新人金融マーケティング担当者による、自己成長のための日記 -3ページ目

09年度 税制改正のポイント②

2009年度の税制改正について書いていくつもりだったけど、実際の新聞記事では第5回に達していて、あれまぁと思っている今現在です。ただ、せっかくですので書きます。


2009年度の税制改正大網では、土地の譲渡益に非課税枠を設けるなど、土地取引を活性化して内需を刺激するための2つの優遇策を新たに盛り込んだ。一つは取得する土地の将来の譲渡益に対する「1,000万円の特別控除」。もう一方は法人が保有している土地の譲渡益に対する「課税の繰り延べ」制度。

まず前者について。
企業や個人が2009年、2010年に購入した土地を5年超保有した後に売る場合、譲渡益のうち1,000万円が非課税になる。土地を売って利益が出た場合は原則、大企業は譲渡益の30%(中小企業は22%)を法人税として、個人は所得税や住民税で計20%課税される。今後は特別控除の枠内の譲渡益には税金がかからなくなる。

そして後者について。
2009年、2010年中に土地を購入した法人や個人事業者が対象となるもので、その後の10年間のうちに、持っていた別の土地を売却して譲渡益が出ても、そのうちの8割(2010年購入分なら6割)を減額する。譲渡益のうちの課税対象から外れた部分は2009年、2010年に購入した土地のボカを引き下げる。その結果、この土地を将来売る際に売却益が大きくなって課税額が増えるので、課税が繰り延べられる効果がある。(12/30、日経新聞)


前者は税控除なので分かり易いですが、後者は時系列の話なので少し効果を考える必要がありますね。売却益分を購入した土地代の簿価分下げてやることで理論的に課税の繰り延べが可能。しかも将来売る、といった行為がされなければ実質課税額がもろもろ削減されたことになります。また、購入した土地がものすごく値を下げた場合、本来であれば含み損を抱えるものが、既に8割もの割引がされているためその心配も少なくて済む。なるほど、かなり理にかなった税制優遇です。


さて、今年最後の日記となりますが、今年はインプットする年と決め毎日粛々と学んできたつもりです。当然、この日記でもその学びを助けてくれたことは言うまでもないでしょう。
私情をなるべく語らず、冷静に客観的に分析することも意識していました。テレビ、新聞、雑誌、ネットなどのメディアから発信される情報の特徴、こと新聞に関してここでは採り上げてきたわけですが、その内容はじっくり検討してみるとなかなか有益でありました。

来年も引き続き書いていくわけですが、来年はいよいよ3年目に突入、もはや新人ではなく若手になるわけで、とはいっても書いていること事態に何か変化があるかといえばそれは大して変わらないはずでしょうが。

それにしても今の目まぐるしいご時勢で、経営者たちは口を揃えて変化に柔軟に対応しなければならない、というわけですが、個人的にはそれが本当に良いのかどうか疑問に思えてなりません。というのも曖昧模糊に表現された文言であるが故に、おそらく十人十色の意味が付されているのだと感じるからです。それを若手なりに解釈して、一人ひとりの違いを見極めていければ、これまた学びの場になるなぁと独り言をつぶやきながら、今年は終わりにしたいと思います。

ではまた来年。

三井住友海上、あいおい、ニッセイ同和の統合か

おそらく、まだ全然現実味のないうわさ話程度の記事でしょうが、一応大事なのでピックアップしました。


損害保険2位の三井住友海上グループホールディングス、同4位のあいおい損害保険、同6位のニッセイ同和損害保険の3社が経営統合の交渉に入ったことが28日、わかった。早ければ来年秋に統合する。国内の損保市場は少子高齢化や自動車販売の低迷などで頭打ちになっており、統合による規模の拡大と合理化で生き残りを目指す。

3者の2008年3月期の損害保険料収入(連結ベース)を合計すると2兆7300億円になり、統合が実現すれば最大手の東京海上ホールディングスを約5000億円上回ることになる。

三井住友海上は2001年、三井海上と住友海上が合併して誕生。2008年4月から持ち株会社体制に移行した。あいおい損保は2001年に大東京火災と千代田火災が合併。筆頭株主はトヨタ自動車で33.4%を出資する。ニッセイ同和損保は2001年に同和火災とニッセイ損害保険が合併した。(12/29、日経新聞)


合併となると損保業界が大きく揺れる大事件です。当然、東京海上グループもこれに併せて動き出すでしょうし。
今段階ではどうでも良いことかもしれませんが、もし統合したら、社名はどうなるのでしょうか。

