結社【新墾】
恐竜の子孫かわれも白亜紀の湯にきれぎれの虹浮かびおり 一戸陽子
列車バス乗り継ぎどこまで歩いても会えないだろうかこの地上では 井上治子
子どもには失言がない透きとほる声たふとくてそれをさせない 大塚純子
「やそじ」という天然素材のワンピース与えられたり着たまま眠る 梶原佳鶴子
陳皮入り袋を浮かす浴槽に首までつかれば母の匂ひす 湯浅純子
空知川の夕日明るむ果ての果て関門海峡にひとつの陽は落つ 杉本敦子
「フン」とばかりフェンスの雪を蹴りおとす若いカラスの見事なキック 釣 尚子