2021年3月30日22時8分、生まれながらに白血病を患っていた猫のルーンが5歳半の生涯を閉じた。

備忘録も兼ねてここ最近の猫の様子を記録しておこうと思う。

 

 

様子がおかしいのに気づいたのは恐らく2月になってから。様子がおかしいと言っても特に大きな変化があったわけではなく、例えば「毎日ボールを追いかけて廊下をダッシュしていたのが5往復から3往復に減った」とか、「朝寝床から起きるのが少し遅くなった」程度な事で、今までにも何度かそんな事はあったのでさほど気にも留めていなかった。

 

本格的に何か変だと感じたのは2月末。たまに人のいない別室に行ったきりしばらく帰ってこなかったり、普段は見せないような人を避ける姿を見せ始めた。

 

で、これはおかしいとあわてて病院へ。最初に受診したのが3月1日。

熱もなくリンパも腫れていないし口内炎ができているわけでもない。食事も食べているし尿も便も出ている。体重が少々減っているのが気がかりではあるが、診察では特に異常は見当たらないので経過観察してくれ、とのこと。

とはいえ、5年の付き合いの相棒の様子がおかしいのは飼い主にとっては明白。現状の把握も兼ねて血液検査を依頼することにした。

 

 

結果…

 

 

白血病のせいで白血球の数値が低いことを除けばその他は正常の範囲内。赤血球、腎臓も肝臓の数値も問題はない。

白血病の発症による体調不良ではなさそう、との診察。原因はわからないものの想定していた最悪な結果でなかったことにひとまず胸をなでおろす。

医者からは未発症なら今のうちにインターフェロンの投与を考えてみてはどうか?とのアドバイス。体調不良の状況で5日連続の病院通いは猫にも結構負担かなぁ…と思いつつ、考えてみることにする。

考えるとは言ったもののの、この日の血液検査で採血が上手くできず、両足を血だらけにしてやっとできたと思ったら、血が足りないのでもう少し…なんてことがあったので、注射は猫へのストレスが大きそうだなと感じて少し様子見をしてみようと思ったのも事実。

 

そして再び病院を訪れたのは2週間後。

 

ごはんは食べている、トイレもしている、押し入れに隠れて出てこようとしないという状態も特に変わらない。しかし何やら熱っぽい。慌てて猫を連れ診察終わりがけの病院に。

診察結果は高熱。その場で解熱、抗生剤とインターフェロンの投与を行うことに。熱を下げる注射をしたので少しは元気になるでしょう、とのことだったが、結局その日元気になることはなかった。逆にカリカリを食べなくなり、水をがぶ飲みするようになった。

 

 

インターフェロンの投与を連続で行うことになったものの状態は急激に悪化。本来ならば3日もすれば何かしらの効果は出るらしいのだが、全くそのようには見えない。エサを食べなくなったので、シリンジを使っての強制給餌を行う。ちゃんと飲み込んでくれるのがまだ救い。

 

 

インターフェロンの投与を開始して4日目。効果が出ていないので次の日に再度血液検査を行うことに。結果次第でインターフェロン投与の中止をお願いする。猫も体調が悪い中、毎日何本も注射されたくないだろう。

「その日」が来るときに備えて自分の中で決めていたことがある。延命はしない、しかしできる限り苦痛は取り除いてあげたい。この方針を医者に伝え、了承頂いた。

 

 

5日目は朝からとても重い雰囲気だった。結果のわかっている検査だがまぁ仕方ない。

病院に着くと駐車場で10数羽のカラスがエサを啄みつつ迎えてくれた。カラス=不吉ってのもどうかとは思うが、こんな気分のときはそんな迷信も信じてしまうってやつ。

検査結果は想像通り、いや想像以上。前回検査から2週間の間に白血球、赤血球とも3分の1以下にまで減少している。そりゃ貧血でフラフラになるわけだ。

で、何か処置してくれるのかと思ったら…

 

 

「あとは安静にしていてください」

 

 

え?診察終わり??

 

 

どうやら動物病院では治らない患者は患者ではないらしく、それ以上何もしませんというスタンスらしい。死を迎えるまでの間、誰も頼ることができないというのは動物にも飼い主にもなかなか酷なことではあるが、誰も頼れないのなら自分独りでどうにかするしかない。

こうして看病生活がスタートしたのでした。