三井住友あいおいニッセイ同和

いやこのさい、みずほ銀行みたいに簡単にするほうがいいですよね。たぶん。

株券電子化について⑤⑥

新聞には掲載されたものの、ニッチな情報ばかりであったために書くのを中断していましたが、再開します。


カウントダウン 株券電子化⑤

一定以上の議決権を持つ株主が行使できる少数株主権への影響はないか。
少数株主権には、株主提案権や取締役・監査役の解任を求める権利などがあります。株券を電子化しても権利は変わりませんが、行使するには一定の手続きが必要となります。まず、株主は発行会社の株式を預けている証券会社に、自分が株主であることを証明する申し出をします。証券会社に「個別株主通知申出書」と書いた用紙があるので、提出をします。
申し出をすると、証券会社から「申し出受付票」を渡されます。1週間ほどすると証券会社から「株主であることを発行会社に証明しました」という「個別株主通知済通知書」が送られてきます。通知書の日付から2週間に無いであれば少数株主権を行使できます。

発行会社の株式を複数の証券口座に預けているときでも、どれか一つの証券会社で手続きすれば問題なく、信託銀行に特別口座を開いている場合は信託銀行を通じて一連の手続きをします。発行会社に「申し出受付票」を提出する必要がありますが、その際に本人確認書類や通知書等の書類が必要となる場合があります。(12/24、日経新聞)


カウントダウン 株券電子化⑥

上場企業の株券を担保に融資を受けている場合、注意すべきことはないか。
株券を担保に融資を受けるとき、名義を書き換えずに株券を渡すのが一般的です。株券電子化後も担保取引を続ける場合、借り手と貸し手がそれぞれ前もって証券口座を開き、「証券保管振替機構(ほふり)」に株券を預託して担保設定するなどの準備が必要でした。
株券の預託手続きが間に合わなかった場合、金融機関など担保権者は、「特例登録株式質」という制度を使うことができます。その制度を利用すると、株券の発行会社の株主名簿に担保(質)であることが記録されます。手続きは12月22日~30日の間に可能です。(ほふりへの預託は12月19日まで)
これにより、電子化後に紙の株券が無効になっても担保としての効力が残ります。この場合、電子化後は信託銀行などの特別口座に債権者名義で管理されることになります。

債権者が何も対応をしなかったら電子化後に紙の株券は担保として無効になりますが、融資自体は無効になりません。担保自体が無効になる可能性があるだけで、債務が無くなるわけではないからです。(12/25、日経新聞)



2つ一気に掲載すればそれなりに情報量があります。
ですが、株券電子化による影響に関する内容は両方とも3行くらいでしょうか。少数株主権は失効されないし(今まで証券会社を通じて行っていた手続きを信託銀行に変えるだけ)、株担保融資については債権者の担保が危うくなる、ということだけです。特に後者については、今ものすごいいきおいで債務者の株式について「特例登録株式質」制度を利用していることでしょう。
※実際の新聞コラム⑧と⑨を私の日記上では便宜的に⑤⑥とさせていただきました。


今年も残すところ1週間をきりました。
まもなく、金融業界「change」の年です。

生保の銀行窓販が低調

死亡保険や医療保険などの生命保険商品の販売が銀行に認められてから1年が過ぎた。大手4行の販売件数は計1万5千件と、生保全体の1%未満にとどまる。最近になって販売は増えつつあり、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行では月1千件前後が売れている。

銀行での生保販売は2001年以降、段階的に認められ、昨年12月に全面解禁された。それまでは年金などの貯蓄性の保険商品しか売ることができなかったが、死亡保険など保障性の強い商品も扱えるようになった。今回の販売件数は、死亡・位慮保険など保障性商品を集計したもの。生保全体の07年度の新契約は829万件であり、4行はその0.2%を販売した計算になる。

販売が低調な要因は、保険商品のリスクの説明などを義務付けた法令順守を意識して、銀行が慎重な姿勢だったため。銀行で保険に入れることがあまりしられていない面もある。各行とも窓販の成長分野として生命保険に期待をしている。(12/24、日経新聞)


各行の件数は、三井住友が7,700件。三菱東京UFJが6,000件。みずほが1,000件。りそなが700件。いずれも11月末までの累計。各行の今後の動きについては割愛しました。

