令和5年度会員自選作品集(39) | 短歌活動をめざす北海道歌人会

短歌活動をめざす北海道歌人会

北海道在住の歌人や愛好者、もしくは道外転出者も希望によって会員とする北海道歌人会です。短歌における親睦と創作を希望する方はどなたでも加入できます。ぜひ、一緒に短歌を楽しみましょう!

 

 

      ※ 掲載は一人5首にさせていただきます

 

 

リモート授業 駒井米子

 

柊のギザギサの葉は年月を重ねて丸みを帯びると知りぬ

 

しんしんと降り頻る雪に罪ひとつ許されてゆく今日の錯覚

 

神妙な顔して画面に向かいたるリモート授業の孫の一面

 

一仕事終えたる如き葉桜に五月の雨は殊更やさし

 

郭公の鳴き声いつしか遠退きぬ曇天つづく寒き水無月

 

 

 

 

冬でござんす 近藤富貴子

 

昨夜(よべ)の雨一夜明くれば銀世界「冬でござんす」寒太郎節

 

鍵盤めく氷柱の羅列きらめけば虹と雪のバラード鳴り出ず

 

出歩くな会話控えろあれこれ駄目とホモサピエンス退化せざるや

 

子羊も追う恐竜も忽ちに崩れてちりぢり空行くロマン

 

着膨れて霜月寒し世情厳し友と嘆かう「いつまでこんな・・・」