1.旭川駅

 

旭川の新駅舎は、1898年(明治31年)開業時から数えて4代目の駅舎で2011年に完成しました。

現代風の駅デザインにおいて(個人的に)最もインパクトがありました。旭川駅は数多くの建築賞を受賞(鉄道建築協会賞・公共建築賞など)、そして「北彩都ガーデン」を含む、駅周辺再開発事業『北彩都あさひかわ』が、土木学会デザイン賞および都市景観大賞を受賞しています。家具の町旭川「ASAHIKAWA DESIGN」それを象徴するような駅のデザインを見ていきましょう。

 

 

旭川駅のホームは全長180m、幅60m、平行弦トラスの大屋根によって全体が覆われており、列車からホームに降りた瞬間、鉄の支柱に圧倒されます。屋根を支えているトラス柱は、鉄の硬いイメージを和らげる目的で木の幹が空に向って枝が伸びるように、ホーム上に林立しています。圧巻!こんなホーム見たことない。

 

 

乗車してきた特急列車もデザインの一部になっています。

 

 

名寄行きの列車は最新鋭の電気式気動車DECMO、これまでのディーゼル車にはない静かな発車がそれ「らしい」のです。

 

 

ホームから改札へ降りるエスカレーターもおしゃれです。

 

 

内部は北海道のタモ材をふんだんに使用した内装空間が広がります。

壁や天井、エスカレータ、階段など、すべてが温かみのある意匠となっており、薄暗い感じの札幌駅とは大違いですね・・・

 

 

安田侃氏の彫刻が置かれるコンコース、すばらしい空間です。

 

 

国・北海道・旭川市・JR北海道が一体となって、旧国鉄跡地を有効活用するとともに忠別川をアーバンデザインの骨格に位置づけて、河川空間と市街地の整備を一体的に推進したプロジェクト「北彩都(きたさいと)あさひかわ」。駅舎もすごいが、駅の外がまたすごい!

 

 

駅舎の南側は忠別川で、河川空間への移行帯を複数のテラスに細分して構成してあり、川に近づくにつれて手入れの度合いを弱くして自然植生に近いものにしているところが特徴です。

外壁全面がガラスカーテンウォールの駅舎と花が咲くガーデン、こんな駅前みたことない!

 

 

北側の駅前広場も半端ない。

 

 

駅舎からまっすぐ北に行くと日本国内初の恒久的歩行者天国である平和通買物公園とつながっています。

西側には2015年に開業したイオンモールがあり、東側はビジネスホテル街にになっています。

 

 

旭川市は札幌市に次ぐ北海道第2位の人口(約32万人)を有する中核市として、立派な駅前風景となっています。駅前は政令指定都市の新潟市(約77万人)より立派です。

 

 

2.名寄駅

 

名寄駅のしぶさにびっくり。最近屋根の色が緑から赤に変わったようです。

名寄市の中心駅であり、1903年(明治36年)に旭川方面から宗谷本線の前身である天塩線の終着駅として開業しました。若い頃に乗れなかった深名線、1995年になくなったのは残念ですが、宗谷本線さえ廃止になる可能性があるのはなんとも寂しいですね・・・

 

 

40年ぶりの宗谷本線、仕事で名寄から士別に向かいます。

 

 

士別まではDECMO、初めての乗車です。

 

 

3.士別駅

 

士別駅はなんの変哲もない平屋の駅ですが、名寄駅より3年早く、1900年(明治33年)開業で1903年の名寄延伸まで終着駅でした。貴重な駅そばが残っています。

 

 

駅は普通ですが、士別駅前のレンガ倉庫がいいんです。

レンガ造り、石造りと多様な建物があり独特の景観を作り出していますが、函館、小樽のような観光的な要素はまったくありません。少しアピールしても良いのでは?

稚内以外基本的に観光客の来ない道北、道東にはない北海道らしい町並みを味わうことができると思います。