自由だし
情報の発信も個人の自由なのでしょうが、
難しい時代だなーと思いました。
最近では
「こういう水があるらしいんだけど、江崎くんどう思う？」
「これって本当に効果あるの？」
と、販売店さんやお客様からご相談をいただく事も増えてきました。
僕もまだまだ勉強中なのですが
知っている範囲でお答えします。
何かありましたらお気軽にお問い合せください！