ポイントはどこでしょうか。銀行で生命保険に加入するという感覚を持っていないために契約数は低調なところでしょうか。生命保険に入るタイミングは結構少ないと思う。結婚したとき、子どもができたとき、年齢によって保険の見直しをしたとき、親戚や知り合いが勧めてきたとき、知人が生命保険の世話になった話を聞いたとき。内部要因であるライフイベント(含む年齢)と、外部要因とに分けることができたとしても、少なくとも預金の引き下ろしなどで銀行に訪れた際に保険どうしよう、なんて微塵も思わないと思う。

このたび保険の販売チャネルが一つ増えました、程度の話であり、銀行だからものすごい売れるわけではない。銀行利用者はものすごいいるけど、生命保険を念頭においた場合にその圧倒的な顧客の存在はほとんど無意味に近いと思われる。アプローチに工夫を入れれば起爆剤となるかもしれないので、ちょっと考えてみたい分野ではありますけど。

・・・と強気に言うのも、たとえばインストアブランチとしてセブン銀行・イオン銀行がSC内に銀行を設置することで、気軽に訪問できるようにしましたが、結果は散々たるものだったことが記憶に新しいからです。
買い物に来て、ちょっと住宅ローンを見てみるか、投資信託を検討してみるか、なんて発想は起きないですよね。買い物途中に近所の人に、「あそこのお宅は何か買うみたいよ」とうわさのタネにされるのも嫌でしょう。

金融の世界は他人に見られたくないのが普通。特に日本人はそうだと強く感じる。
ならば、やりようはそれなりに見えてくるかと思います。

09年度 税制改正のポイント①

ブログという個人から発信されるメディアの特性を活かし、今注目されている09年度税制改正のポイントを紹介する。


与党の2009年度税制改正大網がまとまった。生活に密着した改正ポイントを解説する。
今回の税制改正で一番の目玉は住宅ローン減税だ。「過去最大の住宅ローン減税を」という麻生太郎首相の指示により、減税規模が大幅に拡充した。
耐久性、省エネ性能が高く一般住宅より寿命が長い、長期優良住宅(マンションを含む)に入居する場合は減税幅が大きくなる。ローンを組んで住宅を買い、09-11年に入居したときは10年間で合計最大600万円の税額控除を受けることができる。入居が12年なら400万円、13年なら300万円が最大控除額だ。
一般の住宅・マンションでは、09年、10年に入居すると、最大500万年の控除を受けられる。中古住宅でも築年数があまり古くなければ、原則として控除対象になる。

支払う所得税が控除額に達しない場合、個人住民税からも一部控除できる。年収が少なく、所得税が多くない人でも住宅ローン減税が利用できるようにするためだ。住民税の控除額の上限は9万7500円だ。

住宅リフォームやローンを組まない長期優良住宅の新築についても優遇制度をつくる。自宅に太陽光発電装置の設置や、バリアフリーの改修工事をした場合、所得税を控除する。
土地に関しては、09、10年の2年間に取得した土地を5年を超えて保有した場合、売り渡す時にかかる税金を優遇する。土地売却時の譲渡所得から1000万円を特別に控除する。個人でも、法人でも制度を利用することができる。(12/16、日経新聞)


住宅ローン減税の最大の特徴は、「税額控除」であるということ。今回の試みでは、長期優良住宅の場合、ローン残高の1.2%が最大の控除率になる。つまり、住宅ローンの金利を最大1.2%も下げる効果が見込める。
ただし、所得税をそれだけ払っている世帯もそうないでしょうから、控除額をさらに住民税にまで広げましょ、というのが今回の趣旨。住宅を購入する消費者にとってかなり強力なサポートとなるのは間違いない。


余談だが、巷では麻生太郎首相批判(もはやいじめレベルか)が様々起きていて、支持率も減少し続けているようだが、個人的には景気対策を第一に掲げていて、具体的にどういったことをするかを挙げている点でもっと評価されるべきだと思う。政府が直接指示できる財政政策として、ばらまきといわれている国民への給付金。意味があるない、よりも何かをしなければならないという姿勢を国民はみてあげる必要がある。

野党含め、メディアもそうだが、人の揚げ足をとるようなことしかしない。
揚げ足をとり、発言のちょっとした矛盾につけこみ、誇張し、歪めて、国民に発信する。

正しい情報を正しく伝えないメディアにうんざりしている人も多かろう。
メディアの在り方議論、なんて昔からされているだろうが、全く進歩していない業界の一つだとしみじみ思う。